【peaq】DePIN特化のL1チェーン / BOSCHやNTT等とも提携 / Substrateを活用して構築 / PolkadotとEthereumに互換性を持つ
$PEAQトークンは2024年の目玉の1つとなるかもしれません。
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「peaq」についてリサーチしました。
«目次»
1、概要|peaqとは?
- 特徴
- DePIN構築キット
- ユーザーインターフェース
2、トケノミクス|$PEAQ、$KREST、$AGUNGの3種類が存在
3、変遷と展望|DePIN領域で急成長を果たす
4、考察|2024年の大型上場となるか
概要|peaqとは?
「peaq」は、DePINに特化したL1チェーンです。DePIN特有の課題を解決する機能をネイティブで持ち、EVMやPolkadotエコシステムにも統合できるマルチチェーン対応のチェーンです。
BOSCH、NTT、DENSO、gaia-x等の著名企業や団体もpeaqと提携しており、非常に注目を集めています。
ではその特徴を見ていきます。
◼️特徴
高度な安全性と分散化
1 秒あたり10,000 以上のトランザクション(TPS)
Tx当たり$0.00025の安価なガス代
環境にやさしい
スマコンの開発にRustやSolidityに対応
EthereumとPolkadotエコシステムに対応
Substrateを活用して構築
etc…
分散性、TPS、ガス代などのチェーン特有の特徴を持ち、マルチチェーンへの対応をしている点が大きな特徴です。上記でも書いた通り、peaqはSubstrateを活用して構築されています。
SubstrateはEthereumの元CTO兼共同創設者であるGavin Wood氏が率いるParityによって開発された、ブロックチェーンの開発を行うためのフレームワークです。PolkadotはSubstrateを活用して作られた初のチェーンであり、PolkadotのRelay chainの互換性を持たせることができます。また、Substrateのイーサリアム互換レイヤーであるFrontierを組み込むことで、peaqはEVMスマートコントラクトもサポートしています。
固有名詞が多く出てきて難しいですが、peaqはSubstrateを活用して構築されたL1であり、Substrateとネイティブで連携しやすいPolkadotとEthereumに拡張性を持っているチェーンです。
◼️DePIN構築キット
DePINのDappsを簡単に構築できるようにpeaq上に幾つかのバックエンドが搭載されています。
Peaq ID(Machine ID):web3のマシン、デバイス、車両、ロボット用に設計された新しいタイプのDID。マシン同士の通信や識別を可能にする。
Peaq Access:Peaqネットワーク上でアクセスを制御する基盤。ユーザーのロールに基づいてアクセスを制限することができる。
Peaq Pay:マシン間、またはユーザーとマシン間の支払いを簡素化する。
データインデックス作成とブロックエクスプローラー:ユーザーフレンドリーなエクスペリエンスを実現するために、ブロックエクスプローラーを利用できる。SQLやPythonの知識がなくても、ブロックチェーンデータへアクセスできる。
AIエージェント:Fetch.ai の自律エージェントとの統合を通じてpeaqエコシステム上のDappsでAIを活用したエージェント機能を追加できる。
Machine NFT:ブロックチェーン上の個々のマシンまたはマシンのプールの一意で不変かつ検証可能なデジタル表現として機能。所有権と収益/報酬の分配が可能になる。
マシンデータの検証:DePIN内の物理マシン データを検証するための安全で分散型の方法を確立
etc…
peaq上でDappsを構築する場合は、以上の特徴と開発キットを利用してDePINプロジェクトを構築することができます。また、助成金も積極的に配布しており、DePINのためのエコシステム構築に力を入れています。
◼️ユーザーインターフェース
また、開発者向けだけでなくDapps利用者向けの基盤も構築しています。
①Peaq Control
Peaqネットワーク上のマシン管理のための包括的なプラットフォームとして機能します。さまざまなタイプのマシンをPeaqネットワークに接続し、それらを dApps に割り当て、マシンの使用率と収益を監視することができます。Peaqネットワーク上に接続するゲートウェイのようなサイトです。
②Peaq portal
peaqエコシステム全体のID数やDapps数などを確認できるページ。ここからトークンの流動性提供やガバナンスへの投票などを実行できます。
どちらもまだβ版であり、まだ本格稼働はしていませんが、内部エコシステムへのアクセスを簡単にできる基盤もpeaqが整えています。
トケノミクス|$PEAQ、$KREST、$AGUNGの3種類が存在
peaqには3種類のトークンが存在します。
$PEAQ:メインネットのトークン(発行前)
$KREST:カナリアネットワークkrestのトークン(発行済み)
$AGUNG:テストネットAGUNG のトークン
メインネットのトークンである$PEAQは執筆時点の2024年1月初旬にはまだ発行されていません。ドキュメント上にはトケノミクス詳細も明かされていませんでしたが、総供給量は42億となるようです。
