【AIGE】ブロックチェーンを活用したAIデジタルヒューマン生成プラットフォーム / NFTパスポートとSBTによってアバターの所有証明と本人認証を実現 / TGE間近 / @aige_in
生成したアバターや関連アイテムはAIGORAマーケットで売買・レンタル可能に
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「AIGE」についてリサーチしました。
AIGEとは?
変遷と展望
トークンを組み込んだプラットフォームの未来
🧵TL;DR
AIGEは、Antix社が開発したAIデジタルヒューマン(デジタルツイン)生成プラットフォームで、NFTパスポートとSBTによってアバターの所有証明と本人認証をブロックチェーン上で実現します。
生成したアバターや関連アイテムはAIGORAマーケットで売買・レンタル可能で、決済には独自トークン$ANTIXが使われます。
2025年に正式ローンチされ、今後はメタバース連携やDAO化などを通じて自己主権型アイデンティティ経済圏の構築を目指しています。
AIGEとは?
「AIGE」は、Adaptive Intelligence for Generative Expressionの略語であり、Antix社のAIデジタルヒューマン(デジタルツイン)生成プラットフォームです。
AIGEプラットフォームでは、ブロックチェーン技術がデジタルヒューマン(AIアバター)の所有証明や取引、アイデンティティ証明に幅広く活用されています。整理すると以下の通りです。
◼️NFTパスポート
AIGE上で生成された各デジタルヒューマンには固有の「NFTパスポート」が発行されます。これはブロックチェーン上でアバターの真正性と所有権を証明するデジタル証明書であり、いわばそのアバターの「パスポート」に相当します。
NFTパスポートにはSBTの仕組みが組み込まれており、それによって各アバターと検証済みの創作者(オーナー)が紐付けられます。
またSBTはユーザの活動実績を示す功績バッジとしての役割も果たし、例として「ファッショニスタ(衣装を10回以上変更)」や「インフルエンサー(投稿10回以上)」などユーザ行動に応じた称号を付与する試みもあります。
◼️デジタル資産の譲渡・ライセンス
AIGEではユーザが生成したデジタルヒューマンやその関連アセット(衣装、ボイス、スキル等)を売買・貸出できるマーケットプレイスが用意されています。
これらのアバターやアイテムはNFTとしてトークン化されているため、ブロックチェーン上で安全に所有権の移転や貸与による利用許諾が可能です。たとえば、自分の分身であるデジタルヒューマンをNFTとしてマーケットに出品し、他者にレンタル提供して収益化することもできます。
このマーケットプレイスの名前はAIGORAと呼ばれ、近日中に公開予定です。
◼️プラットフォーム全体の体験
また、ここはブロックチェーンを利用しているわけではありませんが、生成したデジタルツインからプロンプトによって画像・動画等を作成できます。
よって、整理すると以下のような一連の体験が実現できます。
数枚の写真をアップロードすることで自身のデジタルツインを作成
デジタルツインデータはSBTによるNFTパスポートで自身と紐づく
活動を続ける中で実績SBTも付与されていき、またデジタルファッションなどの着せ替えも可能
それらのクリエイティブ生成もプラットフォーム上の生成AIで実施可能
その実績を持つ自身のデジタルツインを貸し出し、または他者デジタルツインを借入して使うこともできる(ここを全てオンチェーンで管理)
◼️独自トークン$ANTIX
そして、これらのエコシステムを円滑に回すための独自トークン「$ANTIX」が存在します。
$ANTIXはAntixプラットフォーム全体の機能を駆動するユーティリティトークンであり、デジタルヒューマンの生成からマーケット取引、ステーキングやガバナンス参加に至るまで、様々な場面で利用されます。
総供給量は10億枚でEthereum上で発行される予定です。(まだローンチ前で今月中にTGEの予定です。この詳細は後述します)
ユーティリティは以下を想定しています。
プラットフォーム内の支払い手段(デジタルヒューマン生成手数料、アセット購入等)
プラットフォーム利用のサブスクリプション
ステーキングによる報酬獲得
ガバナンス投票権
NFTミントプール・限定オークション参加権
ライセンス料支払い(アバター使用許諾)
など、エコシステム内のあらゆる支払いに利用されます。そして、この支払いで利用されたトークンの一部はバーンされ、供給量の減少につながる設計となっています。
ただし、上述した通り、まだトークンは出ていないため、この辺りの設計は仮となります。さらに、AIGEプラットフォーム自体も今月ローンチされたばかりのため今後更なる機能拡充が期待されています。
変遷と展望
さて、ここまでプラットフォームの概要について説明してきましたが、ここからは創業チームや変遷について解説していきます。
AIGEを開発するAntix社は、Roman Cyganov氏とMarina Averbukh氏によって2022年に創業されました。両名はテクノロジーとエンターテインメント業界での豊富な経験を持ち、Antixのビジョンである「無限の人間表現(infinite human expression)」を掲げてAIとブロックチェーンを融合した新領域に挑戦しています。
Roman Cyganov氏は「2年以内にデジタルヒューマンは誰もが持つソーシャルメディア・プロフィールのような存在になる」と述べ、急成長するデジタルヒューマン経済(2035年までに市場規模1,250億ドル超と予測)で先導者となる意志を示しています。
