【Echo Protocol】BTCをMoveにブリッジしたaBTCとMove初のLRTとなるeAPTを提供 / BTCとMoveを繋ぎBTCの収益機会を拡張 / @EchoProtocol_
BTCのL2から資金をAptosにブリッジし収益機会を拡大。
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「Echo Protocol」についてリサーチしました。
🟠Echo Protocolとは?
💧特徴的なトケノミクス
✨変遷と展望
💬BTCとMove(Aptos)が繋がる
🟠Echo Protocolとは?
「Echo Protocol」は、BTCエコシステムとMoveエコシステムを繋ぐプロトコルです。BTCのステーキングやリステーキングトークンをMoveにブリッジし、Move内でステーキングやリステーキングを行うことで収益の最大化をサポートします。
現在はBTCのL2であるB2 NETWORKから「Echo Protocol」にブリッジすることができます。将来的にはMerlin、BitlayerなどのL2やBabylon等のステーキングプロトコルと連携していくとのことです。
以下、「Echo Protocol」のユーザージャーニーです。
BTCをB2 NETWORKにブリッジしB2 BTCを取得
UnirouterでB2BTCをステーキングしuBTCを取得
Echo ProtocolでuBTCをブリッジしaBTCを取得
aBTCをMoveエコシステム内で運用
Echo Lendに預け入れで収益獲得
Move内の他のDeFiで運用
これが基本的な利用方法ですが、「Echo Protocol」ではさらにMoveエコシステム初のリステーキングを可能にします。ユーザーは上記のフローで取得したaBTCまたはAPTをEcho LSD (Liquid Staking Derivative)に預け入れることで、LRTであるeAPTを取得できます。
eAPT保有者はAPTのステーキング報酬を獲得しながら、eAPTをステークして、MoveVM AVSのコンセンサスメカニズムを保護および実行します。eAPTにより、独自のブロックチェーンインフラストラクチャを構築するMoveVMチェーンまたはプロジェクトは、検証とセキュリティのためにAptosを活用できるようになります。
整理します。
以下、エコシステムの全体像です。
BTC L2等からBTCをブリッジできる「Echo Bdidge」
ブリッジされたBTC「aBTC」
「aBTC」の預け入れができる「Echo Lending」
「aBTC」またはAPTを預け入れることでリステーキングに参加できる「Echo LSD」
LRTとなる「eAPT」
これらが「Echo Protocol」に存在します。
また、これらのフローを減ることで複数の利回りを獲得できます。まずはBTC L2を利用することによるポイント(L2側でのインセンティブプログラム)、資産をブリッジしaBTCを発行することによるEcho Points、aBTCを「Echo Lending」に預け入れることで最大10%の利回り、その利回りはAPTで獲得できるため、さらにEcho Validatorにステーキングすることにより7%の追加利回りを獲得できます。
整理すると以下になります。尚、「Echo Lending」の10%の利回りはEcho ProtocolがAptos Foundationと連携して追加インセンティブを貰っていることによるブーストされた利回りです。よって、おそらく期間限定での利回りとなります。
💧特徴的なトケノミクス
続いて、トケノミクスの説明です。独自トークンとして$ECHOの存在が明かされていますが、リサーチ時点では総供給量やアロケーションは公開されていません。
ただし、少し特徴的なトケノミクスが明かされていたので、そちらを紹介します。
$twECHO
ユーザーは$ECHOトークンをステークして、Echo Protocolの価値を蓄積するトークンである$twECHO (時間加重ECHO) を取得します。
Echo Protocolは、以下のような項目でさまざまな収入を確保します。
Echo上の$BTC LSTからのブリッジ手数料(0.2%)
Echoマネーマーケット収益(借入/貸出スプレッド、清算)
Echo LST料金
Echo Protocolは、各ユーザーの$twECHO保有量の重みに応じて、各エポックにわたって収益を分配します。
$twECHOの量は次のように計算されます。
x = Echo でロックされる日数 (最小 1 日、最大 365 日)
y = Echoにロックされている$ECHOトークンの量
各ロックサイクルの最大期間は1年であり、ユーザーは再ロックによって手動でロックを延長する必要があります。$twECHOは365日で減少し、ロックが完了すると、ユーザーはロックされた$ECHOを償還できるようになります。
要はトークンをステーキングするとネイティブ報酬がアロケーションから配布されるのではなくて、保有量と期間に応じた$twECHOが配布され、プロトコル内の収益を原資に報酬が分配されるというわけです。
$vetwECHO
さらに、ユーザーは$twECHOをロックして$vetwECHOを取得することで、Echo Protocolのガバナンスに参加できるようになります。$vetwECHOは取引できず、Echo Protocolのオンチェーン提案に対する投票権として機能します。
