【Vana】データ主権とユーザー所有のAIデータレイヤーのための初のオープンネットワーク / DateDAOを構築 / YZi Labsが出資しCZがアドバイザーに就任 / @vana
EVM互換の独自のL1ブロックチェーンを構築し、ユーザーデータの分散管理とAI活用を実現します。
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「Vana」についてリサーチしました。
🔵Vanaとは?
⚙️DateDAO/データ流動性プール(DLP)とは?
🚩変遷と資金調達情報
💬分散型AIモデルは主流となるか
🔵Vanaとは?
「Vana」は、ユーザー自身のデータに価値を見出し、「データの所有権」と「AIモデルの訓練への活用」を両立させることを目指すプロトコルです。EVM互換の独自のL1ブロックチェーンを構築し、ユーザーデータの分散管理とAI活用を実現します。
具体的には、従来は大企業が独占していた個人データをユーザーの手に取り戻し、それをトークン化された資産として扱うことでAI時代の新たなデジタル資産を作り出します。これによって、ユーザーは自分のデータのプライバシーと所有権を維持しながら収益化でき、AI企業や開発者もユーザーから許可を得たデータで高度なAIモデルを構築できる関係を実現しています。
Paradigm、Coinbase Ventures、Polychain Capitalといった著名VCから総額2,500万ドル(約37億5千万円)の資金調達を実施しており、直近2025年2月にはバイナンス共同創業者のCZ氏がVanaのアドバイザーに就任、さらにYZi Labs(旧Binance Labs)からの出資も受けたことで一気に話題となりました。
技術詳細は後述しますが、まずはその大枠の仕組みを解説します。
データ収集/提供:ユーザーは従来の中央集権プラットフォーム(SNSや遺伝子解析サービス等)から自分のデータをエクスポートし、個人のサーバーや暗号化された環境に安全に保管します。データの所有権はあくまでユーザー本人にあり、いつ・どのように自分のデータを使うかを自ら決定できます。
データプールの作成: 複数ユーザーの提供したデータを集約し、安全に共有するためのプールを作成します(後述しますが、これをデータ流動性プール(DLP)やDateDAOと呼びます)。ユーザーはデータをこのプールに提供し、価値のあるデータセットを共同で形成します。データは提供後も暗号化状態が保たれ、セキュアエンクレーブや暗号学的証明といったプライバシー保護技術によって検証・利用されます。
データのトークン化:データ提供者には、自身がプール内で占める貢献度を表すトークンが付与されます。この「データトークン」は各ユーザーの貢献度と権益を記録し、データセットの価値創出に応じた報酬分配を実現します。つまり、自分の提供データがAIモデルの精度向上などに寄与すればするほど、保有トークンを通じてより大きなリワードを得られる仕組みです。
AIモデル訓練への活用:AI開発者や研究者は、Vana上のスマートコントラクトを介して必要なデータセットにアクセスし、AIモデルの訓練を行います。この際、データ提供者側には自分たちのデータがどのようなモデルに使われるか透明性が確保され、かつそのモデルが生み出した価値(例えば高精度モデルの商用利用収益)に応じた報酬が分配されます。
このプロセスによってユーザーはデータを提供し、提供したデータ量や利用状況に応じて報酬が付与されます。そして、各データプールはDataDAOと呼ばれ、独立して存在し、それぞれのデータトークンによって分散型ガバナンスで統治されています。
DataDAOはデータ提供者や利活用者たちで構成され、プール内データの利用ポリシーや検証ルール、報酬配分ルールをコミュニティで決定します。トークン保有者(データ提供者)は投票を通じて意思決定に参加し、自分たちのデータが望まない用途に使われないようにしたり、より有益な形で使われるよう提案することができます。
では、より詳しいDateDAOの仕組みを見ていきます。
⚙️DateDAO/データ流動性プール(DLP)とは?
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