【sound .xyz】楽曲NFTの販売&収集プラットフォーム / OpenEditionとLimitedEditionなど多様なミント方法でアーティストの新しい収益源を実現 / a16z主導のシリーズAで2,000万ドルを調達
音楽業界にゲーム業界のマネタイズを持ち込む!?
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「sound .xyz」についてリサーチしました。
«目次»
1、sound .xyz とは?
- 楽曲NFT(Sound NFT)の概要
- その他の機能
2、変遷と展望:シリーズAで2,000 万ドルを調達、音楽業界にゲーム業界のマネタイズを持ち込む!?
- 設立背景
- 資金調達情報
- 展望
3、考察:推し活とNFTの親和性と可能性
sound .xyz とは?
「sound」は、web3ネイティブの音楽ストリーミングプラットフォームです。アーティストは楽曲をNFTとして販売でき、コレクターはそれを収集することができます。これによってアーティストは新しい収益源を手にし、音楽だけで生活できる人が増えることに繋がります。
◼️楽曲NFT(Sound NFT)の概要
最も基本的な機能です。アーティストは自らの曲をNFTとして販売できます。公式サイトの中から好きなアーティストや楽曲を探し、自由に聴くことができます。その中で好きになった楽曲のNFTを収集します。(分散型ブログのMirrorのようなイメージです)
サイトは以下のようになっています。
気になる楽曲のページに行くと、「Forever Edition」と「Limited Edition」の2種類が存在しています。
「Forever Edition」はOpenEditionのイメージでいつでも個数無制限で無料(少量のガス代のみ発生)でミントできます。これはPOAPのようなもので、そのNFT内には音楽ファイルが含まれていません。アーティストのファンの証、応援として収集します。
「Limited Edition」は個数限定の有料NFTです。価格や個数はアーティストが自由に設定でき、購入者は限定盤として収集できます。さらに、「Limited Edition」購入者は「Own the Moment」と呼ばれる、楽曲中に一箇所にコメントする機会が与えられます。そして「Limited Edition」が全て完売した後にコメントした人の中で1名にだけ「Golden Egg」と呼ばれる1/1のNFTが付与されます。これは楽曲のオリジナルアーワークとなるNFTであり、世界に1つだけです。
こんな感じでコレクターの情報も楽曲ページで表示されており、トップコレクターや古くからのコレクターも一覧でわかります。「Forever Edition」も「Limited Edition」もNFTの中身は同じですが、ミントした日付やIDは異なるのでどのタイミングから応援しているのかを証明することができます。
尚、NFT保有者はアーティストとの限定チャットに参加したり、先行して新曲が聴けるなどの特典も存在しています。
また、チェーンはイーサリアムとOptimismで展開されており、プロトコルとしても存在しているため、APIやSDKとして外部アプリでsound基盤を利用して楽曲NFTを販売することも可能です。
ここでは詳しくは解説しませんが、NFTはERC721Aで発行され、メタデータの部分をカスタマイズできるようにモジュール形式となっています。
◼️その他の機能
①リスニング パーティー
新曲をリリースするタイミングでのお祭りミント機能です。曲がアップロードされるタイミング前にサイト上には公開され、カウントダウンが表示されます。その間は事前アクセス権を保有するファンだけが視聴でき、アーティストとファンは同時にリリースをお祝いします。これは楽曲のリリースの瞬間を盛り上げるための機能です。
soundリリース初期に存在していた機能で、一時なくなりましたが、2023年11月にコミュニティからの要望を受けて改めて復活しました。
②キュレーション機能
コレクターは自身が好きな楽曲やアーティストの曲への紹介リンクを作成することができます。このリンクを外部SNSへシェア、サイト内部のフィードへシェア、紹介曲を含めたプレイリストの作成ができます。
そして、このリンクからNFTがミントされた場合、一次販売時のみ5%の販売収益の分配が得られます。
③Magic Uploads
2023年11月、アーティストはメールアドレスによるアカウント登録だけで楽曲のアップロードとNFTによる販売が可能になりました。ガス代不要、ウォレットアドレスも不要です。
ウォレットソリューションのMagicを利用することでメールアドレスだけでウォレットを作成し、ガス代も事業者負担で行うことを実現しました。
変遷と展望:シリーズAで2,000 万ドルを調達、音楽業界にゲーム業界のマネタイズを持ち込む!?
◼️設立背景
soundは2021年12月にリリースされました。その背景にあるのは音楽業界にある課題感です。
現在の音楽業界はマネタイズの仕組みが崩壊しており、音楽で生計を立てているアーティストはわずか 0.1% です。音楽ストリームの90% が上位 1% のアーティストに流れており、まったく聴かれることのない曲が多くあります。ストリームごとに約0.003 ドルの報酬しか支払われず、Spotify には800万人のアーティストがいますが、ストリーミングだけで生活賃金を稼いでいるのは7,800人だけです。
この状況を解決するためにweb3の技術を活用したプラットフォームを構築しました。
参考にしたのはゲーム業界です。
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