【Share】Polymarket公式パートナーのソーシャルトレーディングアプリ / コピー取引で報酬を得る新しい仕組み / 予測市場に「SNSレイヤー」をつける試み / @sharedotxyz
Polymarketのすべてのトレードをソーシャルフィードに変えるアプリ
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
本日は「Share.xyz」についてリサーチしました。
概要|Share.xyz とは?
変遷と展望|予測市場に”声”を与えるまでの道のり
考察|「オンチェーン取引のSNS化」が面白い理由
TL;DR
Share.xyzは、Polymarket公式パートナーとして認定されたソーシャルトレーディングアプリで、ユーザーは自分の予測市場取引をSNS感覚で投稿・共有でき、コピー取引ごとに収益の50%をリーダーが受け取れる仕組みが核心にある。
Ethereum・Base・Solanaのマルチチェーンに対応し、750万以上のPolymarketウォレットに自動プロフィールを生成。アプリ内から直接Polymarketの売買が完結するため、情報収集から執行までのラグをゼロに近づける。
2025年9月にCoinbase Venturesをリードとする500万ドルのシードラウンドを完了して正式ローンチ。ポイント制度も導入されており、将来の独自トークンエアドロップへの期待からユーザーが急増している。
概要|Share.xyz とは?
「Share」はひと言で言えば、「Polymarketの公式ソーシャルレイヤー」です。
Polymarketでどのユーザーが何を買い、何を売ったか——ブロックチェーン上にはそのすべての取引が刻まれています。Shareはその情報をSNSのタイムラインのように可視化し、フォロー・コメント・コピー取引という行動に変換するモバイルアプリです。
2023年4月に創業され(当初はクローズド運用)、2025年9月に500万ドルの資金調達とともに正式ローンチしました。現在はiOS向けのアプリとして提供されており、公式サイト(about.share.xyz)からインストールできます。
Polymarketとの統合
Shareは単なるサードパーティツールではなく、Polymarket側が「Official Polymarket Partner(公式パートナー)」として認定しています。
機能面での統合も深く、Share上でPolymarketのマーケット情報(Yes/No価格、出来高、オッズ変動)をリアルタイムで閲覧できるほか、Share内から直接PolymarketへBuy/Sell注文を送信できます。Polymarketの公式サイトに切り替える必要がなく、情報収集から売買執行までがアプリ内で完結します。
さらに、Polymarket上で一度でも取引したことのあるすべてのウォレットアドレスに対して、Shareプロフィールが自動生成されています。現在750万以上のウォレットが対象とされており、その保有ポジションや取引履歴がShare上で誰でも閲覧可能になっています。これにより、Share自体のユーザーでなくても「注目の大口アドレスをフォローする」という体験が生まれます。
主な機能
取引投稿(シェア)機能は、ユーザーが自分のオンチェーントランザクションをコメントや画像・GIFを添えてタイムラインに投稿できる機能です。投稿時には対象マーケットの現在価格やオッズが自動でカード表示されるため、視覚的に内容を把握しやすくなっています。
ウォレットフォロー&フィードでは、任意のウォレットアドレスを検索してフォローすることで、そのアドレスが行った取引をリアルタイムでフィードに流せます。フォロー対象がShareユーザーである必要はなく、取引履歴のある任意のウォレットを追跡できます。著名トレーダーや勝率の高いアドレスの動向を「オンチェーンの事実」として追えるのが強みです。
リアルタイム通知は、フォロー中のウォレットが新たな取引を実行すると即座にプッシュ通知が届く機能です。「大口アドレスが先ほど○○を買った」という情報を秒単位でキャッチできるため、情報戦が重要な予測市場では特に価値があります。
コピー取引(Copy Trading)は最大の差別化機能です。他のユーザーが行った取引をワンタップで模倣できる仕組みで、コピーが発生するたびに手数料(約1%)が発生します。その50%(つまり取引額の0.5%相当)がコピー元のトレーダー(リーダー)に即時支払われます。腕のあるトレーダーはフォロワーが増えるほど「取引するだけで手数料収入が積み上がる」経済的インセンティブを持てるわけです。
その他、トップトレーダーをPnL(損益)ランキングで表示するLeaderboard機能、毎秒更新のライブチャート、各マーケット・トークンのリアルタイムホルダー数表示(「グループチャットの仲間がいつポジションを手仕舞ったか」を察知できる)、複数ウォレットの保有資産を統合管理できるポートフォリオ画面なども提供しています。
Apple Pay経由での法定通貨入金にも対応しており、クレジットカードで数分以内にPolymarketで使うUSDC残高を取得できます。
対応チェーンはEthereumメインネット・Base・Solanaの3チェーンで、Farcaster連携でSNSのフォロー関係をインポートしたり、ENSドメインでウォレット名を自動表示したりと、分散型IDサービスとの統合も積極的に進めています。
変遷と展望|予測市場に”声”を与えるまでの道のり
創業背景と資金調達
Shareの創業者兼CEOはScott Gray(スコット・グレイ)氏です。Gray氏はNFTアグリゲーターのGenieを過去に創業し、2022年にUniswap社に買収されたのちはUniswapのNFT部門トップを務めた実績があります。オンチェーンデータの集約・可視化とプロダクトグロースに精通した起業家です。
2023年4月の創業以降、しばらくはPolymarketコミュニティ向けにクローズドで運用されていましたが、2025年9月に正式ローンチを発表。同時期に500万ドルのシードラウンドを完了しています。リード投資家はCoinbase Venturesで、クリプト系VCのCollab+CurrencyやDJのKygo氏が率いるPalm Tree Crew Cryptoなどが参加しました。
