【Oasys】独自トークンOAS本日上場。大注目を集めるゲーム特化のブロックチェーン
「Oasys(オアシス)」とは、「Blockchain for Games」をコンセプトに掲げる、ゲームに特化したブロックチェーンです。
おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
今日は「Oasys」についてリサーチしました。
«目次»
1、Oasys とは?
- 豪華な創設メンバー
- 特徴
- 仕組み(2つのレイヤー、柔軟なトークン設計、独自トークン)
2、なぜゲーム特化のブロックチェーンを開発したのか?
3、仕組みを作るweb3
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Oasys とは?
「Oasys(オアシス)」とは、「Blockchain for Games」をコンセプトに掲げる、ゲームに特化したブロックチェーンです。
2022年2月にシンガポールのゲームコミュニティ向けのイベントにてその構想が発表されました。
■豪華な創設メンバー
発表時には以下のメンバーが創設メンバーとして名を連ねました。
中谷 始氏(バンダイナムコ研究所 代表取締役社長)
上野 広伸氏(double jump.tokyo 代表取締役CEO)
國光 宏尚氏(gumi創業者/Thirdverse 代表取締役CEO)
内海 州史氏(セガ 取締役副社長)
Gabby Dizon氏(Yield Guild Games 共同創業者)
(引用:公式Medium)
2022年12月現在、初期のバリデーターとして日本国内でも有名な会社を含む21社が名を連ね、非常に注目を集めています。
(引用:公式Medium)
また、実際の開発は2018 年からブロックチェーンゲームとブロックチェーンサービスの開発と運用を行ってきた 3 つの組織によって行われています。
■特徴
高速かつ無料のガス代(PoSを採用)
ゲーム開発者が、ブロックチェーンを活用したゲーム内決済やNFTアイテムに関わるマルチチェーンの対応、他ゲームとの連携を容易に行える汎用性
■仕組み
そのロジックを簡単にだけ解説します(細かい技術仕様を理解したい方はホワイトペーパーをご覧ください)。
○2つのレイヤー
OasysにはパブリックL1とプライベートL2の2つのレイヤーが存在します。
レイヤー1:Hub-Layer
レイヤー2:Verse-Layer
レイヤー1のHub-Layerでは、ネットワークの安定やデータの保管、トークンやNFTの管理など限定した作業しか行いません。その他のゲーム中に行われる大量のトランザクションはレイヤー2のVerse-Layerで行われます。
以下、Hub-LayerとVerse-Layerの違いです。
簡単にまとめると、
OasyチェーンはパブリックL1チェーン「Hub-Layer」とプライベートL2チェーン「Verse-Layer」の2層構造である(この仕組みをOasys アーキテクチャと呼ぶ)
Hub-Layerはデータの管理等の限定された作業しか行わず、Verse-Layerでゲーム内のトランザクションを記録する。
Verse-Layer上には複数のVerseが存在し、ゲーム開発者はそれぞれ好みのVerse上にゲーム(Dapps)を構築する。また、自身でVerseを立てることもできる。
Verse-Layerで記録されたデータは全てHub-Layerにも同期されるので、Hub-Layerがダウンしても、データがなくなることはない。
この仕組みによって、高速かつ無料でのゲーム体験を提供することができます。
○柔軟なトークン設計
上で説明したOasys独自のレイヤー構造により、FTとNFTの3種類のトークンデザインが可能です。(ゲーム内で使えるNFT/FTの種類)
vFT/vNFT:特定のVerse上で生成され、そのVerse内での限定使用。別のVerse上に存在するゲームで使えない。
oFT/oNFT:Hub-Layerで作成され、相互運用性が高い。どのVerse上でも利用でき、イーサリアム等の別チェーンでの互換性もある。
exFT/exNFT:外部ネットワークで作成されたトークン。ブリッジすることでOasy内のHub-LayerでもVerse-Layerのどちらでも利用することができる。
これらのトークンを組み合わせてNFT/FTを組み合わせたゲーム構築が可能。
○独自トークン”OAS”
リサーチ日である2022年12月12日、本日取引所に上場予定であるOasys独自トークン「OAS」についても解説します。
初期トークンは100億OASが発行され、以下の割合で分配されます。
また、OASの利用用途は下記の5つです。
ガス代
Verse Building(100万OASをデポジットすることで、Verse-Layerに自分でVerseを構築できるようになる)
投票、ガバナンス(Oasysの投票に参加できる)
ステーキング(バリデーター契約を通じて1,000万OAS以上をステーキングした人なら誰でもバリデーターになることができる。)
少額決済(ゲーム内での細かい決済に利用)
また、OASの販売は下記5つの取引所で行われます。
なぜゲーム特化のブロックチェーンを開発したのか?
