【AutoLayer】LRTfiへのゲートウェイアプリ / Arbitrum上の主要なLiquid Resaking Protocolへワンクリック投資 / 各プロトコルのポイントとAutoLayerポイントを獲得 / @AutoLayer
EigenLayerが爆発した後の主役になる存在かもしれません
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「AutoLayer」についてリサーチしました。
🤖概要|AutoLayerとは?
🟧トケノミクス|Deposit金額に応じてAutoLayer Point配布
📈変遷|リブランディングしてLRTFiへコミット
💬考察|ゲートウェイレイヤーは今後増加する
🤖概要|AutoLayerとは?
「AutoLayer」は、Arbitrum上の主要なLiquid Resaking Protocolへワンクリック投資ができるLRTfiへのゲートウェイアプリです。LRTやLSTへの投資とその後のDeFi運用(LRTFi)も1つのアプリ上から実施できます。
このようにアプリ画面から提携プロトコルへの投資が可能で、それぞれのプロトコルで獲得できるポイントの全てと「AutoLayer Points」も獲得することができます。
より細かな機能と特徴を見ていきます。
①ワンクリック投資
ユーザーは任意の資産から始めて、簡単なクリックだけでLRTへ投資することができます。「AutoLayer」が自動で資産をスワップし、各プロトコルへ投資します。現在、UniSwap、SushiSwap、Balancer Labs、Camelot DEX、 Yearn Finance、GMX などの主要な DeFi プラットフォームとシームレスに統合されているため、自動でスワップしたり、プロトコルへの投資が実現できます。
②各プロトコルの詳細な分析
「AutoLayer」では、さまざまな LRT および LST の多様な選択肢と、それぞれに関連するインセンティブを探索できます。特にEigenLayerでAVSでの利用が始まるとよりAPYが複雑化し、多様な金融商品が誕生します。「AutoLayer」はそれらを探索し、各プロトコルのAPYの算出ができます。そして、プロトコル間の資金移動もスムーズに行うことができるため、自身の最適な投資戦略に役立ちます。
③分析エンジン
ユーザー自身の資産運用状況を詳細に確認できます。
④AVS スコアリング
AVSが稼働し始めた後、それぞれのAVSが正しく稼働しているのかの判定は必要不可欠です。「AutoLayer」上のすべてのAVSについて、次の 2 つの指標に基づいてリスクスコアを作成します。
プロオペレーター TVL:この指標は、AVS に賭けた額を評価することによって、AVS への機関投資家およびプロのオペレーター (P2P、Ankr、Nethermind など) の関与を測定。この測定は、主観的な意見ではなく、専門家によって預けられた資金からの事実データに基づいてリスクプロファイルを生成。
コミュニティ TVL:この指標は、AVS が個人投資家から受けているサポートのレベルを定量化し、AVS を裏付ける個人の資金の量を把握し、AVSのリスクプロファイルを作成。
⑤自動複合
利回りを自動複合化し、AVS トークン/インセンティブを取得し、ETHに変換して再投資できます。自動で利回りが複利で回るストラテジーを構築可能です。
⑥ポイント取引
通常、ポイントはトークン発行される前は流動性はありません。「AutoLayer」は次のTGEまでポイントを収集し、各ユーザーのシェアを考慮して、すべての報酬トークンのラップされたバージョンをミントし、流動性をもたらします。
以上が主な機能と特徴になります。尚、一部まだ実装されていない機能も含みますので、現時点の機能は直接アプリページをご覧ください。
🟧トケノミクス|Deposit金額に応じてAutoLayer Point配布
「AutoLayer」では預入した金額に応じて「AutoLayer Point」を配布しています。
このポイントは将来的にトークンに変換されることが示唆されています。
トークンは「$LAY3R」と呼ばれ、合計32,000,000$LAY3Rが発行される予定です。細かなトケノミクスは発表されていませんが、「$LAY3R」は「AutoLayer」の中心となるトークンであり、ユーザーベースが成長するにつれて価値が高まり、その所有者に報酬を与えるユーティリティがあると書かれています。
「AutoLayer」は実行されるすべてのトランザクションに0.15%のプラットフォーム料金が適用されます。この操作は残りの初期トランザクションにバンドルされているため、ガスを消費しません。