時系列でまとめると以下のようになります。
2022年:前身のGenieがUniswapに買収
2023年4月:Share創業、Polymarket向けにクローズドβ運用開始
2024年末:ポイント制度導入
2025年9月:Coinbase Ventures主導で500万ドル調達、正式ローンチ
2025年末〜2026年:ポイントファーミングキャンペーンが予告、トークンエアドロップへの期待高まる
Polymarket自体の急成長
Shareを語る上で、Polymarket自体の爆発的成長は切り離せません。2024年に累計取引高が約90億ドルを超え、特に米大統領選関連市場だけで33億ドル以上が集まりました。2025年の年間取引量は約220億ドルに達し、2026年2月には月次取引高70億ドルという新記録を更新しています。アクティブトレーダー数も2026年初頭には45万人を超えました。
さらに2025年10月にはICE(インターコンチネンタル取引所、NYSEの親会社)が最大20億ドルの投資を実施し、Polymarketの評価額は90億ドル規模に達しました。2025年11月にはCFTC(米商品先物取引委員会)から認定を受けて米国市場への本格参入も実現。予測市場は「暗号通貨界隈の賭けゲーム」からウォール街の金融インフラへと位置を変えつつあります。
このPolymarketという巨大市場の公式パートナーであるShareは、「急成長するプラットフォームのソーシャルレイヤーを独占している」状況です。
今後のロードマップ
公式から明確なロードマップは公表されていませんが、いくつかの方向性が考えられます。
まずは独自トークンの発行です。2024年末に導入されたポイント制度は、将来的な独自トークン(仮に$SHAREなど)のエアドロップへの布石と見られています。2026年にはポイントファーミングキャンペーンの本格展開が予告されています。
次にマルチプラットフォーム展開です。現状はiOS向けのみですが、競合のfomoがすでにAndroid版を提供しているように、Android対応やWebブラウザ版の提供は今後の優先課題と考えられます。
マルチチェーン対応拡大も重要テーマです。BNB Smart ChainやArbitrumなど、今後需要に応じて対応チェーンを広げていくと予想されます。また、PolymarketがUS向けに「Polymarket US」という規制対応版を展開し始めていることで、KYC対応や地域制限への対応もShareに求められてくるかもしれません。
考察|「オンチェーン取引のSNS化」が面白い理由
最後は総括と考察です。
課題とリスク
Shareにはいくつかの課題もあります。
まずコピー取引の危うさです。上位トレーダーをコピーしても必ず利益が出るわけではなく、マーケット状況の急変で先行者が突然損失を被るケースもあります。コミュニティ内でも「単一のトレーダーの真似だけでは脆い」という指摘がなされており、フォロワーへのリスク教育が課題になるかもしれません。
Shareは2025年にセキュリティ会社Blockaidと提携し、フィード上に流れる詐欺トークン(ラグプル・ハニーポット)のコピー取引を保護する機能を導入していますが、取引リスク自体を排除できるわけではありません。
規制リスクも見逃せません。コピー取引機能が投資助言やシグナル配信と見なされる可能性があり、各国の規制に合わせた対応(KYC導入・地域制限)が必要になるかもしれません。Polymarket自体も2025年〜2026年にかけてポーランド・シンガポール・ベルギー・ポルトガルでアクセスが遮断されるなど、規制環境は流動的です。Shareもその影響を受ける可能性があります。
なぜ今注目すべきか
Blockworksは以下のようにコメントしています。
「ShareはCrypto Xのノイズを排し、他人が”実際に”買っているもの・売っているものを示す究極のアルファアプリになり得る」
これは本質的な指摘だと思います。Xでの取引情報は発言者の意図が介在し、ポジショントークが混じります。しかしShareが扱うのはオンチェーン上に刻まれた「事実としての取引」です。「このウォレットは本当にそう賭けている」という情報は、SNSの発言より信頼性が高いと言えます。
さらに、Polymarket自体が急成長している文脈も重要です。ICEからの20億ドル投資、月次70億ドルの取引高、45万人のアクティブトレーダーなど、予測市場はもはや「暗号通貨のニッチな賭けゲーム」ではなく、主要金融インフラの一角を担いつつあります。その公式ソーシャルレイヤーを独占しているShareは、予測市場の成長とともにその価値を高めるポジションにあります。
コピー取引を通じた「取引のコンテンツ化」「トレーダーのインフルエンサー化」というコンセプトも独自性があります。優秀な予測者がフォロワーを増やし、コピー取引手数料という新しい収益源を得る、これはweb3ならではのインセンティブ設計であり、現実世界では難しかった「予測能力そのもので稼ぐ」という仕組みを実現しています。
Polymarketが「予測市場の標準」となりつつある中で、Shareが「その上に載るソーシャル標準」となれるかどうか、注目していきます。
公式リンク:HP / X
«関連 / おすすめリサーチ»
免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中にDapps、NFT、トークンを紹介することがありますが、勧誘目的は一切ありません。全て自己責任で購入、ご利用ください。
About us:「web3 for everyone」をコンセプトに、web3の注目トレンドやプロジェクトの解説、最新ニュース紹介などのリサーチ記事を毎日配信しています。
Author:mitsui @web3リサーチャー
「web3 Research」を運営し、web3リサーチャーとして活動。
Contact:法人向けのリサーチコンテンツの納品や共同制作、リサーチ力を武器にしたweb3コンサルティングや勉強会なども受付中です。詳しくは以下の窓口よりお気軽にお問い合わせください。(📩 X / HP)
→お問い合わせ先はこちら









