【Rekt Drinks】NFT・FT・ポイントエコシステムで急成長するweb3発の炭酸飲料ブランド / Abstract、OpenSea、Jupiter、Binance USとコラボ / @rektdrinks
全てのドロップで数十万本を即完売する次世代ブランド
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「Rekt Drinks」についてリサーチしました。
🥤Rekt Drinksとは?
💧独自トークンとポイント
💬トークンを扱うブランドが増えていく
🧵TL;DR
Rekt DrinksはNFT「Rektguy」から生まれたweb3発の炭酸飲料ブランドで、飲料×ポイント×トークン×NFTを組み合わせたユニークな仕組みを持つ。
2024年以降、Abstract、OpenSea、Jupiter、Binance USなどとコラボし、全てのドロップで数十万本を即完売するなど圧倒的実績を記録。
ユーザーは「DRANKポイント」で貢献を可視化し、$REKTトークンで特典や将来の価値参加も可能。NFTは物理商品の引換券や文化的証明として活用される。
web3のコミュニティ熱量を現実の消費財と結びつけるモデルであり、次世代ブランドの活用例として注目されている。
🥤Rekt Drinksとは?
「Rekt Drinks」は、web3文化と現実の商材を融合させた飲料ブランドです。
暗号資産業界のスラング「Rekt(やられた・大損した)」に由来するブランド名とスローガン「Get Rekt Responsibly(責任あるRektを)」を掲げ、ゼロアルコール・ゼロカフェインの炭酸飲料を提供しています。
ドリンクの販売やプロモーションには独自のポイント、トークン、NFTを組み合わせることで大きな人気を博しており、2024年にオンライン限定で発売を開始して以来、わずか数回の限定ドロップ(販売イベント)で全世界に60万本以上を出荷するなど、従来のWeb2企業と肩を並べる販売実績をあげています。
◼️誕生背景
Rekt Drinksは、もともと2022年5月にNFTとして無料配布されたRektguyというデジタルアートコレクションから発展したプロジェクトです。
このRektguy NFTは著名NFTアーティストのOvie Faruq(通称OSF)が手掛けたもので、スヌープ・ドッグやスティーブ・アオキ、ギャリー・ヴェイナーチャックなども保有者に名を連ね、“カルト的人気”を博しました。
強固なコミュニティに支えられたRektguyは、単なるミーム的NFTから約2年間で徐々にブランドへと進化し、現実世界での製品展開へ乗り出すことになります。こうした文脈の中で2023年にRekt Brands Inc.が設立され、NFTを活用した新規事業としてRekt Drinksが企画されました。
◼️限定販売イベント
2024年11月初旬、満を持して発売された第一弾製品「Liquidated Lime(清算ライム味)」は、発売開始から48時間足らずで22万2千本超が完売する記録的ヒットとなりました。
これはweb3発のブランドによる実世界商品の販売として史上最大級の成功例の一つであり、創業者のOSFは「我々は強いコミュニティ主体のアートプロジェクトから、実際に収益を生み出せるブランドへと脱皮した」とその意義を強調しています。
この成功を受け、プロジェクトは2024年11月にエンジェル投資家とコミュニティから150万ドルのシード資金を調達しました(VCからの出資は受けていません)。
また同時期に、米国証券当局(SEC)の規定に基づくクラウドファンディング方式を利用し、親会社Rekt Brandsの株式をNFT保有者に直接提供するというユニークな試みも行われています。
その後も複数回のドリンク販売が行われています。どれもweb3で有名なプロジェクトとのコラボで実施しており、即完しています。
①Abstract Apple × Abstract Chain
フレーバー:リンゴ+ラズベリー風味
発売時期:2025年5月
販売本数:約 220,000本(約220Kケース)
完売スピード:約40分以内で完売(地域別では欧州13分/米国16分)
コラボ相手:Abstract Chain
②Ship Rekt × OpenSea
フレーバー:グレープフルーツ+ラズベリー風味
発売時期:2025年6月3日(NFT形式ドロップ)
販売本数:NFTは地域 × 2 種で各3,750枚(合計7,500枚)= 約180,000本分の飲料と引換可能(各NFTは24本入り1ケースの引換権となっており、購入者はNFTを所有することで実商品の受け取り権利を得る仕組み)
完売スピード:約17分で完売
コラボ相手:OpenSea。NFT所有者にはOpenSea XP、Abstract XP、DRANKポイントなども提供
③Jupiter Drops × Jupiter
フレーバー:詳細不明(コラボ限定)
発売時期:2025年6月16日ごろ
販売本数:約54,000本
完売スピード:約20分で完売
コラボ相手:Jupiter Exchange
そして現在、Binance USとの提携も進められており、同社とのコラボフレーバー「Liquid Gold」が発表されています。
Binanceは2025年6月末から$REKTトークンの取引キャンペーン(賞金総額約100万ドル相当)を開催しており、Rekt側もこれに歩調を合わせてブランド認知拡大を図っています。
また、アメリカのセブンイレブンとの提携により、2025年6月に初めてロサンゼルスの一部店舗で店頭販売を実現しました。これはRekt Drinksにとって初の実店舗流通であり、同地域では発売記念として6月19~21日に3店舗をジャックするイベントも開催されました。
このように強固なコミュニティを持ち、それを現実のビジネスと連携させて急成長しているブランドが「Rekt Drinks」です。
💧独自トークンとポイント
では、ここからは「Rekt Drinks」のトークンエコシステム、インセンティブ設計について見ていきます。
「Rekt Drinks」にはDRANKポイント、$REKTトークン(Rekt Coin)、NFTの3種類のインセンティブが存在します。
まずわかりやすいNFTから紹介します。
◼️NFT