このオペレーションで、市場で「$LAY3R」と「$ETH」を購入し、LAY3R/ETHペアに流動性を提供します。その後、LP トークンがユーザーのウォレットに送信され、それらの LP トークンを保持すると、時間の経過とともにさらに多くの「$LAY3R」を獲得できます。ユーザーが長く保有するほど、利回りは大きくなります。
つまり、取引時に手数料はかかりますが、その金額に応じてLPトークンが付与され、徐々に「$LAY3R」が付与されていく仕組みです。
📈変遷|リブランディングしてLRTFiへコミット
「AutoLayer」は2024年3月に発表されたプロジェクトですが、「Tortle Ninja」と呼ばれるDeFiプロトコルからリブランディングされました。
「Tortle Ninja」は2021 年にミームにインスピレーションを得たDeFiプロトコルとして当初考案され、2023年9月21日にArbitrum チェーン エコシステムに拡大して以来、当社は主要なプロトコルと統合してきました。
当初から思想と軸は変わらずですが、LRTゲートウェイとして進化する際に名前もブランドも変え、新しく生まれ変わりました。
そして、2024年4月にシードラウンドで250万ドルの資金調達を完了しました。このラウンドは多くのVCや20以上のエンジェル投資家が参加しました。
直近のロードマップとしては、「AutoLayer V2」のリリースを予定しており、以下のような機能が追加される予定です。
仮想オペレーターとボールトの作成
AVS ボールト マネージャー
AVS スコアリング
LRT スコアリング
自動複合とポイントリキッド化
スラッシングテストと報酬システム
LRTの新利回り戦略(元本と利回りを分離して利回りだけで再投資する)
💬考察|ゲートウェイレイヤーは今後増加する
「AutoLayer」とても面白い構想でした。僕自身、「EigenLayer」への投資には「Renzo」を利用していますが、Arbitrumチェーンから投資しています。ETHチェーンだとガス代が高すぎるのですが、ArbitrumなどのL2チェーンであれば気にするほどのガス代にならないので助かっています。
ArbitrumはDeFiのTVLが高く、エコシステムも充実しているので、LRTFiも充実しています。よって、ArbitrumからEigenLayerに投資することでガス代も安く、その後のLRTFiでの運用もしやすいため、個人的にArbitrumを選択しました。
「AutoLayer」はまさにArbitrum上でのLRTやLST、そしてLRTFiとLSTFiを全て1アプリから実施できるゲートウェイアプリです。個人的にかなり良いポジショニングであると考えています。EigenLayerで資金運用をしたいと思っても、自分でどのLRTから投資するのかを比較することも面倒です。それらが1アプリの中で比較できてそのまま投資できると使い勝手が良さそうです。また、Arbitrum上であればどんなトークンを持っていても勝手にスワップして自動投資してくれる仕組みも便利です。
一方ですでにEther.fi、Renzo、Kelpなどのプロトコルがひしめき合っている中で、「AutoLayer」の登場は遅いと感じる人もいるかもしれませんが、僕はそんなことはないと考えています。
今後「EigenLayer」のメインネットが稼働し、AVSへの投資利回りが正確に算出されるようになると、リスクとリターンを正式に見極めた後の投資家がこの市場に多く参入し始めます。その際の受け皿として「AutoLayer」は機能すると考えられます。
イノベーターで飛び込む人はUXが多少犠牲になっていても自身でリサーチして投資することができますが、後から参入するマジョリティ層は少々の手数料を支払っても良いから簡単に投資するUXを好みます。まさに「AutoLayer」は打って付けです。
このように、僕は今後web3がマスアダプションしていくにあたり「ゲートウェイレイヤー」と定義できる、ユーザーとプロトコルの設置面となるレイヤーが増えていくと考えています。最もわかりやすい事例はウォレット領域ですが、「AutoLayer」のようにDeFiゲートウェイも増えていき、これが各領域で進んでいくと考えます。
例えば、DePINゲートウェイが生まれ、自身のデバイス情報を入力すると対応可能なDePINプロジェクトと想定利回りを自動で算出してくれて、そのままワンクリックで投資できるようになると思います。
この到来はいよいよマジョリティ層にも広がり、UXが重要視されるような時代の到来であるので、とても楽しみです。
以上、「AutoLayer」のリサーチでした!
※公式/画像引用リンク:HP / X / DOC / Medium
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