おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は積極的にweb3を活用するグルメアプリ「SARAH」のCo-Founder&CEO1である「さかいゆうや」さんへのインタビュー記事となります。
4月23日(火)にLive Video Podcastイベントにて公開取材を行ったので、その様子を動画で添付しています。”Transcript”を開くと分数毎のAIによる文字起こしが見れますので、ぜひそちらも活用しながらご覧ください。
以下、文章はインタビューの抜粋になります。(一部、抜粋や要約も含みますので、正確な表現は動画をご覧ください)
-まずは自己紹介をお願いします
はい、SARAHのさかいです。株式会社SARAHのCo-Founderで取締役CEOをしており、主にストラテジーを担当しています。2014年に学生時代に大学の先輩と共同創業し、10年ほど経営に携わっています。創業当初はWeb2のグルメアプリを作っていましたが、個人的には学生時代からweb3に関心を持っていました。本格的に触れ始めたのは2017年頃からで、2021年には会社としてもweb3化に舵を切りました。
-グルメ関連のサービスをずっと手掛けてきたんですね。
そうですね。投稿型のグルメアプリ「SARAH」を当時から運営していて、アプリ自体は変わらずそのままです。そこにweb3の要素であるトークンやNFTを付け足していった形ですね。
-web3に興味を持ったきっかけや理由を教えてください。
大学時代に在籍していたゼミの先生が、スタートアップやテクノロジーに詳しい方で、シリコンバレー黎明期に現地でマイクロソフトなどへの投資に関わった経験をお持ちでした。その先生から学生時代に、ビッグデータやブロックチェーンの話を聞いていたのが、web3に興味を持つきっかけです。
2017年頃から個人的にも仮想通貨などに触れ始め、すっかり面白さに魅了されました。一方で、自社のグルメアプリ「SARAH」はユーザーが口コミを投稿するCGM(Consumer Generated Media)モデルで、そこで集まる口コミデータを食品メーカーなどに販売するビジネスもしていました。CGMとデータ販売という事業構造は、web3的な要素と親和性が高いのではないかと感じ、web3領域での取り組みを始めました。
-先生の影響は大きかったんですね。当時からブロックチェーンの将来性を予見されていたのは、さすがだと思います。
本当にそうなんです。先生はweb3というワードがない時代から、テクノロジーの革新性とインパクトを語っていました。当時は半信半疑でしたが、今思えば先見の明があったなと感心します。
-プロダクトについて教えてください
「SARAH」は、メニュー単位でユーザーが食べたものを投稿・検索できるグルメアプリです。他の有名なグルメサービスは、お店自体の口コミを集めているのが一般的だと思います。例えば「新宿で美味しい中華料理店を探したい」といった場合に役立ちます。
一方、「SARAH」はお店ではなくメニュー一品一品にフォーカスした口コミを集めているのが特徴です。「新宿で美味しいナポリタンが食べたい」といった、より具体的なニーズに応えられるサービスを目指しています。
創業のきっかけは、共同創業者が「渋谷で美味しいポテトサラダが食べたい」と思ったことでした。検索しても、ポテトサラダを置いているお店は見つかるものの、味の良し悪しまではわからない。そこで、メニュー単位の口コミを集めるサービスを作ろうと考えました。
現在は月間200万人に利用していただいており、口コミは国内外60カ国から合計100万件以上集まっています。居酒屋に行ってポテトサラダが美味しかったら、そのメニューだけを撮影して投稿する。1回の来店で複数のメニューを投稿することもありますね。
個人のブロガーの方でメニュー単位の情報発信をされている方もいましたが、プラットフォームとしては私たちが先駆けだったと思います。日本だけでなく海外でも、同様のサービスは少ないですね。
-「SARAH」にweb3の要素を取り入れていった経緯を教えてください
当社は、「SARAH」で集めた口コミデータを分析し、食品メーカーなどに提供する「FoodDataBank」というBtoBサービスも運営しています。ユーザー投稿を企業に販売するモデルは、web3的な要素との親和性が高いのではと考えていました。
そんなことを考えている2020年頃、とりあえず「SARAH」のユーザーコミュニティとしてDiscordを立ち上げてみることにしました。「SARAH」のユーザーのほとんどはweb3もDiscordも知らないユーザーばかりなので、まず100人ほどで始めたクローズドコミュニティでスタートしました。そのコミュニティがとても盛り上がりました。ユーザー同士でオフ会を企画したり、お店のメニュー表の写真を次々投稿してくれたりと、自発的な活動が生まれました。わずか半年で1.2万件もの新メニューが登録されました。
トークンやロール、インセンティブ設計などweb3の概念はなかったものの、「SARAH」のビジョンである「世の中に美味しい体験を増やす」ことに共感したユーザーが自主的に動いてくれた。そこでこの活動をさらに促進するためにはトークンが有効だと考え、新たな取り組みを始めました。
