【Unitas】「ドル+利回り」をオンチェーンで実現する利回り付きステーブルコイン / JLPデルタニュートラル戦略でAPY8~15%を安定提供 / Binance TGEで3分完売 / @UnitasLabs
ステーブルコインを「持つ」から「増やす」時代へ
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
本日は「Unitas Labs」についてリサーチしました。
Unitas Labs とは?
変遷と展望|台湾発フィンテックXREXのチームが生んだプロジェクト
考察|「利息の生まれるステーブルコイン」がDeFiの次の常識になる理由
TL;DR
Unitasは「ドル+利息」のスタックをオンチェーンで実現するDeFiプロトコルで、USDuというステーブルコインをステーキングするだけで年率8〜15%の利回りが自動複利で積み上がる仕組みを提供している。
利回りの源泉はSolana上のJupiter Perpsの取引手数料収入をベースとした「デルタニュートラル戦略」で、先物ショートによって価格変動リスクをヘッジし、市場のボラティリティに依存しない安定収益を実現している。
台湾フィンテックXREXのチームが開発し、2026年3月にシード調達(約13億円)とBinance WalletでのTGEを完了。競合のEthenaと比較した際の差別化軸はJLP手数料収入という独自の収益源で、TVL約7,500万ドルからの規模拡大が今後の焦点となる。
Unitas Labs とは?
「Unitas」は、「安定性をあらゆるチェーンで利回りに変える(Turning Stability into Yield Across Every Chain)」 をミッションとするDeFiプロトコルです。SolanaとBSC(BNBチェーン)を主軸にマルチチェーン展開しています。
ひと言で言えば「ステーブルコインを保有するだけで年率8~15%の利息が自動的に積み上がる」プロトコルです。
従来のUSDCやUSDTは価値の安定を保証しますが、利息は付きません。Unitasはその上に収益エンジンを載せ、USDペッグを維持しながら利回りをユーザーに届ける、いわば「ドル+利息」のスタックをオンチェーンで実現しています。
◼️コアプロダクト:USDuとsUSDu
UnitasのプロダクトはシンプルにUSDuとsUSDuの2種類に集約されています。
USDu
Unitasプロトコルが発行する米ドル連動型ステーブルコインです。常に100%を超える担保資産でバックアップされており、1ドル近辺の価値を維持します。ただし、USDuを保有しているだけでは利息は付きません。
sUSDu
USDuをステーキング(プロトコルに預け入れ)すると1:1で発行されるトークンです。時間が経つにつれてsUSDuの換算レート(1sUSDu = ○USDu)が自動的に上昇し続け、元本となるUSDuが複利で増えていく仕組みです。
つまり「USDu = 安定ドル資産」「sUSDu = 利回りを自動複利で積み上げる貯蓄ツール」という2層構造になっています。
ユーザーの操作フローはこうです。
DEXやUnitasアプリ上でUSDCやUSDTからUSDuを入手する
USDuをステーキングしてsUSDuを受け取る
あとは保有しているだけでsUSDuの価値が自動的に増加していく
アンステークするとsUSDuがUSDuに戻り(7日間のクールダウンあり)、増えた分を受け取れる
なお、USDuの直接ミント(新規発行)はホワイトリスト登録された機関に限定されており、一般ユーザーはDEXを通じてUSDuを入手する形です。
◼️利回りはどこから来るのか?
ただ正直、このようなステーブルコインプロトコルが多く存在します。Unitasの特徴は高利回りである点で、その年率8~15%という利回りは「デルタニュートラル戦略」によって生み出されています。
ステップ1:JLPを購入する
Unitasが担保として受け入れたUSDCの約80%を、Solana上の「Jupiter Perps」のLPトークン(JLP)に変換します。JLPを保有すると、Jupiter Perps上で発生する全取引手数料の75%が継続的に分配されます。SOL・ETH・WBTC・USDCなど主要資産のインデックス運用と合わせ、高い利回りが生まれます。
ステップ2:先物ショートでリスクをゼロにする
JLPにはSOLやETHなどの価格変動リスクが内包されています。そこでUnitasは残りの約20%の資金を使い、BinanceやOKXなどの大手CEXで同等額の先物ショートポジションを建てます。「現物ロング+先物ショート=デルタニュートラル(価格変動に中立)」の状態を作り出し、暗号資産の価格が上がっても下がっても元本価値はほぼ変わらない構造にします。
結果として、価格変動リスクを排除した後に残るのは「JLPの取引手数料収入」と「先物の資金調達率収入(ファンディングレート)」のみです。これらは市場のボラティリティではなく「オンチェーン取引の需要量」に依存するため、相場が暴落している局面でも安定して稼げます。
この収益の80%がsUSDu保有者に分配され、10%が保険基金へ、10%がプロトコルトレジャリーへ流れます。
※ただし、この比率は中期目標で現時点では20%程度がオンチェーンで80%がカストディアルウォレットでステーブルコイン保有となっています。
2026年3月時点でのsUSDuの実績APYは過去30日平均で約12.2%。累計でユーザーへ約183万ドルの利息が分配されました。
変遷と展望|台湾発フィンテックXREXのチームが生んだプロジェクト
Unitasは単体のDeFiプロジェクトではなく、台湾・シンガポール拠点の企業グループから生まれたプロジェクトです。
