おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
今日は「Unlock」についてリサーチしました。
«目次»
1、Unlock とは?
- 設立背景
- Unlock DAOとUnlock Discount Token ( UDT )
- その他
2、サブスクのNFTメンバーシップはユースケースが多いはず
Unlock とは?
「Unlock」は有効期限つきのNFTメンバーシップを簡単に発行できるプロトコルです。
独自コントラクトを用いて、無料or有償のメンバーシップNFTの発行、NFTホルダーに対してのトークンゲートの発行が可能です。メンバーシップNFTはサブスクと同様に定期的な支払い設定も可能です。そして、有償メンバーシップはクレジットカード購入も可能となっており、どんな人にも優しい仕様になっています。
通常のメンバーシップの発行と管理に加え、イベントのNFTチケットの発行やその後のメンバーシップNFTとして機能、Twitterのフォロワーへ向けてメンバーシップNFTを発行できる「Flocker」など、複数のユースケースが存在しています。
ちなみにHPかDiscordに参加するとデモとして、Unlock自体のメンバーシップNFTが無料で請求できるのでやってみました。こんなUXです。
■設立背景
インターネットの発展と共に、ユーザーのアテンションを集めて広告費でマネタイズするかというモデルが確立してしまった。
その結果、不適切な情報が溢れるようになり、一部のプラットフォームに広告費が集中することになった。
Netflix等のメンバーシップで成功する企業も現れたが、現在のメンバーシップは互換性を持たない。
そこでブロックチェーンを活用して互換性を持つメンバーシッププロトコルを開発することで、インターネットをより健全な形に戻す。
Unlockはあくまでプロトコルであるので、多くのインターネットユーザーが自由にメンバーシップを構築できる基盤となっていく。
■Unlock DAOとUnlock Discount Token ( UDT )
Unlockはプロトコルを目指しているので、DAOが存在しガバナンストークンとしてUDTの発行もしています。
Unlockを開発するUnlock Labというコアチームが存在しますが、Unlockの所有権はUnlock DAOに存在しています。
また、UDTはイーサリアムにデプロイされており、Unlockを使用する開発支援などに割り当てられます。
■その他
ThirdwebはBuenoなど、他のプラットフォームとの互換性もあり、メンバーシップNFTの発行や管理が可能。
WordPressアプリも存在しており、Unlockで作成したメンバーシップNFTの取得者限定の記事を書くこともできる。
ウォレットを保有してない人でもメールアドレスだけでUnlock walletを作成できる。
ForbesのメンバーシップNFTの発行やイーサリアムのデブコンなど、有名な団体でもすでに利用されている。
メンバーシップNFTは譲渡や売買も可能だが、SBT化して発行することもできる
以上、Unlock Protocolでした!
サブスクのNFTメンバーシップはユースケースが多いはず
ここからはリサーチした感想を書きます。
個人的に、こういったサービスないかなって探していました。Unlockの説明文の中にもありましたが「NFTは一度購入すると永遠にメンバーシップNFTとして機能してしまう」ものです。
これは悪いことではないかもしれませんが、問題が2つあります。
定期的な収入にならない
非アクティブなユーザーが残り続ける
1つ目も割と大きな問題で、基本的にNFTプロジェクトは一次販売での売上をすり減らしながらコミュニティ運営を行います。二次流通の手数料やグッズ販売などもありますが、それだけで人件費を賄い、ユーティリティとなる施策を打ち続けるのは至難の業です。
そして、2つ目も非常に大きな問題です。僕自身もそうなってしまっているコミュニティがあるのですが、一度購入したものの、保有だけしてコミュニティに参加していない人が多いです。
これも購入してくれただけでありがたい存在ではありますが、流動性も低くなりますし、アクティブではないメンバーが多いと、コミュニティ全体が非アクティブなんだというイメージがついてしまいます。
そこで、有効期間があり、かつ毎月定額のNFTメンバーシップを発行できれば、定期的な収入を見込むことができ、有効期限が切れたり解約すれば非アクティブなユーザーが残り続けることがなくなります。
しかも、Unlockはクレジットカードでの定期購入もサポートされているので、クレカで継続購入すると手に入るNFTメンバーシップを持っている人だけのDiscordコミュニティを作ることも可能になります。
NFT認証でロールが付与されるようにしておけば、課金が止まったりキャンセルされると自動でロールが外れるので、有料の方だけでのコミュニティが作れます。
この使い方は結構良さげな気もしますし、NFTを活用するユースケースが大きく広がります。
「え、それなら普通にStripeのサブスクで良くない?」という意見もあるかもしれませんが、それは上の設立背景で書いた「互換性」が理由の1つになります。
例えば、メンバーシップAに入っている人に対して、別の人が特典を自由に付与できるようになり、コミュニティ(DAO)間のコラボレーションが容易になります。現在はNetflix入ってる人にDAZNも見れるようにするには裏側の開発が必要ですが、そういった連携が非常に簡単になります。
また、いつ・どれだけの期間、そのサブスクを購入していたのかの証拠が残り続けたり、有効期間中のメンバーシップNFTの売却(例えば1年プランを購入していたけど、残り4ヶ月の時点でやっぱり辞めたいから残り4ヶ月を格安で売却するなど)が可能になります。
ちょっと自分でも色々とプロダクトを触ってみて、できそうなことがあれば、メンバーシップNFTやってみようかと思います!!
面白いと思った方はSNS等でシェアいただけると嬉しいです!
«参考リンク»
・HP:https://unlock-protocol.com/
・Twitter:https://twitter.com/UnlockProtocol
・Doc:https://docs.unlock-protocol.com/
免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中にDapps、NFT、トークンを紹介することがありますが、勧誘目的は一切ありません。全て自己責任で購入、ご利用ください。
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「NFTは一度購入すると永遠にメンバーシップNFTとして機能してしまう」ものです。
これは悪いことではないかもしれませんが、問題が2つあります。
定期的な収入にならない
非アクティブなユーザーが残り続ける
というのは重要な指摘(頭を悩ませる問題)と思います。もっとも、サブスクで定期的にお金を取るのもなかなか難しいですが。