現在は「SARAH」に投稿をするとトークン「UME」が付与され、それを使って飲食店ごとの「NOREN NFT」を取得できる仕組みを導入しています。ユーザーが「UME」で取得した「NOREN」は、お店に還元されるので応援の証となります。
NFTを発行するなどweb3らしい施策も打ち出していますが、そこまでweb3に馴染みのないユーザーにとっては、ハードルが高く感じる部分もあるかもしれません。
そこで、Avalancheのサブネットを活用し、ガス代なしでトークンやNFTを発行できるようにしました。ウォレットを持たなくてもNFTを所有できるERC6551のような仕組みも取り入れています。Web2のユーザーでも違和感なく使えるよう、工夫を重ねているところです。
UMEトークンも現在はオフチェーンで動いていますが、徐々にオンチェーンに移行していくことを考えています。
-ユーザーと店舗の反応はいかがでしょうか。
当社のユーザーはほぼWeb2のユーザーなので、NFTを意識して購入しているわけではないと思います。ただ「NOREN NFT」は、リリース3日で100個ほどミントされました。取得者の多くは、自分の好きな店を応援したり、そのお店に貢献している人だとアピールしたりする目的だと感じています。
NFTを保持している人は、そのお店のページに名前が載る仕組みにしています。例えば「NOREN」にはファン、アンバサダー、エバンジェリストの3段階のランクがあり、12回以上来店した人だけがエバンジェリストのNFTを取得できるなど、来店実績と連動させています。レベルが高い「NOREN」を持っている人は、そのお店の大ファンだとブロックチェーン上で証明できるわけです。
今後は、お店側が「UME」トークンを使って集客などに活用することも考えています。現在1日の獲得上限はありますが、その枠を超えて「UME」を獲得するために店舗が配布するなどの施策も可能性としてはあるでしょう。単なるポイントではなく、トークンならではのエコシステム設計を模索しているところです。
-お店が「UME」トークンを使って集客したりマーケティングに活用するには、まずSARAHに登録する必要があるのでしょうか
現状はそのようなフローはありません。お店ごとの「NOREN NFT」は、弊社が代理で作成している形です。「NOREN NFT」の取得に利用された「UME」トークンは全てお店に還元するつもりですが、お店からすれば「NORENが取得された=応援してくれる常連客がいる」ということに加えて、トークンも手に入るので、一緒にやりませんか?と声をかけやすいのではと考えています。
その流れができてから、お店がSARAHに正式に加盟するようになれば、「UME」トークンがもらえてマーケティングなどにも使えるようにしたいです。お店のファンが増えれば増えるほど、より多くの「UME」が使えるエコシステムを目指しています。
-ONIGIRI ChainをAvalancheサブネットで構築した理由を教えてください
2年ほど前に色々調べたところ、Avalancheがカスタマイズ性が高くガスレスでの運用も可能など、開発しやすいと感じたからです。元々は、自社アプリ「SARAH」をweb3化する過程で、トークンやNFTを発行するためのインフラとして構想しました。
ただ、せっかくブロックチェーンを構築するなら、自社アプリだけでなく食やヘルスケア業界全体に価値を提供できるのではと考えるようになりました。例えばグルメアプリ、レシピアプリ、ダイエットアプリ、小売りのPOSデータなど、食に関するデータは様々なサービスに分散していますが、同一ユーザーのデータが連携されていないのが課題だと感じていました。
自分が渋谷でブックマークしたお店が、どのアプリで記録したのか分からなくなるようなことがよくあります。ダイエットアプリ運営者からも、外食データが欲しいというニーズをお聞きしました。こうした課題は、web3のデータ連携基盤を作れば解決できるのではと。
また、せっかく集めたデータも、サービス終了と共に消えてしまうのはもったいない。ブロックチェーンなら半永久的にデータを残せます。そこで、食とヘルスケアに特化したパブリックブロックチェーン「ONIGIRI Chain」の構想に至りました。
-プライバシーに関わるデータを扱うために、パブリックチェーンとプライベートチェーンを分けているとのことでしたが、もう少し詳しく教えてください
ユーザーが何を食べているのか、病歴や体重などのヘルスケアデータは機密性が高いので、完全パブリックチェーンには載せにくいですよね。一方で、データ提供へのインセンティブとしてトークンを付与するなら、パブリックチェーンの方が適しています。
そこで、データ自体はプライベートチェーンに格納し、データ提供の対価としての「ONIGIRI」トークンをパブリックチェーン上で発行する、ハイブリッド構造を取ることにしました。Avalancheのサブネットを2つ立ててAvalanche Warp Messageで接続しています。
プライベート側のバリデーターは、セブンイレブンさんや味の素さんなど食領域の事業会社にお願いしたいと考えています。彼らはデータを活用したいニーズも高いはずです。私たちはすでに「FoodDataBank」というデータ分析サービスを提供していますが、「ONIGIRI Chain」でもバリデーターになってもらうことで、対価を得ながらデータにアクセスしてもらえるモデルを目指しています。
-SARAHのようなユーザーがデータを提供するサービスも増えていくイメージでしょうか?
