【Bankr】Baseアプリにも統合された自然言語で操作ができるDeFAIエージェント / 複数チェーンに対応し、ブリッジ・スワップ・NFT送信・指値注文などDeFi操作が可能 / @bankrbot
SNSや専用UIで自然言語を使って暗号資産を売買・送金できるAIトレーディングエージェント
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「Bankr」についてリサーチしました。
🏦Bankrとは?
🚩変遷と独自トークン
💬ソーシャルモバイルウォレットのトレンド?
🧵TL;DR
Bankrは、SNSや専用UIで自然言語を使って暗号資産を売買・送金できるAIトレーディングエージェントです。
Ethereum、Base、Solana、Polygonなど複数チェーンに対応し、ブリッジ・スワップ・NFT送信・指値注文などDeFi操作が可能です。
2024年にFarcaster上で登場し、2025年にはCoinbaseアプリと統合され注目を集めました。
独自トークン$BNKRでプレミアム機能が開放され、DeFAI時代のソーシャルウォレットとして成長中です。
🏦Bankrとは?
「Bankr」は、暗号資産の取引や管理をチャット感覚で行えるAIエージェント型プラットフォームです。いわゆるDeFAIエージェントであり、DeFiとAIエージェントを統合し、ユーザーのDeFi操作を簡易化します。
現在はEthereum、Base、Solana、Polygonに対応しており、ユーザーはSNS上のメッセージや専用ターミナルで自然な言語のコマンドを送信するだけで、暗号資産の購入・売却、送金、スワップなど様々な操作を実行できます。
主な機能を紹介します。
チェーン間のブリッジとスワップ:最高のレートと最低の手数料で、Ethereum、Base、Solana、Polygon間で資産をシームレスに移動できます。
テクニカル分析:取引から感情を排除し、データに基づいた意思決定を行います。
社会感情:あらゆるトークンやプロジェクトのリアルタイムのソーシャル感情分析を取得します。
指値注文:成行注文だけでなく、指値での注文も可能です。
トークンを購入して送信:友人に送金するのと同じように、デジタル トークンを簡単に購入して送信できます。
BaseとSolanaのローンチトークン:数回タップするだけで、自分だけのデジタルトークンを作成できます。技術的なスキルは必要ありません。
トップトレーダーからのコピー購入:簡単なメッセージでソーシャル フィードに直接コピー トレードします。
NFTを転送:デジタル コレクションやアートを誰にでも即座に安全に送信できます。
エアドロップ:X上の投稿に対するリプライ状況に応じて特定トークンを自動配布するエアドロップ機能や、メッセージから直接NFTのミントを実行する機能も備えています。
マルチプラットフォーム対応:複数のプラットフォームから利用できます。X上で投稿やリプライに@bankrbotをタグ付けした公開操作、Farcaster(Warpcast)上でのメッセージ操作、およびプライベートWebターミナル(専用ブラウザUI)での非公開操作が可能です。
リアルタイムの損益管理:専用のWebターミナルでは、自分のウォレット残高や保有資産の一覧、各取引ごとの損益(PnL)をリアルタイムで確認できます。取引履歴ログや現在価格に基づく損益状況が把握できるため、取引の振り返りや資産管理にも役立ちます。
以上が主要な機能となります。
DeFiにおけるトレーディング領域の操作は大体できます。
利用は簡単で、XかFarcasterログインで自身のアカウント(ウォレット)を作成できます。このウォレットはPrivyが基盤となっています。
🚩変遷と独自トークン
「Bankr」は2024年にFarcasterで最初のAIエージェントとして登場し、ユーザーがソーシャルフィードから直接コインを買える体験を提供しました。
実はこの記事でもリリース直後に紹介しています。当初、Farcaster(当時はWarpcast)の投稿で「@bankr 取引したいトークン名 金額」を入れるとclankerによって発行されたトークンを勝手に購入してきてくれる仕組みとしてスタートしました。
そこからDeFAIのブームもあり注目を集め、「Bankr」自体も機能アップデートやチェーン展開、Xへの展開を進めました。
