おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「MCPを活用したweb3 AI市場の未来」と題して、今起こり始めている新しいAIエージェント市場の動きについて紹介します。
AI市場でも比較的新しい技術ですので、やや難しい話も多くなります(ただ、細かい技術詳細は割愛し、概念だけの説明に留めます)。
また、まだ新しくweb3領域にもほとんどユースケースがないので少し抽象的な説明になるかもしれませんが、個人的にはweb3の次なるAIエージェントバブルの要になるのではないかと興奮しています。ぜひ最後までご覧ください!
📦MCPとは?
✨web3でMCPが統合されるとどうなる?
💬次なるバブルの中心になる?
📦MCPとは?
まずは「MCP」の説明からです。これはクリプトの用語ではありません。
MPCは「Model Context Protocol」の略で、2024年11月にClaudeの開発を行うAnthropic社が提唱した大規模言語モデル(LLM)と外部のデータソースやツールを接続するためのオープン標準プロトコルです。
簡単にいえば、さまざまなAIモデルと多様なツール・データを「ひとつの共通インターフェース(接続規格)」で結びつける仕組みです。
MCPが生まれた背景には、AIとデータの断絶という課題があります。高度なLLMでも学習済みデータの範囲から外れた最新情報や社内データには直接アクセスできず、各種データベースやサービスとの連携には都度カスタム実装が必要でした。
ここは普段AIを利用されている方であれば納得できるかと思います。すでに非常に高度で便利ですが、「社内固有データへのアクセス」や「リアルタイムの正確なデータの把握」はまだ弱いです。
ウェブ検索もできるようになりましたが、多様なデータ群の中で回答を引っ張ってくるのでリアルタイムデータの正確性には乏しいです。
もし、今のAIに社内データベースも統合でき、外部のAPIと接続することでリアルタイムデータまで収集して出力してくれるようになったとしたら、非常に便利です。
今でも社内データの統合や外部APIなどのデータアクセスは可能ではありますが、それぞれに規格が異なっているため個別事案毎にカスタムでの開発が必要でした。また、外部データに関しては公開されているAPIがAIに適したものでなければ収集ができないという問題もありました。
このような統合問題(異なるモデルと多数のツール間の組合せ)を解決するため、AnthropicはMCPをオープンソースで公開し、誰もが利用・実装できる共通プロトコルとして提供しました。これによりLLMベンダーやツール開発者は共通の仕様に沿って実装を行えるため、AIシステムの相互運用性が高まり、スケーラブルで持続可能な統合が可能になります。
よく「AIアプリケーション向けのUSB-Cポート」にたとえられ、従来はデータソースごとに個別対応していた統合を単一の標準プロトコルに置き換えることを目指しています。
このプロトコルを利用することで、AIアシスタント(LLM)が必要とする外部情報へ安全かつ双方向にアクセスでき、より的確で関連性の高い回答を生成できるようになります。
また、予め出力先のデータアクセス権限も付与しておくと、自律的に収集したデータを加工して、例えばSlack通知、例えばGoogle Documentに記載など、アクションまで実行してくれます。
これらのワークフローをMCPという共通企画で統一することでスムーズに構築できるようになります。
例えば、MCPの代表的なユースケースとしては、以下のようなものが挙げられます。
企業内データ検索アシスタント:社内のドキュメント管理システムやナレッジベースにMCPサーバーを立てておけば、LLMは必要に応じて該当資料を取得し、要約や質問回答に活用できます。例えば「昨年度の売上レポートを要約して」と聞けば、AIはGoogle Drive上の該当ファイルをMCP経由で開き内容を読み取り、要旨をまとめてくれます。
AIコーディングアシスタント:開発環境(IDE)とコードリポジトリに接続されたMCPにより、AIがコードを閲覧・編集するエージェントを構築できます。例えばプルリクエストのレビュー時に、AIが自動で変更差分(リソース)を取得し、必要ならテスト実行ツールを呼び出し、問題点を指摘したり修正案を提示したりできます。
業務自動化・RPA:スケジュール調整やデータ入力など繰り返し作業に対し、AIが各種サービスAPIを代理実行するシナリオです。MCPを介してカレンダーやメール、Slack等のツールと接続すれば、ユーザーの指示に従ってAIが予定を登録したり通知を送付したりできます。例えば「来週の会議日程を調整して」と依頼すると、AIが社内カレンダーの空き時間を検索し、候補日時を自動提案してくれる、といった具合です。
少し難しいかもしれませんが、なんとなく理解が進んだでしょうか。
細かい技術詳細は各画像のキャプションに記載しているAnthropicのページからご確認いただければと思います。
✨web3でMCPが統合されるとどうなる?
では、このMCPがweb3に統合されるとどうなるのでしょうか。
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