XREX Inc.との関係
Unitasの共同創業者でCEOを務めるウェイン・フアン(Wayne Huang)氏は、クロスボーダー送金を手掛けるフィンテック企業XREXの共同創業者でもあります。2024年にはステーブルコイン最大手のTether社がXREXへ1,875万ドルの戦略的出資を行っており、USDT発行体から間接的にバックアップを受けているチームです。
Unitas Foundationとの関係
同じチームが先行して立ち上げた「Unitas Foundation」は、インドルピー連動のUSD91やUAEディルハム連動のUSD971など、新興国通貨に連動したユニット型ステーブルコインを提供しています。これは新興国の人々が自国通貨感覚でドル資産を使えるようにする金融包摂プロジェクトです。Unitas Labsのプロダクト(USDu/sUSDu)はその上に積み上げられた「利回り特化の営利部門」と理解できます。
2022〜2023年:基盤形成
2022年にUnitas Foundation設立。2023年8月にEthereumメインネット上でUnitas Protocol(ユニット型ステーブル)を正式ローンチ。
2024年:USDuの開発とデルタ中立戦略の構築
2024年後半にUSDu/sUSDuのメインネット稼働を開始。SolanaとBSCでの展開を進め、PendleやPancakeSwapとの統合も実現。
2026年:シード調達とTGE
2026年3月に1,333万ドルのシード資金調達を発表。出資者にはAmber Group、SevenX Ventures、Bixin Venturesなど著名クリプトVCが名を連ねます。
同時期にBinance WalletでUPトークンのTGEを実施。Binance Walletの第44回エクスクルーシブTGEとして採用され、先行配布イベントでは3分で4,000万USDT相当が完売するほど注目を集めました。
UPトークンはUnitasのガバナンストークンです。総供給10億枚のうち45%がエコシステム&コミュニティ向け(エアドロップ枠含む)、22%が投資家、15%がチーム、18%が流動性関連に割り当てられています。チーム・投資家分には1年クリフ後の線形ベスティングが設定されており、初年度の大量放出は抑制されています。
将来的には「Fee Switch(収益分配スイッチ)」と呼ばれる機能が用意されており、①USDu供給量10億ドル超、②累計プロトコル収益1億ドル超、③世界トップ5取引所のうち3社以上にUSDuが統合、という3条件を満たした時点でガバナンス投票によりUP保有者への収益分配が開始されます。
現在のTVLは2026年2月に一時1億ドルを突破し、2026年3月時点で約7,500万ドル規模で推移しています。KrakenへのUP上場(ティッカー:UNITAS)も2026年3月に実現し、MEXCやBitMartでも取引可能です。
考察|「利息の生まれるステーブルコイン」がDeFiの次の常識になる理由
Unitasが面白いのは、「ステーブルコインの持ち方」そのものを変えようとしている点です。
USDCやUSDTは現在、DeFiでは「他のプロトコルに貸して利息を稼ぐ道具」として使われています。しかしそれはユーザーが自分でレンディングプロトコルを探し、リスクを評価し、操作する手間がかかります。Unitasはこのステップをゼロにして「ステーブルコインを持つ=利息が付く」状態をデフォルトにします。
この設計は同様のコンセプトを持つEthena(USDe)と比較して語られることが多いです。Ethenaは2024年のローンチからわずか4ヶ月で時価総額20億ドルに到達した前例があり、現在は約59億ドル規模まで成長しています。利回り付きステーブルコイン市場自体は2023〜2024年で前年比300%以上成長した急拡大領域です。
UnitasとEthenaの最大の違いは収益源です。EthenaはLSD(流動性ステーキング)の利息+先物資金調達率が主力ですが、UnitasはJupiter Perpsの取引手数料という「オンチェーン取引量に連動した別の収益源」を持ちます。市場が停滞してファンディングレートが低下しても、取引手数料収入という補完軸があるため、利回りの安定性に違いが出る可能性があります。
また、Unitasのアーキテクチャには過去の失敗事例への学習が反映されています。Solana発の先駆者であるUXD Protocolは2022年のMango Marketsハッキングで約2,000万ドルの損失を被り、デルタニュートラル戦略を大幅に後退させました。UnitasはオンチェーンDEXではなく流動性の深い大手CEX(Binance、OKXなど)でヘッジし、かつホワイトリスト制で流入ペースを管理することで同じ轍を踏まない設計になっています。
課題はスケール競争です。Ethenaの59億ドルに対して現在約7,500万ドルというTVLの差は大きく、流動性と認知度の両面でキャッチアップが必要です。ただしチームの実績(XREX×Tether×著名VC)、Binance Walletでの採用、そして「JLP手数料」という差別化された収益エンジンはその材料になりえます。
UPトークンのFee Switch条件(USDu供給10億ドル超)がどのタイミングで達成されるかは、今後のUnitasの成長速度を測る一つのバロメーターになりそうです。
以上、「Unitas」のリサーチでした!
参考リンク:HP / DOC / X
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Author:mitsui @web3リサーチャー
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