少し長くなっていますが、その開発(設立)背景も解説します。
1)DeFiとBCG(ブロックチェーンゲーム)では使われる機能が違う。具体的にはDeFiはTVL(流通総額)が高いが、BCGはトランザクション数が多い
2)よって、求められる機能が違う。BCGはトランザクション数が多いので、高速での承認、無料のガス代が求められる。
3、現在のBCGの多くはチェーンの特性によりUXを犠牲にしており、心地よいゲーム体験を実現できていない。
整理すると、
既存のチェーンはDeFiはNFTに特化しており、ゲームに特化していない。
BCGはトランザクション数が大量にあるため、高速トランザクションと無料のガス代で提供できないと、一部のブロックチェーン好きのUXが悪いゲームしか作れない。
なので、高速ガス代&無料のガス代ができる、ゲームに特化したチェーンを開発した。それがOasysチェーン。
2022年時点でメインネットがリリースされ、今後2028年に完全にDAO化することを目標に、拡大を目指しています。
以上、Oasysチェーンの簡単な解説でした。まだまだ書ききれていない部分も多いので、詳細の解説はHPもしくはホワイトペーパーをご覧ください。
仕組みを作るweb3
ここからはリサーチした感想を書きます。
正直、その技術の全てを理解できた訳ではありませんが、構想や仕組みの全体像を改めて勉強することで、その面白さが伝わってきました。
僕が個人的にweb3を好きなポイントに「仕組みを作れる点」があります。より詳細に言えば、ブロックチェーンを活用することで「人の手を離れた状態で、誰の思惑も入らず、最初に設定したルール通りに稼働し続ける仕組みを作る」事ができます。
僕は仕組みフェチなので、これを誰でも作れるようになってしまったweb3に惹かれました。チェーンでもDappsでもNFTでもDAOでも、”使う人にこうなって欲しい”という想いを込めたトークンエコノミクス(インセンティブ設計)によって、自動で人がそう動き、設立者が思った社会が実現します。
漫画「キングダム」の中で「法律」に言及する場面があります。
(引用:キングダム、集英社、作者 原泰久)
僕はこの定義にすごく共感しますし、web3の本質はここにあるんじゃないかとも思ってます。設立者の願いを仕組みに落とし込める技術こそがweb3でありブロックチェーンなのではないかと思ってます。
例えば、DAOのルール設計も、設立者が「どのような組織が良いと思っているのか」を具現化したものをスマートコントラクトに刻むべきです。エゴでいいんです。なぜならそのルールは透明化されて誰でも閲覧でき、参加するか否かは参加者側が選択できるので。
なので僕はweb3に関わる全てのサービスには「設立者の強烈な思想」がなければダメだと思ってます。それを具現化したものがトークンエコノミクスによって体現され、共感した人が参加し、一つの経済圏が生まれます。
Oasysチェーンを見て、その背景にある想いとそれを体現する技術設計とトークンエコノミクスの一貫性を勉強できました。単なる技術的な勉強以上に、めちゃくちゃ参考になるプロジェクトでした。
■参考/画像引用先
Oasys
・HP:https://www.oasys.games/
・ホワイトペーパー:https://docs.oasys.games/docs/whitepaper/intro
・Twitter:https://twitter.com/oasys_games
(※リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。)
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ご覧いただきありがとうございました!
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