中でも注目を集めたのは、2025年3月に起こったX上の「Grok」との思わぬコラボレーションです。あるユーザーが、Grokに新しいミームトークンのアイデアを尋ね、そのGrokの回答をもとにBankrBotで「DebtReliefBot($DRB)」というトークンを発行しました。結果としてAIが提案し別のAIがトークンを生成するという世界初の事例となり、$DRBトークンは発売直後に累計7000万ドル以上の取引高を記録しました。
Bankr開発チームは、Grokからの過剰なトークン発行リクエストに応答しないようシステムを調整する対応を取りましたが、AI×AIの連携による自動市場創出という新たなユースケースを生み出しました。
また、2025年7月、CoinbaseはCoinbase Walletをリブランディングし「Base (Baseapp)」にすることを発表、そのBaseアプリにBankrをトレーディングエージェントとして統合することを発表しました。
これがさらなる話題を呼び、一気に注目を集めました。
◼️独自トークン$BNKR
Bankrは独自トークンの「$BNKR」を発行しています。「$BNKR」はFarcasterソーシャルフィードでclankerを利用してローンチされました。
「$BNKR」はBankrが提供するプレミアム機能である「Bankr Club」への支払いに利用できます。
「Bankr Club」に入ることで、取引手数料の割引(通常0.8%が0.3%に)、メッセージ利用回数の無制限化、ネットワーク混雑時の優先処理、さらにアルファ版の新機能への先行アクセスや限定NFT報酬の獲得などが挙げられています。
料金は月額20ドル(または年額198ドル)相当の$BNKRトークンで、$BNKRによる前払いで加入します。
💬ソーシャルモバイルウォレットのトレンド?
最後は総括と考察です。
「Bankr」は以前からとても面白いと思っていましたが、Coinbaseアプリへ統合されることでその注目度が一気に上がりました。
ここは個人的な所感ですが、今回Coinbaseがウォレットアプリをリブランディングして、ソーシャルフィードを導入したり、AIエージェント機能を統合したように、徐々にウォレットアプリがソーシャル機能を入れ始めているように感じます。
より大きなトレンドとしては、一部の人がPCから(拡張機能)ウォレットを利用していた時代から、マスに広がるためにモバイルアプリからウォレットを利用する時代への変遷なように思います。
そして、単なるウォレットアプリだけでは差別化ができませんし、初心者向けにトレーディングの進めも難しいので、ウォレット機能がついているソーシャルアプリとしてのポジショニングを構築しようとしているような気がします。
ウォレットは代替されやすいですが、ソーシャル要素はネットワーク効果が働くので代替されづらいです。なので、ソーシャル起点で人を誘致し、メッセージもでき、そこからトークンの取引や発行や送付もできるというweb3ネイティブのソーシャルネットワーク、スーパーアプリを狙っているように思います。
そして、Coinbaseが個人的にすごいと思うところは、それら一連のスーパーアプリを自社だけで全て作らず「Bankr」のような既存サービスを統合している点です。まあ、「Bankr」もBase上にあるアプリではあるので、それを広めることに自社のメリットもあるわけですが。
少し話が広がりましたが、個人的にはソーシャルウォレットのトレンドを感じています。そして、その中核にDeFAI系のサービスが組み込まれていくことは間違いないと思うので、各チェーンや各エコシステムの中でのリーディング銘柄は、例えばSolana Phoneに組み込まれるとか、MetaMaskの中に組み込まれるとか、そういう統合が進んでいくと思います。
そうなると、いよいよDeFAIの時代が本格化して、DeFiプロトコルはさらにユーザー設置面から遠ざかりプロトコル化し、ウォレットが全てのインターフェースになる時代になっていきます。
自然言語で取引ができるのはとても便利なので、その時代になるとより多くのユーザーが参加しやすいかもしれませんね。とても楽しみです。
以上、「Bankr」のリサーチでした!
🔗参考リンク:HP / X
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