おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
今日は「ZDX Finance」についてリサーチしました。
«目次»
1、ZDX Finance とは?
- 合成資産とは?
- オンチェーンでやることで何が良いのか?(合成資産のメリット)
2、ZDX Financeの仕組み
ZDX Finance とは?
「ZDX Finance」は、zAssetsと呼ばれる合成資産を生成することにより、ユーザーが株式や債券などの実世界の資産に似たブロックチェーン上のポジションを保持できるようにするDeFiプロトコルです。
上記の説明では何を言ってるのかさっぱりわからないと思いますので、噛み砕いて説明します。(細かい整合性よりもイメージの理解を優先して解説しますので、詳細を理解したい方は公式のドキュメントをご覧ください)
端的にいえば「合成資産を形成できるDeFiプロトコル」です。
■合成資産とは?
合成資産は、金融の世界におけるデリバティブ取引のオンチェーン版です。
デリバティブというのは古くから金融の世界に存在する取引の手法で、トレーダーが所有していないが売買したい株や債券を表しています。
例えば、”先物”というデリバティブ取引では、将来の決められた日(期日)に、取引の時点で決められた価格で売買することを約束する取引です。この株式(会社)が伸びると感じている場合、取引時点で株価100円だったものが1ヶ月後に150円になっていれば、150円分の株式を100円で購入でき、差分で儲けることができます。
さらにわかりやすくコーヒーの例も紹介します。
コーヒーの値段が毎日変わるものと仮定します。今日コーヒーチケットを100円で買えば、明日コーヒーが120円になっても、100円のコーヒーチケットと120円のコーヒーを交換することができます。すなわち、コーヒー(=原資産)の値段がどう変わっても、いつでも一杯のコーヒーと交換できるチケット(=派生商品)、それが「デリバティブ」商品です。
なんとなく、デリバティブのイメージがつかめたでしょうか。主に不確実な未来に対する約束の権利を売買することがデリバティブ取引であり、その権利をデリバティブと呼びます。
そして、合成資産はこの兼ねてから金融市場に存在していたデリバティブをブロックチェーンを使ってオンチェーン上で行うことを意味します。
■オンチェーンでやることで何が良いのか?(合成資産のメリット)
こちらはDeFiのメリットとも被る点がありますが、改めて解説します。そして、当たり前ですが、合成資産のメリットは、合成資産を形成できるプロトコルである「ZDX Finance」のメリットとイコールです。
ボーダレス
既存の金融取引市場は国境を超えた取引が難しい場合があったが、ブロックチェーンであれば、世界中どこにいても取引が可能。いつでも取引
市場の取引時間に関係なくいつでも取引取引手数料の削減
証券会社等の金融機関を挟まないので、取引手数料の激減透明性が高く検閲が可能
トランザクションが公開されており検証が可能で、不正な取引が起こりづらいトラストレスに参加可能
厳格な身分証明の手続きが不要になり、誰でも利用が可能になる譲渡や売買が簡単
少ない手数料でボーダーレスに取引時間の制限もなく、売買や譲渡が可能
つまり、既存のデリバティブよりも明らかに便利な取引がブロックチェーンを活用した合成資産であれば可能ということです。
このため、合成資産の領域はかなり期待がかけられています。
ZDX Financeの仕組み
では、改めてプロジェクトの解説に戻ります。
「ZDX Finance」は、zAssetsと呼ばれる合成資産を生成することにより、ユーザーが株式や債券などの実世界の資産に似たブロックチェーン上のポジションを保持できるようにするDeFiプロトコルです。
では、どのような合成資産を作れるのかというと、担保付債務ポジション(CDP)が構築可能です。CDPと名前は難しいですが、要するに担保付きの合成資産です。
以下の図がその説明ですが、ZDX Financeは現在はステーブルコインのUSDCを担保に入れることで、リアルな株価に連動する合成生産(zAssets)を生成できます。
図にあるように、テスラやアップルやGoogleの株価の変動をオラクル(オフチェーンデータをオンチェーンデータに連結される技術)で引っ張ってきて、価格が変動するzAssetsを生成できます。
わかりやすくいえば、テスラ株を使ったデリバティブ取引をDeFiのメリットを享受する形で実行できるということですね。
ZDX Financeはこれを実現するプロトコルです。
この仕組みを実現するために一般的なDeFiのような流動性プールやステーキングの仕組み等も用意されていますが、ここまで説明すると難しくなるので詳しく知りたい方はドキュメントをご覧ください。
また、ZDX FinanceのガバナンストークンZDXトークン (ZDXT) も存在し、下記の割合で徐々に分配(アンロック)されていきます。
プレシード投資家 1.56250%
シード投資家 16.66666%
LP ステーキング報酬 40%
ZDXT ロック報酬 10%
Treasury 15.77084%
チーム/アドバイザー 16.0%
そして、最後にロードマップを紹介します。
執筆時点ではドキュメントとHPが公開された段階で、今後にテストネットの公開とメインネットの公開へ移行していきます。
合成資産の領域はすでに盛り上がっているプロトコルも生まれつつあるので、ローンチを楽しみに待ちたいと思います!!
また、この記事は主に金融知識の紹介から入ったのでプロトコルの裏側の詳細に関してはほぼ説明していません。ユーザー目線で何ができるのかのイメージ理解とさせていただきました。
なので、テストネットやメインネットがリリースされたら、またプロトコル自体の解説記事も書くかもしれません!
現時点で詳細を知りたい方はぜひドキュメントやHPを読んでみてください。
以上、「ZDX Finance」の解説でした!
«参考リンク»
・HP:https://www.zdxfi.org/
・ドキュメント:https://docs.zdxfi.org/welcome/about
・Twitter:https://twitter.com/zdxfinance
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