おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
毎週土曜日は1週間の振り返り記事です。まだ読んでいない記事があればぜひ土日のお時間ある際にご覧ください!
今週のリサーチ記事
【Lolli】EC購入でBTCでキャッシュバック、ビットコインリワードアプリケーション / 2018年に設立されすでに25,000ブランドで導入 / 2023年12月にシリーズBで800万ドルを調達
«ニュース解説»
年末年始でしたのでニュース解説が不定期となりました。来週からは通常通りのカレンダーになりますので、平日お昼に更新予定です。楽しみにお待ちください。
それ以外の記事も面白いプロジェクトが多かったですし、過去記事も500記事以上ありますのでぜひご覧ください!
個人的に気になったニュース3選
Etherscan が Solana ブロックエクスプローラー Solscan を買収
2015年に設立されたイーサリアムのブロックチェーン探索大手、Etherscanは、「共同合併」と称される方法でSolscanを買収したと発表
2021年に設立されたSolscanは、今回の提携を「両プラットフォームにとって前向きな一歩」と述べた
Etherscan と Solscan は、リソースと専門知識を共有することで、既存のサービスを革新し、拡張するための体制を強化する
Solana NFTの売上が急上昇し、月間販売量で初めてイーサリアムを上回った
CryptoSlamのデータによると、ソラナを中心とした勢いの高まりにより、12月にはNFTの売上が史上初めてイーサリアムを上回った
12 月の Solana NFT の売上高は約 3 億 6,650 万ドル相当で、イーサリアムの売上高は 3 億 5,320 万ドルだった
ソラナでは、12月にもユニークな買い手と売り手の数が約2倍になり、総NFT取引数がはるかに増えた
Visa、Web3 顧客ロイヤルティ プラットフォームを試験運用
Visaはゲーム化された景品や没入型の宝探しを含む Web3 ロイヤルティ サービスをリリースすることを発表
Visa Web3 Loyalty Engagement Solution と名付けられた顧客エンゲージメント プラットフォームにより、ブランドは消費者に代わってポイントやエクスペリエンスを保存できるデジタル ウォレットを作成できるようになる
Web3 エンゲージメントおよびロイヤルティ プラットフォームである SmartMedia Technologies と提携して設計された Visa の新しいロイヤルティ ソリューションにより、ブランドが顧客にデジタル ウォレットを提供し、顧客がオンラインまたは現実世界での体験などの特典や特典を獲得できるようになる
“報酬”の分散が次のトレンドとなる
最後はここ最近考えている内容を書きます。
最近「分散とは何か」について考えています。おそらくweb3で当初語られていた分散は「運営の分散」であり、1人が全てを意思決定できてしまうことへのアンチテーゼであったように思います。
その思想自体は今後も続くと思いますが、一方で結局は中央集権(トップダウン)で意思決定をしていく方がプロジェクトの成功に早く近づくのではないかという風潮も生まれています。早く近づくどころか、そもそもある程度の成功はトップダウンでないと不可能ではないかとも言われます。事実、プロジェクトを分散的に運営してうまくワークしているプロジェクトをほとんど見ません。
まだ過渡期で今後の生まれる可能性もありますし、最初は中央集権で運営して後から運営を分散化させていく流れが主流なのかもしれません。多くのプロトコルは最初は開発と運営を創業者が率いるチームが行い、トークン発行と共に徐々に運営を分散化していくロードマップを掲げています。
個人的にはやはり運営が分散化されたプロトコルが10年後もイノベーションを起こし続け、その時代に合わせてアップデートしていくイメージは湧きません。なのでここは一定の線引きが必要なのだと考えていますが、この考察はまた別の機会で。
今日は「分散」の深掘りです。
web3が可能にする「分散」には多様な意味を含めることができ、先ほどから解説している通り「運営」の側面もあれば、「報酬」や「所有権」も分散できます。
僕は次のトレンドは「報酬」の分散化だと考えています。
「運営」と「所有」の分散化のチャレンジは引き続き業界として挑戦していくはずですが、これらを中央集権的に行いつつ、まず「報酬」を分散化することは簡単に実践可能です。
エアドロップはまさに報酬の分散化です。DePINプロジェクトの説明の中に「Uberの初期ユーザーはこれだけサービスが有名になった後でも1円も還元されません」と書かれているプロジェクトがありました。ただ、これだけ短期間で成長したUberはやはり強烈なトップダウンでなければ実現できなかったように感じます。ただ、運営の分散化と報酬の分散化は相反するものではありません。つまり、トップダウンでありながら報酬の分散化は実現できます。
株式会社の仕組みでいえば株式の分配で、ストックオプションがそれに当たります。上場時の報酬を株式やストックオプション保有者にも分配します。社長が独り占めもできますが、報酬を分散化することで優秀な人材を巻き込むことができます。
ですが、ストックオプションの仕組みはユーザーには通用しません。
web3であれば、社長、社員、ユーザー、全員に報酬を分散化できます。NFTの発行でもFTの発行(エアドロップ)でも、どちらにせよ貢献してくれた人にトークンを発行することでプロジェクト成功時の報酬を分散化できます。逆説的に、報酬を分散化しているので、報酬が得られる人は成功に向けて頑張ります。これがユーザーと運営の金銭的な目的が一致する状況になります。
自由と責任はセットだと言われます。会社でも自由に働いて良いからには結果を出す必要があり、その自由と責任を追う人は高い報酬を得ることができます。逆に高い報酬を得るからには自由と責任を追う必要があります。報酬と責任はセットです。
web3もまさにこれで、報酬と責任(出した結果)はセットです。貢献に応じてトークンが配布されるので、結果を出した人にはそれなりの報酬が確保されます。
何が言いたいのかというと「報酬の分散化」によって責任を持つ人を巻き込めるので、逆説的に「運営の分散化」にもつながる可能性がある、ということです。そして、いきなり運営や所有の分散化は正直難しいので、プロダクト運営自体は中央集権で行いつつ、報酬を分散化する方法からスタートしていく未来が訪れるはずという予測です。
話がごちゃごちゃしたかもしれませんが、僕はweb3の報酬システムを利用するとたった数人のチームが世界中で利用されるプロダクトを運営する未来が来ると本気で考えています。その過程においてまずは自分でも報酬の分散化を試してみて仮説検証していきます。
その最初が$researchトークンの発行です。X上で毎日配布しているのでぜひ覗いてみてください!
以上、今週もご覧いただきありがとうございました。明日以降も引き続きよろしくお願いいたします!
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