【Hive Intelligence】60以上のブロックチェーンデータと自然言語で対話できるMCPサーバーを提供 / NVIDIA Inception採択やNexus連携で検証可能なAIデータ基盤へ拡張中 / @Hive_Intel
セットアップも簡単です。
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「Hive Intelligence」についてリサーチしました。
🤖Hive Intelligenceとは?
⚙️設定方法と使い方
🚩変遷と展望
💬自然言語対話によって理解が進む
🧵TL;DR
Hive IntelligenceはAIエージェント向けのブロックチェーン・データ基盤で、AnthropicのMCPを用いた専用MCPサーバにより「自然言語→リアルタイムオンチェーン回答」を実現。
対応60+チェーン(ETH/BNB/Polygon/Arbitrum/Optimism/Base等)+主要プロバイダ統合、NLPで人間の質問を正確なデータ取得クエリに変換し、LLM最適化された構造化出力を返す。
使い方は簡単:Claudeの Settings → Connectors → Add custom connector で
https://hiveintelligence.xyz/mcp
を追加するだけで、即ブロックチェーン分析が可能。トークン$HINT(総供給10億・Base発行)は手数料/ステーキング/ガバナンス/インセンティブに使用、NVIDIA Inception採択やNexus連携で検証可能なAIデータ基盤へ拡張中。
🤖Hive Intelligenceとは?
「Hive Intelligence」は、AIエージェントがブロックチェーンデータにアクセスするためのインフラ基盤を提供するプロジェクトです。
その中核となるプロダクトが「Hive Intelligence MCP」で、Anthropic社によって開発されたModel Context Protocol(MCP)規格を利用しています。
MCPはAIに各種サービスやデータベースをコネクトするための共通規格であり、これによって、AIモデル(例:ClaudeやChatGPT)は外部のデータソースやツールに安全に接続できるようになります。
HiveはこのMCPを活用し、AIとブロックチェーンをつなぐ専用MCPサーバを構築しています。
AI(ホスト)からの自然言語クエリをMCPクライアントが解釈し、HiveのMCPサーバ(ブロックチェーンデータ基盤)が回答を返す仕組みで、AIエージェントにブロックチェーンを「会話」させることを可能にしています。
特徴をまとめます。
60チェーン以上に対応:Ethereumメインネット、BNBチェーン、Polygon、Arbitrum、Optimism、Base、Avalanche、Fantomなど主要なL1・L2を含む60以上のチェーンに対応。Tavily、DeBank、Moralis、The Graph、CoinGecko、Alchemyといった業界トップクラスのデータプロバイダから情報を集約し、幅広いブロックチェーン領域(DeFi、NFT、取引履歴、価格情報など)を網羅しています。
自然言語処理(NLP)エンジン:Hiveのシステム中枢には高度なNLPエンジンがあり、ユーザやエージェントからの自然言語クエリを解析して正確なデータ取得クエリに変換します。これにより開発者はSQLや特定API言語を意識せず、「◯◯して」といった人間の言葉で質問するだけで、必要なブロックチェーンデータを引き出せます。
インテリジェントなデータ収集:複数ソースから取得したデータをマージ・加工・整形するアルゴリズムが組み込まれており、マルチチェーンから集めた情報を矛盾無く統合します。その結果、AIが扱いやすい形式に統一され、回答の正確性と一貫性が確保されます。
LLM向け最適化:LLMが受け取りやすいよう、API応答のフォーマットやコンテキスト付加に工夫があります。たとえば必要に応じてJSONなど構造化形式で回答し、関連メタデータ(タイムスタンプやチェーン名など)も含めることで、LLMがそのまま知見として利用しやすい出力を返します。こうしたAIフレンドリーなレスポンス設計により、AIエージェントは追加の前処理なしで知識を活用できます。
高パフォーマンスインフラ:分散型かつスケーラブルな高性能インフラ上に構築され、サービス稼働率99.999%・ミリ秒単位の応答時間を目標としています。多数のチェーンにリアルタイム接続しながらこの性能を維持するため、独自の最適化とNVIDIAの技術支援も活用しており(詳細は後述のNVIDIA Inceptionプログラム参画)、開発者やエージェントは低レイテンシーで常時利用可能なデータレイヤーとしてHiveを信頼できます。
