【Huma Finance】収入に基づいた融資を可能にするDeFiプロトコル / ETHDenver 2022で優勝 / シードラウンドで830万ドルを調達
Humaを活用して、収入と債権を裏付けとしたオンチェーン融資ソリューションを構築することができます。
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「Huma Finance」についてリサーチしました。
«目次»
1、Huma Finance とは?
- 背景
- ソリューション
- 存在するプール
2、変遷と展望:99%の人がDeFiを使えるようにする
3、考察:DeFiによる融資革命は多くの個人や起業家に力を与える
Huma Finance とは?
「Huma Finance」は、プライベート・クレジットを再構築するDeFiプロトコルです。Humaを活用して、収入と債権を裏付けとしたオンチェーン融資ソリューションを構築することができます。
◼️背景
ブロックチェーンによるスマートコントラクトの透明性と自動実行は、DeFiの成功に重要な役割を果たしており、この仕組みは金融市場にとっても革命的な意味合いを持ちます。
しかし、既存のDeFiでの融資ソリューションは暗号資産やNFTによる過剰担保(+オンチェーン履歴)による融資実行であり、あまりにも極端なユースケースに留まっています。これだけでは、現実世界の融資を全て代替することは到底できません。
そこで”Huma”はオフチェーンとオンチェーンの情報を元に、借り手の収入や資産、負債情報と返済意欲を組み込んだ融資プールの作成を分散型で実現します。
◼️ソリューション
プロトコルの概要は以下のようになっています。融資の仕組みの基本は通常のDeFiと同じく、流動性提供者(Liquidity Prividers)によってLending Poolが作られ、借り手(Borrowers)に貸し出されます。ですが、ここの与信判断プロセスが異なります。
出てくる用語を解説します。
①Decentrailized Signal Portfilio / DSP(分散型シグナル ポートフォリオ)
借り手の収入、資産、負債に関するシグナルへのアクセスを容易にするオープンプラットフォームです。この仕組みによって、オンチェーンまたはオフチェーンのソースから借り手の情報を収集できます。
例えば、以下の情報を収集できます。
オンチェーンソース
Gnosis SAFE、Circle Business Accountの支払い
Request Network、Utopia Labs、Coinshift、Superfluidなどの支払い/請求書
融資プールのポジション
ステーキング、マイナー、バリデーターの収入
ゲーム収入
NFTロイヤルティ etc…
オフチェーン
Plaid、Teller、Stripe、Quickbooks、Recurly などの残高、トランザクション、収益
Bill、Stripe、PayPal、Invoice2Go、Square、Zoho などの請求書
Pinwheel、Finicity、Argyle などの収入データ集計
Shopify、Amazonなどの販売データ
Experian API のような信用/負債データの集約 etc…
これらのデータは借り手のIDと紐付けられますが、暗号化されたIPFSベースのストレージが組み込まれているため、借り手に自分のデータに対する権利が与えられます。
②Evaluation Agent / EA(評価エージェント)
評価エージェントは、Huma プロトコルのリスク管理層です。彼らは、関連付けられているプールの引受決定に責任を負います。DSPに挙げられた借り手の情報へアクセスし融資決定の責任とリスクを負います。EAは第三者機関として存在しており、EAのステータスやパフォーマンスも公開されます。新たなLending Poolを構築した事業者は存在するEAのパフォーマンスを確認し、依頼します。
EAは流動性プールに一定以上の資金を預け入れる必要性があり(流動性プールに自身の資金があると返済されないことが自身のリスクに繋がるので審査が慎重になる)、報酬として流動性プールでの収益を一部受け取ることになります。
③Receivables(売掛金)
NFT の形で取得した売掛金を管理するインフラストラクチャであり、譲渡したり、債務を担保するために使用したりできます。
④Aura
信用の信頼性を取得、レポート、活用するためのレイヤーです。Auraはv1プロトコルの範囲外です。v2では、Huma はオンチェーンとオフチェーンのデータ ポイントを組み合わせた分散型レピュテーションシステムと統合されます。(今後実装予定)
◼️存在するプール
Humaは現在PolygonとCelo上で稼働しており、3種類の融資プールが存在しています。
新興国への融資を実行するDeFiプロトコルJiaと連携した融資プール、国境を越えた支払いを簡素化するArfと連携した融資プール、グリーンファイナンスを行うBSOSと連携した融資プールの3種類です。
Humaはこのように事業者が融資プールの作成を行うことができるプロトコルであり、借り手の与信判断を既存のDeFiプロトコルのようなオンチェーン履歴だけでなく、オフチェーン履歴も踏まえて行うことができます。その上で、流動性プールや返済はブロックチェーンを活用することで、効率的な融資実行と返済を実現します。
変遷と展望:99%の人がDeFiを使えるようにする
Humaはサンフランシスコを拠点とするスタートアップで2022年4月に設立されました。設立前の2022年2月には、「ETHDenver 2022」のDeFi部門のチャンピオンになりました。
Keep reading with a 7-day free trial
Subscribe to web3 Research JAPAN to keep reading this post and get 7 days of free access to the full post archives.