はい。理想を言えば、食べログさんやクックパッドさんにもデータを提供してもらえたら素晴らしいですよね。ただ、各社のサービスをブロックチェーン対応させるのは時間がかかります。
そこで私たちは、誰でも簡単にNFTを発行できるサービスを準備しています。例えば、ハウス食品さんのレトルトカレーを食べた人にNFTを渡すことで、誰がカレーを食べたのかがブロックチェーン上で分かり、マーケティングにも活用できる。こうした切り口でまずは「ONIGIRI Chain」の利用を促していければと考えています。
Web2のサービスをいきなりweb3化するのは難しくても、NFTを通じたトークン化は比較的取り組みやすいです。だからこそ、まずはNFTの発行支援から始めることで、今は自社だけのインフラでも将来的には業界全体のデータハブになれると良いと思っています。
-データ連携の重要性は理解できるのですが、データを提供する企業側としては、自社の競争優位性を失いかねないというジレンマもありそうです。その辺りについてはどのようにお考えでしょうか。
その通りだと思います。データは競合優位性の源泉なので、例えば食べログさんやクックパッドさんのような競合他社とデータを共有するのは、なかなかハードルが高いでしょう。
ただ、飲食店向けのモバイルオーダーサービスのような、本業として飲食店にシステムを提供している事業者は状況が違います。実は、ユーザーの注文履歴という形で、どんな人がどんな料理を食べているのかといったデータが手に入っているんです。しかし、そのデータを使ったビジネスは彼らの本業ではないので、うまく活用しきれていないことも多い。
こうした、本業として収集しているものの十分に生かせていない副次的なデータは、世の中に意外と多く眠っていると思うんです。それをブロックチェーンに載せれば、トークン報酬というインセンティブを通じて、新しい価値を生み出せるようになるかもしれません。企業にとっても、今までの行動を変えずに済む上に、新たな収益源にもなり得る。利用者にもメリットのあるモデルが作れるのではと考えています。
-なるほど。確かにデータ提供企業のビジネスに影響を与えない形なら、Win-Winの関係が築けそうですね。
そうなんです。データ連携やAPI連携の議論の中で、データの価格設定が曖昧なブラックボックスになりがちなんです。データ提供側も利用側も、適正な対価がわからない。
この問題に対して、市場原理に基づいた価格形成ができる仕組みが必要だと考えています。しかし、現状ではデータの価格を決定する市場というものが存在しません。
そこで私たちは、「データを提供してくれたらONIGIRIトークンを付与する」というモデルを考えました。将来的に取引所に上場すれば、トークンの市場価格が形成されます。トークンの価値が、提供されたデータの価値と連動するようになれば、データの適正価格を市場のメカニズムで見出せるようになると思っています。
-例えば「SARAH」に投稿するとONIGIRIトークンがもらえたりするのでしょうか。
現状、ONIGIRIトークンは主に事業者向けに設計しています。ユーザーが「SARAH」に投稿した情報を、「SARAH」というサービスがONIGIRI Chainに提供することで、サービス運営者である私たちに対してトークンが発行されるイメージです。
将来的には、ユーザーに直接トークンを還元することも可能だと思います。ただ、「SARAH」の場合は独自のアプリ内トークンとして「UME」を発行しているので、他のサービスでも同様のことができるかもしれません。つまり、ONIGIRI Chain上で作られた各アプリのトークンは、ONIGIRIトークンに価値が裏付けられている、という構造が成り立つわけです。
-なるほど。ONIGIRIトークンが、色々なサービスを横断する共通の価値基盤になるというわけですね。
そうなるといいなと思っています。「SARAH」が発行する「UME」トークンや「NOREN NFT」は、ONIGIRIトークンのパブリック側で流通します。誰がどれだけのトークンやNFTを持っているのかが可視化されるので、ブロックチェーンならではのメリットも発揮できます。
-現在運営されているFoodDataBankをブロックチェーンに移行していくイメージでしょうか?