カナリアネットワークのkrestとは、peaqのベータネットワークであり、メインネットのアップデートに先立ってPeaqが独自にテストするためのネットワークです。テストネットと異なり、krestも独自チェーンとして稼働していますのでより本番環境に近い状況でテストすることができます。
$KRESTのTGE(トークン発行イベント)は2023年8月2日に行われ、総供給量の4億トークンが以下の割合で配布されました。
テストネットの$AGUNGトークンはAGUNG Faucetから24 時間に1回取得できます。
供給量は42億と4億で異なりますが、$PEAQと$KRESTのトケノミクスほぼ同じです。(同じでなければテストができないので当然ではありますが)
いくつかの特徴がありますが、その1つにインフレモデルを採用していることが挙げられます。当初は2.5%インフレとなるように設計されており、初期貢献者の参入奨励やリターン増加となるようにしています。このインフレ率は毎年10%ずつ減少し、1% のインフレ率に達すると安定します。
$PEAQの詳細も数週間以内に発表されると書かれていたので、詳細の発表が待たれます。
変遷と展望|DePIN領域で急成長を果たす
peaqはEoT Labsが主導して開発を進めています。EoT Labsはweb3マシンエコノミーに特に焦点を当てた「モノの経済」(EoT) のパイオニアです。2020年に設立され、ドイツのベルリンを拠点としています。
2023年にDePIN用の独自チェーンであるpeaqとkrestへの注力をはじめ、1年足らずで急成長を果たしています。現在は20以上のDappsが構築されており、10万以上のマシンやデバイスが登録されています。
ユースケースは多岐に渡り、現在は以下のようなプロジェクトがpeaq上に構築されています。
NATIX、2blox、Brainstem、bloXmove、Wicrypt、Menthol Protocol、Silencio、ELOOP、Penomo、Charge、DappLooker、Kansi Solutions
例えばNatixは車両にデバイスを装着しダイナミックマップを作成することを目指すDePINプロジェクトです。リリースから約2.5か月で100万キロメートルをマッピングを記録し、これはHivemapperより早いペースです。2023年4月にシードラウンドで350万ドルを調達し、7月時点で約10,000人の登録ユーザーを記録、毎週約4,000人のアクティブユーザーを記録しています。
今後はエコシステムの拡張と共に$PEAQトークンの発行が控えているので、そこへ向けて準備を進めています。
考察|2024年の大型上場となるか
最後は考察です。
以前書いたDePINレポートでもpeaqの存在は触れましたが、今回改めてpeaqに絞ってリサーチしました。技術的な詳細まで踏み込むと難しくなるので概要が伝わるように書きました。詳細が気になる方はドキュメントをご覧ください。
さて、DePIN流行ってますね。HivemapperがCoinbaseに上場するかもしれないというニュースが出たことでトークン価格が急騰していましたが、いよいよDePIN系のプロジェクトが大手CEXへの上場をし始めています。2024年中に続々と上場していくと思われます。
そして、個人的に$PEAQトークンは2024年の中でもかなり期待される銘柄の1つになりそうな予感はしています。
姉妹ネットワークであるkrestのトークン価格を調べてみると今が最高値を記録していました。1年間で約3600%上昇しており、24時間で42%上昇していました。
Hivemapperをはじめとして、DePINはSolana上に構築されているプロジェクトが多い印象ですが、DePIN特化のpeaqにもプロジェクトが流れはじめています。peaq運営会社のEoT Labsがドイツを拠点としていることもあってヨーロッパ系のプロジェクトがpeaqを利用してDePINプロジェクトを構築している事例が多く見られます。
例えば、提携プロジェクトの1つにあったgaia-xはEU圏内の自動車業界のほとんどが加盟するコンソーシアムなので、gaia-xと組むことでEU中のほぼ全ての自動車会社にアプローチすることができます。
また、DePINプロジェクトはその価値がわかりやすいです。多くのDappsはその価値が虚像となっていることもありますが、DePINプロジェクトの多くは物理世界のインフラをリプレイスしようとしているのでプロジェクトの結果や影響力や期待値が非常にわかりやすいです。なので、大きく期待から外れたトークン価格がつきづらいと考えられます。(期待値だけで膨張することはありそうですが)
なので、個人的に「DePINの躍進」とその中で「現在確保しているpeaqのポジショニング」を考えた時に、$PEAQトークンの発行は2024年の中でも大型上場の1つになるのではないかと考えています。(購入は自己責任でお願いします)
まだ詳細が発表されていませんが、近々発表するとだけ書かれていたので、詳細の発表が非常に楽しみです。大きな動きがあればまた記事にするかもしれません。
以上、「peaq」のリサーチでした!
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