以上のように、HiveはAIとブロックチェーンを橋渡しする開かれた標準インターフェースを実現しており、従来分断されていたオンチェーン情報をAIが即座に理解・活用できる形で提供します。
⚙️設定方法と使い方
では、簡単に使い方を説明します。自身で利用しているAIに簡単にセットアップできます。(ただし、API制限はあるので無料で無制限で使えるわけではありません)
Claudeへのセットアップが最もわかりやすいです。
①Settings→Connetors→Add custom connector
②コネクタURLを追加:https://hiveintelligence.xyz/mcp
③完成
これだけでClaude経由でリアルタイムのブロックチェーンデータにアクセスすることができます。
自分でも設定してみました。例えば以下のような分析が一瞬でできます。
パッと数値を見た感じ、大きなズレはありません。デザインまで指定すれば自社独自のレポートになりますし、分析トリガーも設定しておけば、週1回自動で分析してレポート化してSlackに流してくれるようなことも可能になります。
自分でも色々なブロックチェーンデータのMCP触ってきましたが、その中でもかなり使い勝手が良く簡単に利用できると感じました。
🚩変遷と展望
Hive Intelligenceはインド・ニューデリー発のプロジェクトで、共同創業者としてRishabh Narang氏が立ち上げました。Narang氏は2021年創業のSharpe AIのCEOを務めているシリアルアントレプレナーであり、AIとブロックチェーンの融合領域に経験を持つ人物です。
Hiveにおいてもその知見を活かし、「Web2・web3を問わずあらゆる企業がオンチェーンインテリジェンスを活用できる世界」をビジョンに掲げています。
また、それぞれ別に立ち上げたプロジェクトではありますが、2024年12月にSharpe AIがHive Intelligenceを買収したことを発表しており、現在はSharpe AIが目指すAI搭載の暗号資産「スーパーアプリ」における重要な一部を担うことが期待されています。
◼️トークン情報
Hive Intelligenceは、資金調達を行ったという情報は現在までに公表されていません。主な資金源はパブリックセール(IDO)で、2024年12月19日~20日にかけてFjord Foundry(CopperLaunch)上で実施されたトークン販売によって約270万~280万ドルを調達しています。
このパブリックラウンドの価格は$0.008/HINTであり、取引開始時点でのプロジェクト初期時価総額(FDMC)は約800万ドルとなりました。
$HINTの総供給量は10億でBaseチェーン上に発行されています。
アロケーションは以下の通りです。
また、ユーティリティは以下のとおりです。
手数料支払い(データクエリ利用料): 開発者やユーザーは、HiveのAPIコールやオンチェーンデータクエリを実行する際に$HINTで手数料を支払います。
ステーキングとアクセス権: $HINTをステーキングすることで、Hive MCPの高度な機能への優先アクセスが得られます。具体的には、一定量をステークした開発者は通常より高いAPIレートリミット、専用エンドポイント、低レイテンシーモードなどのプレミア機能を利用できる予定です。
ガバナンス: トークンを一定量保有・ステークすることで、プラットフォームのアップグレード提案、サポートするブロックチェーンの追加、手数料パラメータ変更など重要事項の投票に参加できます。
エコシステム内インセンティブ: Hive上で構築されるサービスやパートナーシップにおいて、$HINTが報酬や決済手段として利用されます。
さらに利用手数料の一部でトークンバイバック・バーンを行うバリューアクリュアル(価値蓄積)戦略も計画されており、2025年Q4にはオンチェーンでの買戻し証明(Buyback proof)の公開など、需要拡大に応じてトークンがデフレする仕組みが導入予定です。
◼️パートナー
Hive Intelligenceは技術・市場の両面で幾つか重要なパートナーシップを発表しています。
NVIDIA Inceptionプログラム:2025年4月、HiveはNVIDIA社のスタートアップ支援プログラム「Inception」のメンバー企業として採択されました。NVIDIA Inceptionは有望なAIスタートアップに対して技術指導やマーケティング支援、ネットワーキング機会を提供するグローバルプログラムです。Hiveはこの参加により、NVIDIAの最先端AI技術や専門知識へのアクセスを獲得しました。