そうですね、ブロックチェーンを活用すれば、個人の食事データを数十年スパンで保管し、医療や創薬などの分野に活かすことも可能になります。
例えば、30代の食生活と、その人が80歳になった時の健康状態を紐付けて分析できれば、予防医療などに役立ちそうです。週に3回ラーメンを食べていた人は、こんな病気になりやすいといった知見が得られるかもしれません。しかし現状のWeb2のやり方では、個人のデータを50年100年といったスパンで管理し続けるのは困難です。
また、データの価値は使い道が広がるほど高まります。ある人の食事データを、その時々の商品開発やマーケティングに使うだけなら価値は一過性に留まりますが、未来の医療や製薬、保険といった領域にまで活用の幅を広げられれば、一つ一つのデータの現在価値はもっと上がるはずです。つまり、時間軸と用途の両面でデータの価値を最大化する。それを可能にするのがブロックチェーンの力だと考えています。
今はFoodDataBankで、「SARAH」で集めたデータを分析・可視化して販売していますが、将来的には、誰もがONIGIRI Chainのバリデーターになれば、FoodDataBankのようなサービスを作ることができる。データの民主化が進むことで、価値還元の幅も広がります。そうしてデータ提供者に還元された価値を元手に、さらに業界に投資していく。そんな好循環が生まれることを目指しています。
-お答えできたらで大丈夫ですが、今後の開発体制ですが、SARAHは株式会社で運営され、トークン発行体がファンデーションになるなどの構想はあるのでしょうか?
「SARAH」アプリに関しては、今のところ自社での開発を継続する予定です。一方、「ONIGIRI Chain」に関しては、本来であればパブリックグッズとしてファウンデーションに移管したいという思いがあります。ただ、「SARAH」という株式会社の形で始めたという経緯もあり、そのタイミングや方法についてはまだ検討中の段階ですね。
将来的に、外部のパブリックブロックチェーンに移行すると、現在の「SARAH」のビジネスモデルにも影響が出るでしょう。とはいえ極論を言えば、データというのはユーザー個人のものであって、企業は収集しただけに過ぎない。これからは、どういう形でデータを集めたのか、どう分析したのかといった点で企業の真価が問われる時代になるのかもしれません。もちろん、簡単には切り替えられませんが、そういった思想は持っておく必要があると考えています。
-「SARAH」の面白さの一つは、Web2から出発して、そこにweb3の要素を加えていった点だと思います。最初からトークンインセンティブありきではないのが特徴的ですよね。
おっしゃる通りです。多くのweb3サービスは、トークンありきで無理矢理ユースケースを作っている印象があります。対して「SARAH」は、web3というソリューションを使っているだけで、我々のビジョンは一貫して「世の中に美味しい体験を増やす」ことです。ポイントは、ユーザーのロイヤリティや能動的な活動を促して、それを可視化・証明するためにNFTを活用している点ですね。
この実現のために大切にしているのが、トークン発行の意義を問い直すことです。「SARAH」が「UME」トークンを発行する理由は、法定通貨では測れない価値を数値化するためです。例えば、ユーザー同士がオフ会を開催したり美味しいお店を紹介したりする行為は、誰かの美味しい体験を増やしているのに、それに値段を付けるのは難しい。1,000円渡そうとはなかなか思わないですよね。けれどその行為自体に価値があるのは事実。その価値を可視化するために「UME」トークンを設計しました。
「NOREN NFT」についても同様の思想があります。よくあるNFTは「ユーティリティ付き」をうたいますが、「SARAH」では敢えてユーティリティを明示しません。ただ、そのお店に12回以上通って定額以上を支払ったコアなファンだということを証明するだけ。するとお店側も、そういった熱心な支援者に自発的に特別なサービスを提供してくれるはず。企業にしても、ターゲットを絞ったマーケティングに活用できるでしょう。
また、NFTならではの面白さもあります。人気店のNOREN NFTを持っていれば、のれんホルダー限定の予約枠に申し込めるなどの特権を付与することもできる。そうなれば、お店の予約が取れないぐらい人気が出た時に、NFTの価値が上昇し売買が発生する。その結果、より多くの人がお店の存在を知り、支援の輪が広がる。こうした好循環を生み出すNFTの活用を考えています。