NFTにも大きく分けると2種類あります。元々のオリジナルコレクションである「Rektguy NFT」とドリンク販売のコラボNFTです。
Rektguy NFT
2022年5月、OSF氏がリリースした無料配布型のEthereum上のPFP NFTコレクション。CC0ライセンスで流通し、ミーム的な人気と共にブランドの基盤となりました。
保有者特典
$REKTトークンの初期クレーム権利
製品ドロップやイベント参加時の早期アクセスや専用特典の提供
ブランド文化・二次創作へのアクセス権
コラボNFT(例:Ship Rekt by OpenSea/Abstract Apple NFT)
製品フレーバーと連動した限定販売NFT。たとえば、2025年6月の「Ship Rekt」ではOpenSea上で 7,500枚限定NFTを0.029 ETHで販売し、1枚ごとに飲料24本と引換できる権利付き。
保有者特典
対象飲料ケースの引換権(物理商品)を得る
DRANKポイントやOpenSea XP、Abstract XPといったNFTプラットフォーム連携ポイントも付与されることもある
続いて、ポイントとトークンの関係性です。
◼️DRANKポイント
DRANKポイントは、飲料購入やSNS投稿、コミュニティ参加などを通じて獲得する、Rektブランド独自のコミュニティ指標です。金銭的価値は無く、あくまで貢献を可視化する「称号」的なポイントであり、現金や暗号資産と交換できません。
獲得するには、Rekt Drinksの対象商品を購入、公式SNSなどで指定の投稿をいいね・リツイート、Discordのイベント参加、AMA、キャンペーンへの参加など、コミュニティ活動への参加や貢献、実際の購入で得ることができます。
このDRANKポイントは、ブランド側の裁量で、将来的な景品・トークン配布・限定NFTドロップの参加資格などの任意の特典への参加資格に利用される可能性があります。
ただし、その確約はなく、いつでも変更・停止される可能性あると念を入れて書かれています。
◼️$REKTトークン(Rekt Coin)
Rektエコシステムのブランドトークンです。コミュニティ報酬、イベントアクセス、将来のNFTドロップや限定コンテンツの参加権として機能します。
Ethereum上で発行されましたが、Layer0のブリッジ機能を利用し、現在はBase、Abstract、Solana、BSCでも流通しています。
総供給量は420,690,000,000,000(420.69 テラトークン)で、発行時点で全量がロックなしで供給されました。アロケーションは63.5%をコミュニティへ(NFTホルダーやDRANK獲得者への初期クレーム24.3%含む)、残りは運営・投資家などへ割り当てました。
$REKTはブランドコインと謳っており、ブランドが主流になる前の支持者に報酬を与える仕組みを提供します。
以下、ホワイトペーパーからの抜粋です。
ブランドの早期支持者は、ブランドの成功に貢献しても報酬を得られないという問題があります。
ブランドを支持するために製品を購入し、友人に紹介することが一般的です。
ブランドが主流になると、早期支持者は何も得られず、報酬を受けるのはインフルエンサーやセレブリティです。
$REKTのブランドコインは、ブランドの成長と文化的関連性を反映する新しいデジタル資産です。
ブランドコインは、実際の製品やコミュニティに結びついています。
$REKTは、ブランドの成長や公の感情に影響を受ける価格を持ちます。
ブランドコインは、参加、信念、文化的関連性を通じて価値を創出します。
ブランドコインは、ロイヤリティポイントとは異なり、オープンで流動的なシステムです。
ロイヤリティポイントは企業によって制御され、価値が限定されています。
ブランドコインは、支持者がブランドの成長に参加し、価値を共有することを可能にします。
$REKTは、ブランドの成長とコミュニティの参加が相互に影響し合う成長サイクルを示しています。
Rekt Drinksの売上が急増し、注目が集まります。
売上の増加は$REKTの価格上昇を引き起こし、コミュニティの報酬プールが拡大します。
まとめると、トークンとポイントとコラボNFTを組み合わせながらドリンクを販売しているプロジェクトですね。web3発で次世代のブランドの在り方として参考になりますね。
💬トークンを扱うブランドが増えていく
最後は総括と考察です。
非常に面白いプロジェクトですね。
やはりトークンエコノミクスは実需を伴う収益がなければ破綻する可能性が高いですし、ブランドの初期エンゲージメントとグロースに対してトークンを活用する方法は今後増えていくと考えています。
以前書いた通り、僕はこの在り方を”グローストークン”と呼んでおり、ガバナンストークン、ユーティリティトークンに次ぐ新しいトークンエコノミクスの在り方だと考えています。
トークンは革命だと思いますが、エコノミクスを成立させ続けることは非常に困難です。なので、事業成長と共にトークンがその価値を反映させていく、たとえば事業収益で市場供給量が減少していく、そんなエコノミクスを持ったトークンが増えていくと考えています。
大体のスタートアップが株式で調達をするように、トークンも発行することでグロースのサポートになることが普通になると思っています。今はまだweb3発の新しいブランドの方法としてトークンを取り扱うブランドが目立っていますが、これがD2Cのようにトレンドになると、多くの新興ブランドがトークンを発行してコミュニティ構築、マネタイズ、グロース、プロモーションをするようになっていきます。
消費者とブランドがダイレクトに繋がるだけじゃなく、一部の消費者はブランドに参加する、そんな時代です。
当然、トークンは価格ボラティリティが激しいので賛否は生まれますし、ブランド側はこれまでとは違う業務が増える可能性がありますが、それでも尚トークンを活用してマーケティングした方がより早く成長すると考えています。
個人的にそれらの事例を見るのが楽しみですし、クリプトに親和的になったアメリカではそんなブームになってもおかしくないと考えていますので、とても楽しみです。
以上、「Rekt Drinks」のリサーチでした!
🔗参考リンク:HP / X
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