【10/16(木)のweb3ニュース10選】BinanceがGopaxの買収を完了 / コインベースは上場ロードマップにBNBを追加 / Paxos、技術ミスを理由にイーサリアムで300兆ドル相当のPYUSDを誤って発行 etc..
10の主要ニュースを解説。
こんにちは.
web3リサーチャーのmitsuiです。
平日18時は主要ニュース10個ピックアップして解説します。
Krakenが開発したEthereum L2 Inkは、INKトークンをサポートするAave v3のホワイトラベルインスタンスであるTydroをリリース
OpenEdenのTBILLファンドがS&P Globalの「AA+」格付けを取得。トークン化された国債にとって決定的な瞬間となる
BinanceがGopaxの買収を完了、韓国の復活に道を開く
地元ニュースメディアMKの報道によると、Binanceは韓国の暗号通貨取引所Gopaxの買収を完了した
GopaxはBinanceが同取引所の過半数株式の67%を取得した後、2023年2月にこの申請を提出していたが、韓国の金融情報機関(FIU)は水曜日、2年以上の遅延を経て、Gopaxの主要幹部の交代を承認した
韓国当局はこれまでマネーロンダリングの潜在的なリスクを理由に買収の全面承認を遅らせていた
ポリマーケット、ユーザーが株価に賭けられるアップダウン株式市場を開始
Polymarket は、株価や指数の上昇/下降市場を追加し、ユーザーは、設定された時間までに株価やベンチマークが上がるか下がるかを賭けることができる
個別銘柄の方向性を予測市場のフォーマットに組み込むことで、個人投資家や仮想通貨ネイティブのユーザーは、証券口座を開設したり、証拠金取引を利用したりすることなく、株式に投機する新たな手段を得ることができる
上場手数料をめぐる業界の論争の中、コインベースは上場ロードマップにBNBを追加
コインベース・マーケッツは水曜日、BNBが公式上場ロードマップに追加されたと発表し、「マーケットメイクのサポートと十分な技術的インフラ」が整い次第、取引が開始されると述べた
同取引所がライバルの主力資産への支持を表明したのは今回が初めて
Krakenが開発したEthereum L2 Inkは、INKトークンをサポートするAave v3のホワイトラベルインスタンスであるTydroをリリース
Ethereum Layer 2 Ink は、分散型の借入と貸出を実現するために、Tydro と呼ばれる Aave のホワイト ラベル インスタンスをリリースする
Ink Foundationによると、このプラットフォームは「Ink上のDeFiの中核インフラ」として機能し、Krakenの中核となる集中型取引製品に統合される可能性があるという
OpenEdenのTBILLファンドがS&P Globalの「AA+」格付けを取得。トークン化された国債にとって決定的な瞬間となる
OpenEden の BNY が管理する TBILL ファンドはS&P Global Ratingsから「AA+f」のファンド信用品質格付けと「S1+」のファンド変動性格付けを取得
世界最大級の信用格付け機関2社から二重格付けを取得した初のトークン化米国債ファンドとなった
CloudflareはVisa、Mastercard、AmExと提携し、AIエージェント向けの決済システムを構築
Cloudflare は Visa、Mastercard、American Express と提携して、代理商取引の認証標準を構築
この動きは、x402 Foundation 向けの計画されている NET Dollar ステーブルコインと Coinbase との提携に続き、Cloudflare の暗号通貨関連戦略を拡大するもの
メタプラネット、企業価値が保有ビットコイン価値を下回る
メタプラネットの企業価値が、同社保有のビットコインの価値を初めて下回った
同社の企業価値は5,088億円となり、保有する30,823BTCの評価額5,234億円を下回り、mNAVは0.97となった
米NY市、デジタル資産・ブロックチェーン技術局を新設
米ニューヨーク市長エリック・アダムス(Eric Adams)氏が、市長室の下部組織として「デジタル資産・ブロックチェーン技術局(Office of Digital Assets and Blockchain Technology)」を設置