Nexus(Verifiable AI Lab)との提携:2025年7月、Nexus(レイヤー1ブロックチェーン「Nexus」の開発組織)とのパートナーシップが発表されました。Hiveは「自然言語を構造化ブロックチェーンデータへリアルタイム変換するプラットフォーム」として、Nexusは「そのデータに検証可能性を与える基盤」として協業する形です。
その他の提携・取り組み:直接的なパートナー発表は上述の2件が主要ですが、この他にもコミュニティやプラットフォームとの連携が進んでいます。例えばWeb3データ解析プラットフォームのDeepBlockや、AIエージェント開発コミュニティのCrewAIなどがHive MCPを取り入れてサービス強化を図っているとの情報があります。
MCPが公開されたのは2025年8月ですので、今後のエコシステム拡大が期待されています。
💬自然言語対話によって理解が進む
最後は総括と考察です。
プロダクト自体は非常にシンプルで、これまでもブロックチェーンデータをMCPにする取り組みは数多くあったのですが、Hiveはその中でもかなりシンプルでわかりやすいプロジェクトです。
MCP側(Claude)のセットアップ環境が楽になったという側面もありますが、ワンタップで連携できて利用できるようになることは非常に便利です。
これはMCPが出た時から感じていましたが、個人的に全てのツールやデータはAIとMCPで接続され、自然言語の対話からあらゆる情報収集やツール操作をしていく時代になると思っています。
ブロックチェーン領域でもそれは同様で、少しずつ実装が始まっています。
自然言語でブロックチェーンの最新情報を質問、分析することができ、そのままスワップやDeFi預け入れができるようになります。リバランスもAIエージェントが自動でやってくれてアラートだけを通知してくれるようになります。
しかも、この取り扱える商材がFTだけでなく、株式や債券、金、不動産などあらゆるRWAがトークン化されることで、なんでも自動で取引、分析ができるようになっていきます。
最近は株式のトークン化がブームですが、一方で批判的な声も聞こえます。それはステーブルコインについても同様です。ただ、これは全てがオンチェーンになることであらゆるアセットをプログラマブルに連携したトレーディングや運用戦略が組めるようになるので、かなり大きな意味を持つと思っています。
とても楽しみな世界ですね。とりあえずはHiveをもう少し触ってみて、日々の情報収集を効率化してみようと思います。
以上、「Hive Intelligence」のリサーチでした!
🔗参考リンク:HP / DOC/ X
«関連 / おすすめリサーチ»
免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中にDapps、NFT、トークンを紹介することがありますが、勧誘目的は一切ありません。全て自己責任で購入、ご利用ください。
✨有料購読特典
月額10ドル(年額80ドル/月額6.6ドル)で有料購読プランを用意しています。有料購読いただいている方には以下の特典がございます。
週2本の限定記事の閲覧
月曜:1週間のマーケット&ニュースまとめ記事(国内外の20以上メディアから1週間のニュースをキュレーションして紹介)
木曜:Deep Report記事(通常の内容よりも深い調査や考察を盛り込んだ記事 / 公開記事では言えない裏事情も偶に公開)
1,500本以上の過去記事の閲覧
無料で公開された記事も公開1週間後以降は有料購読者以外は閲覧できなくなります。すでに1,500本以上の過去記事が存在し、その全てを見放題です。
不定期のオフ会への参加
オフライン/オンラインにて不定期で有料購読者限定のオフ会を開催します。
※特典は現時点のものであり今後変更の可能性がございます。変更の際はニュースレターでお知らせします。
About us:「web3 for everyone」をコンセプトに、web3の注目トレンドやプロジェクトの解説、最新ニュース紹介などのリサーチ記事を毎日配信しています。
Author:mitsui @web3リサーチャー
「web3 Research」を運営し、web3リサーチャーとして活動。
Contact:法人向けのリサーチコンテンツの納品や共同制作、リサーチ力を武器にしたweb3コンサルティングや勉強会なども受付中です。詳しくは以下の窓口よりお気軽にお問い合わせください。(📩 X / HP)
→お問い合わせ先はこちら