5/8(木)のweb3ニュース10選
Sui上のゲーム特化型ステーブルコイン「Game Dollar」、年内ローンチへ、EthereumのPectraアップグレードをアクティブ化、ECB、デジタルユーロのユースケース検証へなど。
こんにちは.
web3リサーチャーのmitsuiです。
直近24時間の主要ニュースまとめになります。情報収集にお役立てください。
🟧アナリストによると、ビットコインは建設的な勢いで上昇し、一時99,000ドルを超えた
ビットコインは、前向きなマクロ経済シグナルと機関投資家の関心の高まりを受けて、99,000ドルを超えた
あるアナリストは、ビットコインが今後のセッションで10万ドルのラインを上回って推移すれば、史上最高値を再び試す可能性があると述べた
🟨バイナンス創設者CZ、トランプ大統領の恩赦申請を認める
バイナンスの創設者で元CEOのジャオ・チャンポン氏は、ポッドキャストインタビューで、トランプ大統領に恩赦を申請したと語った
バイナンスで効果的なマネーロンダリング対策プログラムを維持できなかったとして4カ月の懲役刑に服した後、昨年釈放された
恩赦を求めているものの、バイナンスのトップに復帰する意向はないと述べた
🇺🇸米国の銀行は顧客に代わって暗号資産を売買できるとOCCが発表
OCCは、国立銀行が顧客に代わって暗号通貨の売買注文を実行することが許可されていることを明確にした
同局は最近、銀行が仮想通貨関連の活動に従事する前に同局の承認を得ることを義務付けるという以前の立場を撤回した
🌈DoodlesはDOODトークン生成イベントに先立ち「New Blood」の資格について説明
間近に迫ったトークン生成イベントに先立ち、NFT プロジェクト Doodles は、「New Blood」が今後の DOOD エアドロップに参加する可能性があると説明
「New Blood」はオリジナルのDoodles NFTやその他のDoodles関連グッズを所有していなくても、Doodlesエコシステムに新たな参加者を呼び込むことを目的としている
Doodlesは、エアドロップ時にNew Bloodの割り当てを受ける9つのパートナーコミュニティを特定
これには、BonkBotの取引量上位50人のアクティブトレーダー、 Solana Mobileの2台目のデバイスを予約注文した個人、 Heliusのステーカー上位5,000人、ElizaOSの貢献者が含まれる
📈バイビットのビットコイン流動性はハッキング前の水準まで回復
バイビットのビットコイン流動性は、ハッカーがマルチシグ強盗でプラットフォームから15億ドル相当のETHを盗む前の2月に見られた水準まで回復した
研究者らは、機関投資家向けマーケットメーカープログラムの立ち上げがハッキング後の流動性を高め、個人投資家にとってより良い取引環境をもたらしたと述べた
🗳️ワールド・リバティ・ファイナンシャル、WLFI保有者への1ドルのエアドロップ提案の投票を開始
トランプ大統領が支援するワールド・リバティ・ファイナンシャルは、WLFIトークン保有者に少量の1米ドルのステーブルコインをエアドロップする提案に対するスナップショット投票を開始
同プロジェクトによれば、エアドロップの目的はオンチェーン配布システムをテストすることだという
🎮Sui上のゲーム特化型ステーブルコイン「Game Dollar」、年内ローンチへ
ゲーム開発企業プレイトロン(Playtron)が、ゲーム特化型ステーブルコイン「Game Dollar」を年内にローンチする計画を明らかにした
報道によると「Game Dollar」は、Sui上に構築されるとのこと
また、今夏出荷予定の携帯型ゲーム機「スイプレイ0X1(SuiPlay0X1)」を含む、プレイトロンが展開するLinuxベースのゲーム向けOS「ゲームOS(GameOS)」のゲームエコシステム全体における決済手段として機能するという
📦ECB、デジタルユーロのユースケース検証へ。70社参加のイノベーションプラットフォーム設立
欧州中央銀行(ECB)が、中央銀行デジタル通貨(CBDC)「デジタルユーロ」の発行に向けたプロジェクトの一環として、欧州の利害関係者と協力するためのイノベーションプラットフォームを設立したと5月5日に発表
プラットフォームには、小売業者、フィンテック企業、スタートアップ、銀行、その他の支払いサービス提供者など、約70の市場参加者が参加を表明しており、ECBと協力してデジタルユーロの支払い機能や活用事例の検証を行う予定
🇺🇸暗号資産を州財政に組み込む動き進む。米アリゾナ・ニューハンプシャーで法制化相次ぐ
米アリゾナ州にて、暗号資産準備金が、5月7日に正式に設立された
この設立は、アリゾナ州の法案「HB2749」の成立を受けてのものである
「HB2749」は、デジタル資産や暗号資産に関する未請求財産の取り扱いを明確化し、州としての管理体制を整備することを目的とした法律である
また、全米で初めて暗号資産を原資とする州のリザーブファンドを創設する内容を含んでいる
今回のアリゾナ州の動きは、米ニューハンプシャー州が5月6日に、州の公的資金の一部をビットコイン(BTC)に投資することを認める「戦略的ビットコイン準備法(HB302)」を全米で初めて制定したことに続くものである
おすすめ記事 ※1週間限定無料公開中
【factCheck】AIが正誤判定を行う分散型ファクトチェックプラットフォーム
2025年3月ローンチの分散型ファクトチェック・プラットフォームで、ユーザーは「事実か偽か」をUSDCで賭けながらAI判定を待つ予測市場モデルを採用。
SolanaとBase上で動作し、Privyによるソーシャルログイン・カストディアルウォレット生成対応でガスフリー利用が可能。
取引方法はプール型のDPM(手数料2.5%)とオーダーブック型のCLOB(テイカー手数料0.5%・メイカー無料)を両立し、手数料45%を紹介者、5%をマーケット作成者、50%をトレジャリーに配分。