創業からこれまでの変遷を簡単に整理すると以下の通りです。
2022年1月:Antix Interactive Inc.創業(Roman Cyganov氏がCEO就任)
2022年9月頃:社内でデジタルヒューマン生成技術「Avagen」を確立。初のフォトリアル分身「Helisa」を制作し、CGアートサイトで受賞・話題化
2023年:AIGEエンジン及び関連サービス(マーケット、世界観等)をステルス開発。Helisaのプロモーション映像をTimes Squareや東京など世界各地で表示。
2024年:Startups of the Year 2024で受賞(機械学習2位・生成AI3位)。製品発表の準備としてホワイトペーパーやGitBookを公開(トークノミクスやロードマップ提示)。UAEのGITEX展示会等で技術発表を開始。
2025年5月:プレセール実施:コミュニティ対象の私募ラウンドで820万ドルを調達。(1万人以上の個人投資家が参加)。ブロックチェーン統合やトークン発行計画を発表。ドバイにてステルス解除イベント開催。
2025年夏:AIGE β版ローンチ。限定ユーザーにデジタルツイン生成プラットフォームを開放。
2025年10月:AIGE正式版リリース。同時にプレスリリースで製品詳細とビジョンを発信し、各種メディアで取り上げられる(Crypto Reporter他)。
2025年10-11月:$ANTIXトークン公開セール/TGEを予定。11月にTGE予定。
プレセール及びTGEサイトではTGEの日までのカウントダウンがなされています。
また、リスティング価格と現時点の価格も表示されており、現在購入するとTGEで71%増加することも示唆されています(投資推奨では無いのでDYORで)。
今後に関してもロードマップが公開されていますので、主要なものを箇条書きで紹介します。
2025年Q4(10月–11月)
AIGE正式リリース
TGE(トークン生成イベント)実施/上場準備
Neo/Aurora/Lumiなど自社AIキャラクター公開
AIGORA(マーケットプレイス)ローンチ予告
ドバイを中心に国際パートナーシップ拡張
2026年(計画中)
Q1–Q2
AIGORAマーケット正式稼働
デジタルヒューマンの貸出・レンタル機能を追加
ANTIXトークンによる収益配分・ステーキング開始
マルチチェーン展開(Ethereum / BNB / Base)
Q3
環境生成機能(VERSEmaker)追加
Unity/Unreal向けアバターエクスポートAPI公開
企業向けAIカスタマーサポート導入
Q4
外部メタバース連携開始(The Between/他社VR空間)
オープンSDK・API公開(外部開発者連携)
DAOガバナンス機能実装
このようにデジタルツインの生成からその活動域の拡張を目指しています。レンタルできてもレンタル先で利用する場所がなければ意味がないので、まずは利用先を充実させていくことが予想されます。
トークンを組み込んだプラットフォームの未来
最後は総括と考察です。
個人的な感想は2つの側面があります。まず1つ目はデジタルヒューマンやバーチャルヒューマンという可能性です。
以前から度々話題に出していますが、バーチャルヒューマン×AI×ブロックチェーンのプロジェクトであるMIRAIのアドバイザーをしています。
以下、MIRAIちゃんがTikTokで自動でライブ配信したり、インタビューしている様子です。TikTokではコメントを読み取り、LLMが返答を考え、それを最適なリップシンクで回答する形で、まだまだ改善途中ですが少しずつ本物の人間っぽくなってきました。
そういう背景もあり、バーチャルヒューマンの可能性をかなり強く感じています。
インフルエンサーの代替になる可能性はありますし、受付等の対話システムが街中に広がっていく可能性は大いにあり得ます。なので、そこにコミットしてるAIGEのプロダクトは単純に楽しみです。
また、もう1つの側面として面白いと思ったのは「トークンを組み込んだプラットフォーム」の成長戦略です。
AIGEのビジネスはデジタルツインをSBTで管理したりレンタルできる構想はあれど、極論トークンを発行しなくても普通にサブスクでやっていくことができます。
ただし、個人的にはAIGEのようにトークンを発行するプラットフォームは増えていくと考えています。最終的な完全な分散化を目的としていなくても、初期の資金調達とグロースを効率よく実施するためにトークンを発行します。
株式会社が発明されてエクイティファイナンスが生まれたことで会社のグローススピードが一気に加速したように、僕は次の会社におけるファイナンスの革命はトークンにあると考えています。トークン発行での資金調達とコミュニティ形成、グロース時における応援してくれる投資家(ユーザー)の存在、それらが噛み合うことでより高速でプロダクトがグロースしていく可能性があります。
もちろん、無闇に調達できたら詐欺も混じるという可能性は当然ありますし、途中で失敗するプロジェクトも山のように出てくると思います。ただ、それはスタートアップも同様です。VCも100社に1社成功すればOKという打率なので。
まあ、VCは創業者の与信判断やキャリアの確認をしていますし、法的な取り組めはあるのでそこの違いはありますが。
とはいえ、AIGEのようなトークンを組み込んだプロジェクトの可能性は非常に大きいと考えており、次のスタートアップの1つの形になると考えています。
この辺の話はここで詳しく書いたので、ぜひご覧ください。
以上、「AIGE」のリサーチでした!
参考リンク:HP / DOC / X
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