おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「RWAトークン化の悲観的な未来予測」と題して、最近考えていることを書いてみます。今日書くことが必ずしも自分の意見というわけではなく、議論のネタとしてこういう考え方や進み方も可能性としてあり得そう?という話です。
盛り上がることは間違いない
“そもそもRWAトークン化ってなに?”という方は全てまとめた記事がありますので、まずはこちらを見ていただきたいです。
この記事でも具体的なデータを紹介しながら言及しましたが、web3におけるユースケースでRWAトークン化が現在最もホットな領域であることは間違いありません。そして、この先さらに拡大していくことも間違いありません。
最近のトレンドを見ているとRWAトークン化は主に2つの方向性で伸びているように思います。
金融機関がこれまで販売しているアセットをトークン化して効率化
一般企業がこれまで流動性を持たなかったアセットをトークン化して売買
1は株式や債券など、今も販売はされているアセットですが、それをトークン化した方が取引コストもスピードも安全性も向上するという方向性です。ここに関してはグローバルで活躍する金融系の超大手企業もすでに取り組んでおり、トークン化は「金融商品の未来だ」「全てはトークン化する」という発言をするCEOもいます。
↓昨日のニュースでも紹介しましたが、JPモルガンは顧客がトークン化された資産を担保として利用できるようにするブロックチェーンベースのアプリケーション「トークン化担保ネットワーク(TCN)」が初の取引を完了したとのことです。
2はポケカやスニーカー、お酒やカーボンクレジットなど、これまで非効率的に売買されていたアセットをトークン化することで、一気に流動性を追加するという方向性です。
↓昨日の10月12日にMagic EdenでポケカNFTの取り扱いが始まったことも話題となりました。
全てのアセットは流動性が高い方が価格が上がる傾向にあります。高級ブランドのアパレルはリセールができるので、結果的に安上がりになるということを聞いたことがある人もいるかもしれません。また、最近はスニーカーのセカンダリー市場が盛り上がっているので、スニーカーの一次販売の価格も高騰しています(最近下がってると聞いたことありますが)。
ポケカの盛り上がりも買取市場が盛り上がることで高額カードを買う安心感が生まれ、価格が上昇する結果になっています。ここにトークン化することで、更なる流動性を提供することになります。
なので、1と2のどちらの方向性でも更に盛り上がることは間違いありません。
悲観的な可能性
では、あえて悲観的な可能性を考えてみます。
①全てのRWAトークンがSTに認定される
株式や債券等、すでに金融商品であるものをトークン化した際に、ST(セキュリティトークン)となることは問題ありません。そりゃそうなります。
一方で、ポケカやカーボンクレジットなどのトークン化もSTに認定されることになると、ST発行の免許を持っている企業(≒有価証券を発行できる金融機関)でなければ発行ができなくなり、既存の多くの会社は運営停止となります。
ただ、すごくざっくり言えば、有価証券は”利益の期待が見込める権利をインターネット上の不特定多数の人が売買できる”ことが定義の1つだと思うので、ポケカのトークン化などは単純に売買しているだけなので、該当はしないとは思っています。普通にオフラインで売買しているのとさほど変わりはありませんので。
ですが、際どいラインにあるアセットは法規制によって変更される可能性があるので注意が必要です。
②全てプライベートチェーンに載る
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