-先ほどのDiscordコミュニティを立ち上げた際の話もそうですが、ユーザーの方々が「SARAH」のビジョンに共感し理解を示してくれているようなお話が印象的でした。そうした関係構築のために、ユーザーとのコミュニケーションを丁寧に行っているのでしょうか。
そうですね。実は「SARAH」はweb3に取り組む以前から、ユーザーとの対話を重視してきました。定期的にユーザーミートアップを開催しており、東京だけでなく大阪や福岡まで出向いて直接会う機会を設けています。そこでコミュニケーションを図ることで、我々のビジョンや思いが伝わっているのかなと手応えを感じています。
製品開発やマーケティングにおいても、ユーザーの声に耳を傾けるようにしていますね。おかげさまで、熱狂的なコアファンも生まれつつあります。先日「SARAHで美味しいお店を知るようになってから、ご飯が美味しく感じるようになった」という嬉しい声をいただきました。そこまで言ってもらえるのは本当に有難いですし、ユーザーとの関係性の質を表しているのかなと思います。
-なるほど。そもそも「SARAH」には、しっかりとしたコミュニティやカルチャーがあって、そこにweb3の要素を加えているのですね。
その通りですね。我々はあくまでもビジョン実現の手段としてブロックチェーンやweb3を選択しているだけで、目指す先自体は創業当時から変わっていません。サービスの設計思想としても、レストラン単位ではなくメニュー単位で情報を扱うことで、店舗と消費者の関係だけでなく、食に関わる業界全体の情報流通を促したいと考えています。そこは他のグルメサービスとの違いでもあるかもしれません。
-確かに、メニュー単位の方がファンの熱量は高そうですよね。ポテトサラダだけを食べ歩く方もいらっしゃるでしょうし。
おっしゃる通りだと思います。美味しいという体験をより多くの人と分かち合いたいという思いを持ったユーザーが集うことで、プラットフォームとしての価値も一層高まっていく。我々はそのために、web3の力を活用しながらサービス基盤を作り込んでいるところです。
-最後に、これからの展望を教えてください
実は「SARAH」アプリのホワイトペーパーには今後やっていきたい構想が幾つか書かれています。具体的には、投稿内容に応じて付与する「UME」トークンの量を変動させたり、veトークンの仕組みを導入してアプリのアルゴリズム自体を分散化したり、レビューの信頼度を担保するバリデーター的な存在を設けたり、そのようなアイデアをメモベースで書いています。まだまだ「SARAH」も「ONIGIRI Chain」も、これからが本番。Web3ならではの面白い仕掛けをどんどん入れ込んでいきたいです。
また、「ONIGIRI Chain」に関しては、web3業界だけでなく、Web2の大手食品メーカーからも高い関心をいただいています。日本の強みでもある食とヘルスケアの分野で、ブロックチェーンを活用した新しいインフラを作り、それを通じて、自分たちだけでなく業界全体に新しい価値を提供したいと思っています。
-ありがとうございました!僕もSARAH使ってみます!
はい、ありがとうございます!
«公式リンク»
免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中にDapps、NFT、トークンを紹介することがありますが、勧誘目的は一切ありません。全て自己責任で購入、ご利用ください。
About us
「web3 Research JAPAN」は、web3リサーチャーmitsuiが運営するリサーチニュースレターです。web3全般に関するリサーチ記事とニュース解説をお届けします。月額8ドルで有料購読でき、月100時間をかけたリサーチ記事が毎日届きます。
著者:mitsui @web3リサーチャー
web3に関する情報(プロジェクト・ニュース・単語の解説、プロジェクトオーナーへのインタビュー記事、リサーチからの学びや考察記事)を毎日発信中。
・web3に関する情報発信を毎日行うXアカウントはこちら
・mitsuiと購読者で直接話せるSubstackのチャット利用はこちら
・法人向けのweb3サポート(リサーチ・新規事業立案や伴走・マーケ・開発など)の窓口はこちら
インタビュー時の役職は「Co-Founder&CSO」でしたが、現在はCEOに役職変更されたため、記事内の表記はCEOに変更しております。関連プレスリリースはこちら。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000157.000012648.html
Share this post