おはようございます。
web3 Researcherの三井です。
毎週金曜日は普段リサーチしている中で感じたことをまとめた考察会です。今日はDAOについて。
«目次»
1、DAOは株式会社を代替する?
2、雇用なんてなくなる
3、才能をシェアする時代になる
アドレス登録で、web3に関するリサーチ結果が平日毎朝届きます。登録無料。
DAOは株式会社を代替する?
DAOって何?という話はそこら中で議論されており、世界中でその定義を探している最中です。自立分散型組織であるという言葉的な定義ではなく、その本質にあるのはなんだろう、という話です。
色々な定義がある中で、DAOには大きく「コミュニティー DAO」と「チーム DAO」があるなと感じています。
コミュニティーDAO:全員が分散化して、何か共通の目標に対して、提案・投票を行うことによって進んでいくDAO。
チーム DAO:半DAOのようなイメージ。株式会社やプロジェクトをDAOとしてラフに立ち上げるイメージ。DAOの特徴の一つであるインセンティブ革命(NFT等の配布で参加者に株式的なインセンティブをつけることができる)を用いたDAO。あくまでチームとして一つのプロジェクトを立ち上げていくことを目的としている。
どこまでがDAOなのか、完全に分散化していなければDAOではない、この辺りの議論も大いにわかりますし、完全分散化されたDAOを実現してみたいという気持ちは僕にもあります。
ただその上で、チームDAOのような半DAOは、本当に株式会社の代替になるのではないかとここ最近感じています。NFTは株式とほぼ同じ働きをするので、議決権はないけど、ストックの報酬としてインセンティブが働きます。
DAOとしてメンバーを集めて、それぞれの得意分野を発揮してもらいながらプロジェクトを立ち上げる。そのメンバーにはNFTを無料でエアドロする。そのプロジェクトがうまくいけば、エアドロされたNFTの価値が跳ね上がり、結果的にリターンが返ってくる。
まさに株式で行われていたことですが、DAOはこれが高速で実現できます。立ち上げにかかる時間とお金も一瞬で、リターンが返ってくるまでの時間も数ヶ月から数年です。
例えば、AzukiというNFTプロジェクトは数日で数十億円の売上になり、フロア価格が数百万円になりました。BAYCも数ヶ月でフロア価格1,000万円ほどになりました。初期メンバーはそれだけの資産を手に入れることになります。
株式ではこのスピードで資産化できることはまずあり得ません。数年~数十年コミットして、上場して初めて自分の株式に価値がつきます。ただ、それを自由に売却できるかわからないし、どれくらいの価値になるのかも上場時の価格次第。そして、大体の会社は株式の大部分は社長が持っているので、頑張りに対してのリターンは10年かけた程なのか?と疑問がつくかもしれません。
そういう意味で、DAOの革命はインセンティブ革命であり、それはユーザーと運営間でもですが、実はチーム間でも同じ革命が起こり得るということです。
雇用なんてなくなる
そう考えていくと、会社で雇用するという関係値のチームは無くなっていくかもしれません。DAOでプロジェクトベースで集まり、それぞれの得意分野のスキルを発揮し、その対価としてNFTを貰う。
これが当たり前になります。副業という考え方自体がなくなり、そもそもメインの仕事なんてなくて、自分のスキルを軸に色々なプロジェクト(DAO)で働くようになります。
これは働く側にとっても革命ですが、実はプロジェクト起案者(起業家)にとっても革命で、かなりメリットがあります。
雇用しなくて良くなるとかもありますが、それよりも重大なことです。
才能をシェアする時代になる
それが優秀な人材をチームに入れることが容易になるということです。今の組織だと、本当に優秀な人材に仕事を依頼するには、高額で業務委託で支払うか、株式を渡して(ストック報酬)役員としてフルコミットしてもらうか、この2択しかありません。
ただ、優秀な人は引っ張りだこなので役員になってもらうのはかなりハードルが高く、業務委託費用を支払えるほどの会社になるまでにはかなり大変です。本当は創業期で力を借りたいのに、その時期ではお金が支払えないジレンマがあります。
DAOはこれを解決します。
プロジェクト立ち上げ期に優秀な人を集め、その人たちの得意分野(スキル)だけ発揮してもらい、NFTをリターンとして配布します。
これによって、ストック報酬で参加してくれる&フルコミじゃなくてよい(得意のスキルだけ発揮すれば良い)という理想の働き方ができるわけです。且つ、その人たちはこのプロジェクトが盛り上がった方が自分たちにリターンがあるので、発信も頑張ります。
そして、成功すればリターンが返ってきます。プラス、そのDAOで成功させたという実績がつくので、また別のDAOに呼ばれやすいです。おそらく、これがDAO時代の成り上がり方ですね。一つのDAOで何かの肩書きで結果を出し、その実績をもとに別のDAOでも得意スキルで結果を出す、これを繰り返していきます。
この時代は、自分の得意スキルがないと厳しい時代でもあります。雇用してもらってから成長していく時代ではないので。ただ、本当に優秀な人は一個の得意スキルを軸に複数のDAOに参加して、自分の範囲だけで結果を残して報酬を貰うことができるようになります。
これがDAOによる才能をシェアする時代です。
おそらく、結果を出している人に仕事は集中するでしょう。ただ、それは実力主義のフェアな世界にはなります。結果を出しているか否かの証明は透明性高くされてしまうので。
DAOには実はそういう可能性も大いにあるなと最近感じ始めました。なので、個人的なチーム編成もそういった形にしていこうと考えています。
というわけで、今日はDAO考察でした。記事が面白いなと思った方はぜひ「アドレス登録」と「SNSでシェア」をしていただけると嬉しいです。引き続きweb3をリサーチしていきます。
おわり。
アドレス登録で、web3に関するリサーチ結果が平日毎朝届きます。登録無料。