同局の新設は、デジタル資産とブロックチェーン技術の責任ある活用を促進し、ニューヨーク市の金融・テクノロジー分野における競争力を強化することが目的
米ETFへ資金流入加速、2025年は既に1兆ドル突破
米国を拠点とする上場投資信託(ETF)に投資家からの資金が急速に流入しており、今年これまでの流入規模は既に1兆ドル(約147.8兆円)の大台を突破した
ステート・ストリートによると、昨年にETFへの流入規模が史上初めて1兆ドルに達したのは12月11日
今年末の流入規模は最大1兆4,000億ドルと過去最高を更新するペースとなっている
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FlaunchはBase上の革新的トークンローンチパッドで、収益分配NFTやUniswap v4フックによる自動バイバックなどを通じて、作成者・投資家双方に公正な仕組みを提供する。
グループトークン機能では、中心となる「グループコイン」と複数のサブトークンを束ね、各トークンの取引手数料(例:10%クリエイター/70%ステーカー/20%オーナー)をETHで分配する。
🧵Pickup:Paxos、技術ミスを理由にイーサリアムで300兆ドル相当のPYUSDを誤って発行
🌱 ニュースの概要
パクソス(Paxos)は、PayPal のステーブルコイン PYUSD をイーサリアム上で「技術的ミス」によって 300 兆ドル相当を誤って発行(ミント)した後、すぐにその全量をバーン(焼却)したと発表した。
パクソス側は、これは内部技術エラー(内部転送プロセスで誤った桁数でミントされた)であり、セキュリティ侵害ではなく、ユーザー資金は安全との声明を出している。また、ミント → バーン処理は短時間で完了し、PYUSD のペグ(1米ドルに対する価値維持)も大きく崩れることなく維持されたと報じられている。
📗 前提知識
PYUSD(PayPal USD)
PayPal 提携のステーブルコインで、Paxos が発行主体。1 BTC や ETH と異なり、米ドルと連動するよう設計(ペグ型ステーブルコイン)。スマートコントラクトの操作ミス(桁数エラー等)
トークン発行プロセスでは数値(桁数、乗数、10ⁿ など)指定が非常にクリティカルであり、小さな桁ミスが桁違いの発行量につながるリスクがある。DeFi プロトコル相互作用リスク
ステーブルコインが大きくミントされると市場流動性や価格ペグに影響を与えうるため、他の DeFi プロトコルが保守的措置を取る可能性がある(例:トークン取引の一時停止など)。
👀 注目すべき点・詳細解説
桁ミス説の可能性
複数報道では、Paxos が「6 桁分余計にゼロを付してミントしてしまった」可能性を指摘しており、すなわち本来ミントすべき「300 百万(300 million = 3×10^8)」が「300 兆(3×10^14)」になった錯誤という見方がある。迅速な訂正とバーン対応
ミントからバーンへ移るまで、20 分から 30 分程度と報じられており、誤発行トークンは全量がバーンされたという。市場へのインパクトは限定的
発行 → 焼却のサイクルで流通量は実質的に変動しなかったため、ペグ崩壊は一時的な小幅の乖離にとどまった模様。信頼性・運用体制への疑問
こうしたミスは発行体のミス耐性やオペレーショナルリスク管理体制を問い直す材料となる。桁処理チェック、二重チェック体制、テスト環境の網羅度などが問題視される可能性。規制・監督の文脈での影響
ステーブルコイン発行体は金融規制当局の監視対象になりつつあり、こうしたミス事件は規制当局や立法者からの精査を誘発しかねない。
📈 今後の展望
Paxos の技術・運用体制強化
再発防止に向けた内部監査、監視システム改良、コードレビュー体制強化などが急務となる。他のステーブルコイン発行体への示唆効果
USDC や USDT 等の発行体も、技術的安全マージン、二重チェック体制、監査透明性に対するプレッシャーが強まる可能性。市場の信頼回復と透明性開示
ミスの公表、訂正対応、技術的原因の説明、利用者補償リスクの否定等を通じて、市場の信頼回復戦略が問われる。
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