【山古志NFT】世界初!!NFTによるデジタル村民が既存の住人を超えた村とは?
今日はデジタル住民票をNFTで発行することで地域おこしを行う「山古志NFT」についてリサーチしました。
おはようございます!
web3researcherの三井です。
今日はデジタル住民票をNFTで発行することで地域おこしを行う「山古志NFT」についてリサーチしました。
«目次»
1、山古志NFTとは?
2、なぜNFTの発行に至ったのか
3、山古志NFTは体験型デジタルツアー?
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山古志NFTとは?
新潟県長岡市にある山古志地域(旧山古志村)の有志住民「山古志(やまこし)住民会議」が発行したNFTです。
錦鯉をモチーフにしており、購入者は山古志村のデジタル住民としてその地域の復興に携わることができます。
https://opensea.io/collection/nishikigoi-nft
2021年12月にリリースされたこちらのNFTは徐々にその認知度を増していき、現在ではリアルの住人800名を超える900名以上の方がNFTを購入し、デジタル住民となっています。また、購入者の3割ほどは”初めてNFTを購入する方”で、「買いたいと思えるNFTがやっと見つかった!」という声も多く見られます。
特徴的な点として長岡市公認でのプロジェクトとなっており、行政からの助成金を貰い立ち上がり、全面的なバックアップを受けています。そのため、既存の住民にもNFTを無料配布する動きも活発に行なっており、ウォレットの説明やNFTを説明を住民に対しても積極的に行なっております。
また、2022年2月に「山古志デジタル村民 総選挙」が開催されました。これはデジタル村民から山古志を盛り上げるアクションプランを募り、投票によって当選したプロジェクトの活動予算として、NFTの第一弾セールの売上の約30%を充てるというものです。
現在、総選挙で選出された4つのアクションプランが進行しています。例えば、「デジタル村民が山古志村を訪問してその体験をnoteに書く」「山古志村が世界で一番NFTを所有する村になる」といったものです。
このようにNFTを発行したデジタル村民がかなり機能している世界初の取り組みが山古志NFTです。
なぜNFTの発行に至ったのか
詳しい経緯は公式noteをご覧いただければと思いますが、端的に言えば「人口800人の限界集落となった山古志地域を存続させたい」という願いの末にNFTに辿り着きました。
山古志地域(旧山古志村)は、冬は積雪量が3mになる豪雪地帯であり、平らなところがほぼない起伏の激しい地形、厳しい自然環境と共生してきた地域です。今では世界中に愛好家が増えている「錦鯉」発祥の地でもあります。
17年前、この地を中越大震災が襲い、一時は全村避難になるほど、壊滅的な被害をもたらしました。震災発生当時約2,200人いた地域住民は、今や約800人となり、高齢化率は55%をこえ、地域は消滅の危機にあります。
https://kyodonewsprwire.jp/release/202112144913
そんな山古志村は、2004年の中越地震の前から、翌2005年の4月に長岡市に編入合併することが決まっていました。その後震災があり、村民はみんな仮設住宅に入居したのですが、その頃から既に「山古志に帰ったあとにどういう地域づくりをしたいか」という議論を集落単位で始めていました。
その延長線上で、旧山古志村のくくりで、山古志のアイデンティティを持ちながら地域を作っていくことを目的とした任意団体”山古志住民会議”が2007年に設立されました。
そこから非常に多くの取り組みを続けた結果、現在のNFTにたどり着きました。
下記、取材記事の中からの引用です。
特に人口減少という課題を解決するために、本当にありとあらゆることをやってきましたね。ツーリズム事業はもちろん、移住やサテライトオフィスの誘致、インバウンドや情報発信にも取り組んだのですが、その中で「もうこういうことじゃないな」という感覚があったんですね。
これだけがんばっても、800人の村の人口がいきなり倍になる、なんてことは起こらないし、何かが劇的に変わる可能性はほとんどないな、と。
であれば、山古志の人間だけではなく、外にいる共感者を仲間に加えて、共同体のように一緒に新しい山古志を作っていきたいと考えました。ただ、どういうシステムやツールがあればそれを成し遂げられるのかわからず、色々な事業者さんに相談もしましたが、なかなかうまくいかなかったんです。
メタバースなどの先端技術の活用も検討する中で、林さんにも相談させていただいたところ、教えていただいたのがNFTでした。その後、ダメ元で申請した国の交付金をいただけることになり、このプロジェクトに挑戦できることになりました。
このプロジェクトの最大の特徴は行政の全面バックアップを得ているところですが、実はその裏には2007年からずっと活動しているとい信頼と、常にトライアンドエラーを繰り返した文化があったからだと納得しました。
ただ、最初に「NFTを活用する」という案をご提案したときは、正直不安だったんですよ。果たして、理解していただけるのかなと。
でも山古志って、ちょっとクレイジーな部分があるんです(笑)。震災を経て、もうやれるだけのことはとにかくやりまくってきた、という突き抜けているところがあって。
だから、ファーストペンギンになれたのかなと。これを他の自治体や地域に提案してやれたかと言うと、やれなかったと思います。
現在もデジタル村民を積極的に受け入れているので、興味がある方はぜひ買ってみてください!
https://nishikigoi.on.fleek.co/
山古志NFTは体験型デジタルツアー?
NFTがNon-Fungible-Tokenであることは全世界共通の定義ですが、もっと現実に即した定義は全世界的に模索している所です。あくまでNFTは技術であって、大切なのはそれを以て何を成したいかです。
山古志村のNFTは「NFTとは何か」を改めて考えさせられます。
・NFT購入したことなかったけど、初めて購入しました!
・初めて購入したいと思えるNFTに出会えました!
こういった声が多数生まれているからには、そこにニーズが存在しているからです。そして、購入後の転売もほとんどないそうです。つまり、その想いに共感して応援で購入する人が多いのだと思います。
色々ひっくるめて考えると、山古志NFTは「体験型デジタルツアー」のようなものだと感じました。
NFTはあくまでそのチケットに過ぎず、購入すれば「街作り体験ができる」オンラインで完結する、そういうパッケージツアーです。
今後NFTホルダーの人が山古志に気軽に来れるようにオフライン施設やイベントも積極的に作っていきたいと明言されていたので、そこが出来上がればさらにツアーパッケージが充実します。
既存の有名NFTプロジェクトだけを見ていると、あまり出てこない発想でしたが、NFTはあくまで技術であることを忘れてはいけませんね。既存の何かのビジネスをNFTを絡めることでより良いユーザー体験にできたり、新しいビジネスが創出される余地があることを考えさせられました。
例えば、音楽ライブのチケットをNFTで販売することで、開始前の状態(会場の選定やリハーサルの様子を閲覧など)から楽しめて、”一緒に作り上げる”までを含んだライブチケットになり得ます。NFTであることで転売も容易にできるし、投票権と紐づけられるので一緒に作る体験がよりしやすくなるわけですね。
NFTのあり方を改めて考えさせられた機会になりました!
僕も地方出身者として村おこしに興味があるので、山古志NFTがとても気になりました。購入検討してみます。
以上、記事が面白いなと思った方はぜひ「アドレス登録」と「SNSでシェア」をしていただけると嬉しいです。引き続きweb3をリサーチしていきます。
おわり。
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