おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「Ekubo」についてリサーチしました。
«目次»
1、Ekubo とは?
- AMMとは?
- Starknetとは?
- Ekuboの特徴
2、変遷と展望:Uniswapから約18億円の出資を得る!?
3、考察:DAO間のパートナーシップが始まり、さらに強固なエコシステムが築かれていく
Ekubo とは?
「Ekubo」はStarknet上に構築されたDEXです。AMM(自動マーケットメーカー)の中でも集中流動性を採用することで、より効率的な資本効率を実現します。
とはいえ、よくわからない単語が並んでいると思うので1つずつ解説します。
◼️AMMとは?
AMMはAutomated Market Makerの略で、日本語では「自動マーケットメイカー」と訳されます。マーケットメイカーを、市場に流動制を提供する参加者のことです。マーケットメイカーが存在するお陰でトレーダーは自分が好きな取引を好きな時間にすることができます。これを第三者の存在なしに自動で行える機能がAMMです。
AMMと反対で語られる仕組みがオーダーブック方式で、これは売り手と買い手をその都度マッチングさせる仕組みです。これはマッチングされなければ取引が実現せず、売り手も買い手も好きなタイミングで取引をすることができません。
なので多くのDEXではAMMを採用し、流動性プールを用意することでトレーダーがいつでも取引ができるようにしています。
◼️Starknetとは?
「Starknet」はイーサリアムのスケーラビリティを解決するL2ソリューションです。これまでの企業評価80億ドルで、1億ドルを超える資金調達を行っており、非常に注目を集めています。
zk-Rollupを採用することで高速なトランザクションと安価なガス代を実現しています。また、独自のプログラミング言語のCairoを使用していることも特徴の1つです。
メインネットの他にStarkExという他のDappsが独自チェーンを構築できる仕組みも提供しています。これはdYdXがCosmosへの移行前に採用していました。
L2の中ではシェアは7位ですが、リリースされたばかりであり今後の発展が期待されています。
◼️Ekuboの特徴
さて、ようやくEkuboの説明に入ります。
EkuboはStarknet上に構築されたDEXで、主に下記の特徴を持っています。
集中流動性
高いガス効率
拡張機能
1、集中流動性
集中流動性とは流動性提供者として流動性を提供する際にその価格範囲を指定する仕組みです。これまでの仕組みの多くは無限流動性と呼ばれ、価格範囲が指定されませんでした。
流動性提供者は取引の度に手数料を貰えますが、特にステーブルコインでは取引される範囲はほぼ一定です。その際、広範囲に流動性を提供しても、トレーダーには1ドル付近の流動性しか利用されないため、それ以外の範囲で流動性が提供されていることは、非効率となります。
これを解決するために先んじて価格範囲を設定して流動性を提供できる仕組みが集中流動性です。UniswapでもV3から採用され高い資本効率があることが実証されています。Ekuboでもこの集中流動性を採用しています。
2、高いガス効率
EkuboはシングルトンAMMです。シングルトンとは全てのプールが単一のコントラクトで展開される仕組みです。これまでは各プール毎にコントラクトを展開していましたが、シングルトンではシングルトンコントラクトという1つのコントラクトが、全てのプールを持ちます。
全体で1つのコントラクトで展開されているので、スワップや転送等にかかるガス代が大きく削減されます。これはUniswapでもV4から採用されています。
3、拡張機能
サードパーティの開発者は、Ekubo上に構築されたアグリゲーターとインターフェイスと同じエコシステムに統合される、新しい種類のプールを作成できます。これらのプールは、オラクルなどの新機能、または指値注文やTWAMM 注文などの新しい注文タイプを実装できます。
ごく簡単にまとめると、Starknetでの高速トランザクションと安価なガス代に加えて、次世代のAMMの仕組みによって、更に早いトランザクションと安価なガス代、資本効率を実現するDEXということです。
ちなみにEkuboの名前の由来は2014年から2017年まで小学館の裏サンデーで連載されていた”モブサイコ100”に出てくるキャラクター”ディンプル”から取っているそうです。
変遷と展望:Uniswapから約18億円の出資を得る!?
Ekuboは2023年9月にメインネットのβ版がリリースされました。そして、10月にUniswapのガバナンス提案でEkuboへ約18億円の出資を提案しました。
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