創業者はプリトヴィール・ジャヴェリ氏、開発元はLoch, Inc.。AllianceDAOのアクセラレーション(ALL14)を経て約45万ドル相当の支援を受けており、今後AI+人のハイブリッド判定による分散オラクルの可能性を探る。
🧵Pickup:イーサリアム開発者は、UX、バリデータオペレーション、レイヤー2スケーリングを改善するために11の変更を含むPectraアップグレードをアクティブ化
🌱 ニュースの概要
2025年5月7日、イーサリアムはPectraアップグレードをメインネットに適用しました。これは2022年のMerge以来、最も大規模な実行層+コンセンサス層の統合アップデートで、合計11件のEIPを導入し、UX、バリデータ運用、レイヤー2スケーリングを一挙に改善するものです。
アップグレードはエポック364032(米東部標準時5月7日午前6時05分頃)にトリガーされ、事前のHolesky/Sepolia/Hoodi各テストネットでの検証を経て実装されました。
📗 前提知識
Merge以降の課題
2022年にPoWからPoSへ移行した後も、取引手数料の高さやトランザクション速度、ノード運営コストの増大、L2スケーリングの実行効率など、ユーザーやバリデータから改善要望が多く挙がっていました。
EIPの作用領域
実行層(Execution):スマートコントラクト機能、ガス計算など
コンセンサス層(Consensus):ブロック生成、最終確定性、ステーキング機能など
Pectraでは両層にまたがって改良が行われています。
👀 注目すべき点、詳細解説
Pectra導入の11件EIPは大きく3つのテーマに集約されます。
1. UX(ユーザー体験)の強化
EIP-7702(スマートアカウント機能):通常アカウント(EOA)がトランザクション実行時に一時的にコントラクト的振る舞いをする仕組みを追加。
トランザクションバッチ処理(トークン承認+スワップなどの複数操作を一回で実行)
ガス代スポンサー機能(dAppがユーザーのガス代を肩代わり)
リカバリ機能の簡易化
EIP-6110(バリデータ登録高速化):従来9時間(2,048ブロック)必要だったステーキングデポジットの有効化待ち時間を約13分に短縮し、バリデータ立ち上げを迅速化。
その他アカウント抽象化系EIP(トランザクション手数料計算の最適化など)
2. バリデータ運用の効率化
EIP-7251(ステーキング上限引き上げ):1バリデータ当たりの最大ステーク量を32ETHから2,048ETHに引き上げ。バリデータ数の増えすぎを抑制し、ネットワーク全体のリソース利用効率を向上。
EIP-7002(実行層トリガブルエグジット:Execution Layer Triggerable Exits):バリデータが合意を乱す際の強制退出(スラッシュ)を実行層からもトリガーできる仕組みを追加し、セキュリティモデルを強化。
EIP-6118等(チェーン再編時の保護機能強化)
3. レイヤー2スケーリングの推進
EIP-7691(ブロブスペース倍増):1ブロックあたりのBlob(データ可用性領域)数を6から12に倍増。L2用データアップロード容量を増やし、Rollupの取引コスト削減とスループット向上を実現。
EIP-4844関連調整:2024年のDencunで導入された「ブロブ取引」をさらに最適化し、ガス価格モデルやエンコーディング効率を微調整。
データ可用性サンプリングやキャッシュ戦略の改良(ノード負担軽減とL2レスポンス高速化)
📈 今後の予測
L2エコシステムの一層の成長
ブロブスペース倍増により、Optimism、Arbitrum、zkSyncなど主要L2の取引コストがさらに下がり、エンドユーザー・DeFi利用が加速すると期待されます。
UX改善の浸透
EIP-7702をサポートするウォレット(Metamaskなど)やdAppが順次対応。バッチ取引やガススポンサー機能が広がることで、新規ユーザーのオンボーディング障壁が低減されます。
バリデータ分散性とセキュリティ向上
ステーキング上限引き上げにより、運用コストを抑えた大口バリデータが増えつつ、中小バリデータも参加しやすいバランスが実現。ネットワークの分散性と耐攻撃性が強化される見込みです。
ETH価格への中長期的影響
アップグレード直後の小幅回復はあったものの、構造的改善の恩恵が市場に浸透するには数か月を要します。取引コスト低減とUX向上が進めば、DeFi流入が増え、中長期的にはETH需要増加要因となり得ます。
有料購読プランのお知らせ
月額10ドル(年額80ドル)でweb3の注目すべきユースケースやマーケットの情報が毎日届きます。投機的な情報ではなく、ユースケースを通してweb3の可能性を探ることを目的としており、実用的なweb3の可能性を知りたい方はぜひ購読ください。
免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中にDapps、NFT、トークンを紹介することがありますが、勧誘目的は一切ありません。全て自己責任で購入、ご利用ください。
About us:🇯🇵🇺🇸🇰🇷🇨🇳🇪🇸の5ヶ国語で展開されるweb3ニュースレターの日本語版。「1日5分でweb3をより深く学ぶ」をコンセプトに、web3の注目トレンドやプロジェクトの解説、最新ニュース紹介などのリサーチ記事を毎日配信しています。
Author:mitsui @web3リサーチャー
「web3 Research」を運営し、web3リサーチャーとして活動。
Contact:法人向けのリサーチコンテンツの納品や共同制作、リサーチ力を武器にしたweb3コンサルティングや研修なども受付中です。詳しくは以下の窓口よりお気軽にお問い合わせください。(📩 X / HP)
→お問い合わせ先はこちら