【DePIN入門】トークンを活用して物理的なインフラストラクチャーネットワークを分散型で構築。定義・市場規模・ユースケース・展望を解説!
8,000文字超え。今話題のDePINを徹底解説します。
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は久しぶりのレポート記事です。プロジェクトリサーチが楽しくてそこばかりやっていましたが、業界全体を俯瞰して見ることも学びになるので、定期的に業界レポート記事も出していきます。
さて、今日は最近話題になってきた「DePIN」です。初めて単語を聞いた方にもわかりやすいように定義から入り、具体的なユースケースとプロジェクト、展望の考察までをお届けします。ぜひ最後までご覧ください!
«目次»
1、概要|DePINとは?
2、背景|DePINのメリットとフライホイール
- 既存プロジェクトの課題
- DePINのメリット
- DePINのロジックとフライホイール
3、具体例|市場規模とユースケース
- 市場規模
- ユースケース
- ユースケース領域まとめ
4、展望|既存インフラの全てを代替するポテンシャルを秘める
概要|DePINとは?
まずは定義からです。
DePINは「Decentralized Physical Infrastructure Network(分散型物的インフラストラクチャーネットワーク)」の略称で、トークンを活用して分散型で物理的なインフラストラクチャーネットワークを構築するプロジェクトの総称です。
物理的なインフラとは、例えばUberやAirbnbといったシェアリングエコノミー系もそうですし、サーバーもそうですし、GoogleMap等もそうです。理解しやすいのはシェアリングエコノミーで、リアルな人間が介在するシステムで、供給側と需要側が分かれているサービスを分散型で実現しようとする取り組みがDePINです。
イメージを掴むために具体例を紹介します。
以下はMessariが出していたDePINのセクターマップです。
個人的にもう少しシェアリングエコノミー的なDePINもあると思っているので、後ほど更なるユースケースを紹介します。
例えば、上記では右側のSensor Networksにある「Hivemapper」を紹介します。
HivemapperはGoogleMapの代替となるような地図作成のDePINプロジェクトです。我々がユーザーとしてGoogleMapを利用するだけでなく、多くのアプリケーションは位置情報と連携しています。ただ、現在はAPI利用にもGoogleMapがほぼ独占状態にあります。これは利用料が高額になると同時に、単一障害点(GoogleMapがバグると他のアプリも全てバグる)になり、またこれまでの地図アプリはデータの更新が遅いという欠点があります。
そこでHivemapperは地図データの定期的な収集を分散型で実現します。車載カメラを設置し、運転中にマッピングデータを収集するドライバーにトークンを提供します。そうやって地図データを作成していき、常に最新の情報が更新されていきます。
既存の地図アプリと同じようにAPI提供で他のアプリケーションに提供することで収益化もできるので、外貨を稼げるエコシステムとなっており、トークン価格の暴落を防ぎます。
なんとなくDePINのイメージがついたでしょうか。後ほど代表的なプロジェクトとして他のユースケースも紹介しますが、DePINはこのように物理的なインフラストラクチャーネットワークを分散型で実現します。
背景|DePINのメリットとフライホイール
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