$vetwECHO には、CurveDAOに似たゲージ加重投票メカニズムを通じて、エコーがサポートする各貸付プール全体に$ECHO発行を誘導する機能があります。ユーザーは$vetwECHOトークンを使用して特定の貸付プールに投票し、貸付プール内の資産に対する$ECHOインセンティブを高めることができます。
Echo Fuel
Aptos上の$aBTCの流動性を高めるための継続的なプログラムです。他のAptosエコシステム全体のDEXで$aBTCに流動性を提供しているユーザーに報酬を与えます。
ユーザーは、Echoのホワイトリストに登録されたDEXに流動性を提供してLPトークンを受け取ります。続いて、ユーザーは、EchoでLPポジションをステークして、トークン発行の収益を得ます。この際の重みづけはLP保有量とtwECHO保有量によって決定されます。
Echo Points
BTCのブリッジ、レンディングへの預け入れや借り入れ、LSDへのステーキングによってポイントを獲得できます。明言はされていませんが、このポイント数が将来的なトークン配布の対象になると考えられます。
まとめ
アロケーションが公開されていないので予想になりますが、この説明を見る限り、Echo Points保有者とEcho Fuel対象者がトークンのエアドロップ対象者となりそうです。
そして、発行されたトークンをロックすることで収益の確保が可能で、さらにロックすることでガバナンスへの参加が可能になるトケノミクスで、エアドロップ後の供給量のコントロールにかなり重点を置いた形であることがわかります。
✨変遷と展望
Echo Protocolはすでにメインネットは公開されていますが、現在はホワイトリスト登録者向けの公開となっています。ただ、こちらはもうすぐ終了するキャンペーンであり、その後の公開スケジュールは不明です。
リリースされたのは7月でEcho Bridgeが公開されました。その後1ヶ月で約2,000BTCがブリッジされました。現在のTVLは$286Mです。
また、10月にはSpartan Group、ABCDE Capital、Maelstrom Fund、Selini Capital、Web3Port、Auros、Presto Labs、Sats Ventures、Aptos、Movement Labs、B² Networkなどのトップ投資家からのプレシードラウンドを終了しました。
💬BTCとMove(Aptos)が繋がる
最後は考察です。
Babylonのメインネットローンチによって、BTCステーキング市場が盛り上がってきており、BTC Fiと呼ばれる領域の勢いが増しています。元々BTCを保有する人は大量にいましたが、安全な運用先がありませんでした。そこの資金に対しての追加利回りの提供ということで、多くの投資家が興味を持っている状況です。
基本的にはBTC L2などのBTCエコシステム内で盛り上がっていますが、今回リサーチしたEcho Protocolのように外部エコシステムと繋げるプロトコルも出てきています。Babylon自体もCosmos SDKで構築されたL1チェーンなので、外部エコシステムとの繋ぎ込みと言っても良いかもしれません。
その中で、BTCとMove(Aptos)を繋げるEcho Protocolはかなり伸びそうですね。そもそも現在のAptosはTVLがここ数ヶ月で急増しています。現在のTVLが$824Mで、Echo Protocol内のEcho Lendingはすでに4位にランクインしています。(Echo Protocolはブリッジも含むのでAptos上だけのTVLではなく、ここではEcho Lendingに限定して書かれています)
Aptos Foundationと提携して追加インセンティブを設けているということは、Aptos側も推進したいプロトコルであり領域のはずです。さらに、BTCからのブリッジだけでなく、Aptos内でのリステーキングプロトコルでもあり、まだLSDの機能はローンチされていません。ブリッジのキャップが外れ、LSD機能もローンチされ、エアドロップキャンペーンが本格的に始まると、一気にAptos内のTVL1位になってもおかしくありません。
懸念はやはり何十にもブリッジした資産なので、セキュリティリスクが増加してしまう点でしょうか。BTCの大口保有者は追加利回りがなかったとしても暗号資産の中では安全な資産としてBTCを保有している人が多いはずです。運用できなくても価格パフォーマンスでのリターンが得られたら大丈夫で、むしろハッキング等での損失リスクを考えるはずです。なので、BTC Fiが加速していく中でその安全性は今後の懸念として問われる箇所になってくるはずです。
ただ総じて、巨大な時価総額を誇るBTCエコシステムが遂に運用され始め、他のエコシステムにも流れていくようなトレンドはなくなりそうにはないので、今後出てくるプロトコルも追いかけていきたいです。
Echo Protocolもアロケーションが公開され、LSDやリステーキングの仕組みが公開されたタイミングで改めてリサーチして、面白そうであればまた記事にします!
以上、「Echo Protocol」のリサーチでした!
🔗参考/画像引用先:HP / DOC / X
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Author:mitsui @web3リサーチャー
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