【Noxx】オンチェーン履歴とゼロ知識証明によるKYC認証で"偽名で副業できるプロフィール"を生成 / 次世代の働き方となる?
web3市場における偽名プロフィールを作成します。
おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
今日は「Noxx」についてリサーチしました。
«目次»
1、Noxx とは?
- 解決課題
- 特徴
- 展望
2、バイアスの削除は仕組みで解決
Noxx とは?
Noxxは、偽名で副業(仕事)ができるようになるプロフィールを作成できるサービスです。オンチェーン情報の読み取りとゼロ知識証明を活用したKYC認証を行い、web3市場における偽名プロフィールを作成します。
■解決課題
web3をはじめとしたテクノロジーによって全世界の人は繋がり、働き方も多様となりました。しかし、副業市場にはまだ課題が残っています。
例えば、
副業がばれることで上司から転職しようとしてると思われる
全ての仕事先に個人名などがバレることで仕事とプライベートの区分がなくなる
性別、年齢、見た目等のスキル以外でプロファイリングされる
しかも、能力がある一流の人ほど複数のプロジェクトに関わることがバレると今の職場からも何か言われる可能性もありますし、市場からの反応もあるかもしれません。
そして、実質的に企業が偽名プロフィールの人間を雇用するには「スキルや信用確認面」と「法律や財務面」での壁があります。信用に足り能力がある人間であること、きちんと法律や財務に準拠した雇用が出来ること、これらの確約が必要です。
Noxxはこれらの課題を解決します。
■特徴
○ゼロ知識証明を活用したKYC
NoxxはまずKYCの確認を行います。このKYCの確認の際にはゼロ知識証明を活用しているため、ユーザーデータはNoxx側に残りません。KYCが完了すると完了証明としてのSBTが届きます。また、現在の企業のメールアドレスを活用した勤務証明の認証も可能です。
○AIが作成するプロフィール
自身の経歴などのプロフィールを入力するとAIで自動で匿名修正を施してくれます。キャリアもいい感じに変更し、プロフィール写真やプロフィール名の発行も行います。
○給与計算やコンプライアンスツールも内包
サービス内に組み込まれており、企業側が法的義務を損なうことなく、偽名の人材が簡単に雇用され、給与が支払われるようになります。企業側は法定通貨で支払い、雇用者側は暗号資産で受け取ります。
■展望
Noxxは2023年3月より開始された新しいサービスです。
特にweb3の誕生で、世界中のプロジェクトやDAOで働くという概念が提唱されましたが、法的な問題もあり、なかなか定着はしていません。
Noxxはまさにここの問題解決を目指すプロジェクトです。
偽名を使用すると、性別、人種、場所、経済的地位に関連する潜在的な偏見を排除し、純粋にスキルに基づいて人材を雇用することができます。
よって、公平で多様性のある労働環境が促進され、才能と成果を評価する文化が促進されます。また、個人は通常の障壁なしに国境を越えて働くこともでき、時間帯に対応したより柔軟な勤務体制が可能になり、国籍や物理的存在を超えて評価される貢献が奨励されるようになります。
バイアスの削除は仕組みで解決
ここからはリサーチした感想を書きます。
ジェンダーや人種問題など、人は無意識のうちにバイアスをかけて人を評価します。それは生まれ育った環境に育まれますが、虚構を信じることができてしまう人間においては仕方のないことなのかもしれません。
人類を成長させた能力が差別の要因にもなってしまっているのかもしれません。
僕は問題解決は「気持ちで解決」か「仕組みで解決」の2種類しかないと思っています。
差別に繋がりうる無意識のバイアス問題は多様性を学習し、自分たちの中で意識し続けることで、ある程度の緩和は必ず出来ると思っています。ただ、数十年の育った環境で培った意識はそう簡単に変わることはありません。
よって、「仕組みで解決」するという選択肢もあって良いのではないかと思っています。
Noxxはまさにバイアスを仕組みで削除する1つのソリューションとなり得るサービスだなと感じました。
顔も本名もわからない偽名のプロフィール人材をスキルセットを評価して雇用することは、きっと今までの雇用習慣や働き方からすればためらいが生じると思います。
ですが、余計なバイアスなしでその人と向き合うことができるきっかけになり得ます。
僕自身もweb3界隈で色々な人とお話しさせていただき、時には仕事をさせていただきますが、正直本名も顔も知らない人が結構います。Twitterネームで呼び合い、打ち合わせは音声電話で行い、あとはテキストのやり取りで完結します。
この際のお互いの与信判断はTwitterの発信からSubstack等のコンテンツ、実施しているプロジェクトなど、実績をもとに行っています。Noxxではこれがオンチェーン情報になります。
正直、あらゆる履歴がオンチェーンに刻まれるのは少し時間がかかると思いますが、いずれそういう世界になった際の働き方として十分にあり得る世界観だなと感じました。
自分でも使ってみたいと思います!
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