【Bluwhale AI】分散型AIパーソナライゼーション・プ ロトコル / ウォレット情報を提供し報酬を獲得 / SBIが主導するシードラウンドで700 万ドルを調達 / @bluwhaleai
マーケティングから分析やインテントへ発展する
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「Bluwhale AI」についてリサーチしました。
«目次»
🐳概要|Bluwhale AIとは?
⚙️機能|ウォレット分析で可視化
💰変遷|SBIが主導、700 万ドルの資金調達を完了
💬展望と考察|マーケティングから分析やインテントへ発展
🐳概要|Bluwhale AIとは?
「Bluwhale AI」は、AIを活用してweb3時代のパーソナライゼーションを実現するプロトコルです。分散型AIパーソナライゼーション・プ ロトコルと呼ばれています。
現代において顧客それぞれに対するパーソナライズされた体験を提供することはアプリケーションにおいて必須の要素となってきていますが、最適なパーソナライゼーションには膨大なデータが必要です。現状、それらのデータは巨大IT企業が保有しており、小規模事業者や新規参入者は不利な立場にあります。
特にweb3の時代においては情報に透明性があり相互運用性のあるデータ共有とパーソナライゼーションが求められます。
そこで「Bluwhale AI」はウォレットを分析することでそのユーザーのプロフィールを作成することでユーザーデータを可視化します。そこに対してweb3企業がアプローチできるようになり、ユーザーは提供したデータに応じて報酬を獲得します。これらを分散型で透明性高く実現し、AIによってその精度を向上させます。
⚙️機能|ウォレット分析で可視化
まずはユーザー目線での機能を紹介します。
ユーザーは自身のウォレットを繋ぐことで自身の情報が可視化されます。
そして、企業側はそれらのプロフィールを確認してメッセージを送ることができます。ユーザーはそのメッセージの情報を確認でき、また自身と似たウォレット情報やプロフィールを見にきたウォレット情報の確認もできます。
web3企業側も自身のプロフィールを設定でき、ユーザーが登録したウォレットデータによって自プロトコルのユーザーデータが一覧で可視化できます。
このユーザーデータの可視化とプロトコルデータの可視化によって、各ユーザーの好みを分析し、パーソナライゼーションを実現します。
ウォレット所有者とつながりたいと考えているweb3企業は、安全で、オンチェーンで、動的に価格設定されるメッセージを通じて簡単につながりを築くことができ、ウォレット保有者は人気に応じて報酬が与えられます。
💰変遷|SBIが主導、700 万ドルの資金調達を完了
「Bluwhale AI」は2023年10月に公開され、現在オープンベータ版の AI プラットフォームを使用するためにすでに180社の企業が登録しており、2 億 7,000 万以上のウォレットにインデックスを作成しています。
そして、2024年3月11日にシードラウンドで700万ドルの資金調達を発表しました。このラウンドはSBIが主導し、SBI Ven CapitalとSBI Decima Fund、Cardano、Momentum6、Primal Capital、NxGen、Ghaf Capital Partners、Spyre Capital、Baselayer Capital、Haseeb Qureshiなどが参加しました。
尚、ファウンダーの2人は、スタンフォード大学とバークレー校の機械学習の専門家と元TikTok AIのベテランです。
💬展望と考察|マーケティングから分析やインテントへ発展
最後は考察です。
web3時代のDID構築やマーケティング利用のためにウォレットを分析する事例は多く存在します。「Bluwhale AI」はその中でかなりAIに力を入れています。AIの利用方法はパーソナライズされたマッチングエンジンやユーザーデータの可視化に利用されていますが、将来的にはweb3企業のユーザー分析やそれに基づく未来予測、またユーザーに対してはインテントでのユーザー体験の最適化を見据えているのではないかと考えられます。
HP上でも「予測ユーザープロファイリング」という言葉が利用されており、以下の説明がされています。
意思決定データの 80% 以上がユーザー中心です。私たちのコンテキストに基づく洞察により、Web3 でのユーザーの DApp とのインタラクションの「なぜ」、「何を」、「誰が」、「どのように」が明らかになります。
現在のAIの発展を見ていると、この先のサービスのすべての基盤にAIが利用されていくことはほとんど間違いないと感じていますが、AIの最適な利用にはデータ基盤が必須です。「Bluwhale AI」はそのデータ提供に対してインセンティブを設定し、ユーザーから安全な形でデータを提供してもらっています。
且つ、いきなり予測やインテントに進まずにまずは”広告”という最も需要がわかりやすい領域でサービスを提供しており、そこでユーザー数及びユーザーデータの拡大とマッチング先である企業数の増加を図っています。
そこから、収集されたデータとノウハウを元にAIによる分析・予測・インテントなどに展開していくのだと考えられます。
そして、おそらくその分析データやユーザーIDは相互運用性が可能な形で解放されるはずなので、「Parsonalization Layer」となる未来も大いに可能性があります。
よくスタートアップの世界でのピッチで「いずれ来る未来の選定」と「その未来における自社が勝てる理由」を分けて考え、伝えた方が良いと言われます。僕自身は名称は分かりませんが「Parsonalization Layer」のような機能は「いずれ来る未来」だと考えています。その未来において「Bluwhale AI」が勝ち残るのか分かりませんが、非常に楽しみに情報を追いかけていきたいと思います!
以上、「Bluwhale AI」のリサーチでした。
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