【Magic】2,000万人に利用された一般ユーザー向けのウォレットSDK / PayPalベンチャーズ等から75億円の資金調達を完了
「Magic」は、アプリケーションと統合して、パスワードなしのweb3オンボーディングとマジックリンクを使用した認証を可能にする開発者SDKです。
おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
今日は「Magic」についてリサーチしました。
«目次»
1、Magic とは?
- 機能
- 料金
- 展望
2、ウォレットソリューションの普及が進む
Magic とは?
「Magic」は、アプリケーションと統合して、パスワードなしのweb3オンボーディングとマジックリンクを使用した認証を可能にする開発者SDKです。
要するに、一般ユーザーが使いやすいweb3ウォレットの機能を簡単に追加することができるSDK(開発ツール)です。Magicは次の10億人をweb3へオンボーディングすることを目的としています。
■機能
Magicは開発者向けSDKであり、簡単にウォレット機能を組み込めます。ウォレットの機能は以下のようなものになります。
メールアドレス、SNSログインなどが可能
法定通貨(クレジット、デビット)などでの決済が可能
秘密鍵はエクスポート可能
ガスレス取引が可能
20を超えるブロックチェーンに対応
また、その実装内容によって2種類のプロダクトが存在します。
○Magic Connect:Plug & Play Widget
上述したような簡単な機能を持ったウォレットをすぐに組み込めます。ブラウザ拡張機能、シード フレーズ、ダウンロードを必要としない Webベースの認証およびウォレットです。
○Magic Auth:White-label Wallets
よりカスタマイズされたウォレットを作成できます。Dapps専用のウォレットや既存のサービスや顧客データに組み込む形でウォレット機能を追加することも可能です。
また、これらのウォレットは1秒間に最大2,000のウォレットが作成可能であり非常にスケーラブルです。セキュリティ対策もしっかりとされており、数行のコードで実現可能となっています。
→ https://magic.link/ よりデモNFTのミントが可能です。
■料金
Magic Connect、Magic Auth共に月1,000ユーザーの利用(ウォレット作成+ログイン)までは無料です。月1,000以上5,000ユーザーまではユーザー当たり$0.05ドルの従量課金となります。それ以上はカスタムプランとなり要相談です。
また、基本利用の他に月額199ドルでプラスプランを利用でき、より高度なセキュリティやカスタマイズできる幅を広げることができます。
■展望
Magicは2018年に創業され、現在までに2,000万以上のユニークなウォレットを作成し、13万人以上の開発者によって利用されています。そして、2023年5月31日にPayPalベンチャーズを含めた複数のVCから72億円(5,200万ドル)を調達しました。
この先も10億人をweb3に参加させるために、より便利で簡単なプロダクト開発を推進していくと同時に拠点の拡大など、マーケティングにも力を入れていくとのことです。
ウォレットソリューションの普及が進む
ここからはリサーチしか感想を書きます。
よく「web3のマスアダプションにはより簡易的なウォレット作成が必要」だと言われますが、ここのソリューションが少しずつ揃ってきました。既存のWeb2アプリと同様にメールアドレスやSNSログインでウォレットを作成することが普通になってきました。
また、その機能を既存サービスに簡単に追加できるとなれば、大企業も既存サービスにNFT機能を追加することが可能になります。この普及によって、Web2サービスとweb3のNFTやFTがシームレスに溶け込み合い、マスに普及していくと予想されます。
そこで大切になってくるのは、やはり「コンテンツの質」と「活用事例」と「一定の普及率」だと感じます。
ウォレットが簡単に作れても、NFTを簡単に配布できても、要らないものは要らないので、人がそのハードルを越えられるようなコンテンツは必須です。また、活用事例と一定の普及率を通して、NFT利用がキャズムを超えることと、ある程度の成功の方程式が見えてくることも大切です。
そして、NFTはある程度普及しないと真価を発揮できないところもあります。相互運用性があっても使う場所がなければ意味ありません。多くの企業でウォレット機能が追加され、そこら中でNFTが配布されるようになった後にこそより便利になっていきますし、新しいユーザー体験の提供が可能です。
ただ、そこにいくには、やはり少しずつ活用事例を作り、成功例を出していくしかないのだと感じます。自分もそこに寄与できるように頑張ります!
以上、Magicのリサーチでした!
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免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中にDapps、NFT、トークンを紹介することがありますが、勧誘目的は一切ありません。全て自己責任で購入、ご利用ください。
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> → wallet.magic.link よりデモNFTのミントが可能です。
とありますが、わたしが確認した限りにおいて NFT は https://magic.link/ から Mint できました。Mint が済んだものが https://wallet.magic.link/ に表示されるようでした。
この繋がりでWeb3Authもリサーチ読みたいです。最近TicketMeやTechForwardとかも使ってるようです。TicketMeはUPBOND Wallet(裏側がWeb3Auth?)だったと思います。秘密鍵をシャミアの秘密分散法でチェーンで管理してたりするのでその辺りMagicとWeb3Authの比較とかあると活用判断しやすいんですよね。機会があればリサーチお願いします🙇♂️