【Unikura】リアルな商品(RWA)と紐づいたPhysical backed NFTのマーケットプレイス
日本人の連続起業家でもある原田さんが仕掛ける次世代のNFTマーケットプレイスです。
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「Unikura」についてリサーチしました。
«目次»
1、Unikura とは?
- 仕組み
- ユーティリティ
- ファウンダー
- ベータ版リリース
2、盛り上がるRWAのNFT市場
Unikura とは?
「Unikura」は、リアルな商品と紐づいたPhysical backed NFTのマーケットプレイスです。現実世界の資産のトークン化でもあるので、RWAのNFTマーケットプレイスと言い換えることもできます。
■仕組み
Unikuraを利用すれば、アート、スニーカー、トレーディングカード、伝統工芸品など、あらゆる商品を倉庫に預け入れ、その所有権だけを売買することができます。実際の商品を手元に置きたい場合は、所有権NFTをバーンすることで倉庫から商品を送ってもらうことができます。
利用するにはまず出品者が日本とシンガポールにある倉庫に商品を送ります。Unikura側はその商品を確認しトークン化します。尚、商品は世界クラスの収集品の保存に特化した環境で安全に保管されています。
そして、そのトークン化されたPhysical backed NFTをUnikura上に出品します。一次流通で購入された際の収益はもちろんのこと、二次流通で購入された際の金額の一部もロイヤリティとして出品者(Original Owner)に入る仕組みとなっています。
尚、商品の購入はETHでのみ可能で、世界中どこにいてもNFTの購入がスムーズに可能です。
■ユーティリティ
Unikura上のPhysical backed NFTを購入することで次のようなユーティリティを獲得することができます。
商品の所有権
コミュニティ参加権
イベント参加権
視聴権(倉庫にアクセスして所有するコレクションの閲覧が可能)
コレクションの引き換え権
所有権や引換券はもちろんのこと、Unikuraでは公式Discord上で保有するNFTに紐付けられたコレクションが属するカテゴリーのオンラインコミュニティに参加することができます。例えばポケモンカードのNFTを所有しているとトレーディングカードのコミュニティに参加でき、グローバルで同様の価値観を持つ人との繋がりを得ることができます。イベント参加券も同様です。NFT保有者にオフラインイベントの招待が送られることがあります。
Unikuraに出品してNFTを保有・購入することで、これらのユーティリティに加えて、自分で保管するコストを削減しつつ、コミュニティには所属できるという新しい体験を享受することができます。
■ファウンダー
Unikuraのファウンダーは日本人の原田大作さんです。
原田さんは、メルカリにMAされたブランド品オークションサイト「スマオク」を運営するザワットという会社のファウンダーです。MA後はメルカリに参画し、2018年4月には、メルカリの新規事業子会社ソウゾウの代表取締役に就任しました。
2022年7月にメルカリを退任後はエンジェル投資や千葉道場のフェローとして投資家として活動されていましたが、2023年からシンガポールに移住して今回のUnikuraの事業をスタートさせました。
また、運営会社であるVELVETTは今年の4月、シードラウンドで300万米ドルを調達したことを明らかにしました。このラウンドには、千葉道場ファンド、Kanousei Ventures、HIRAC FUND、W、mint、F Ventures、FLICKSHOTらのほか、名前非開示の複数の個人投資家が参画しています。
■ベータ版リリース
Unikuraは2023年8月31日にベータ版がリリースされたばかりで、現在はクローズドベータ版で運営されています。サイトは公開されていますが、購入ができない状態です。
このクローズドβテストは2023年9月29日まで開催され、期間中にNFTを購入するには「Unikura Genesis Pass」を獲得する必要があります。このGenesis PassはERC1155で発行されるSBTで、TwitterフォローやDiscord参加など簡単なタスクをクリアすることで誰でも取得できます。
Genesis Passホルダーはクローズドベータ版を利用できると同時に、現在出品中のNFTが30-50%OFFで購入できる特典も存在します。
CtoCのマーケットプレイスの運営やブランド品の扱いにも知見がある連続起業家の方のサービスということで、非常に楽しみです!
盛り上がるRWAのNFT市場
ここからはリサーチした感想を書きます。
RWAのトークン化は非常に盛り上がっています。雑な分け方ですが、RWA市場は株式や不動産等の金融資産のトークン化と、カード・工芸品・アート・時計などの価値ある商品のトークン化の2つに分類されるように感じます。
前者は完全にセキュリティトークンに該当するので免許事業になりますが、後者の物理的な商品に紐付けた”Physical backed NFT”のマーケットプレイスが続々と誕生してきています。
このマガジンでも「Courtyard」や「Americana」をリサーチしてきました。
尚、Unikuraは他のプラットフォームとの差別化ポイントの1つとして、「他のプラットフォームは他社制作のデザインをそのままNFT化している点で著作権侵害を指摘される可能性があるため、Unikuraは法的に問題が無いよう熟慮してシステムを構築した」とコメントしています。(引用:元ザワットの原田氏、NFTを使った実物を配送しないC2Cマーケットプレイス「Unikura」をβローンチ)
ここは想定になりますが、商品下のUnikura Phygital NFTは3Dで表現される所有権NFTのみとなり、実際の商品デザインを用いないと想定されます。確かに他のプラットフォームは商品を3Dスキャンしてそのまま3DデータをNFT化していることが多いです。
Unikuraは所有権をNFT化して、そのNFTをキーにすれば倉庫にある商品をいつでも視聴できるような仕組みにしています。
コレクションを倉庫に預け、その所有権だけをNFT化することは、売買する目的ではなく保存という考えでも理にかなっています。安全に風化することなく保管できますし、それを普通の倉庫ではなくNFT化できるプラットフォームで保管することで所有権の証明はいつでも行うことができます。
また、要らなくなった場合にすぐに売りに出すこともできるので、新しい所有の形が誕生します。
前回のCourtyardをリサーチした際にも書きましたが、特にトレーディングカードに関しては日本が世界的に有名であることは間違いありません。コレクターの人数や秋葉原などの聖地があります。ポケカの世界大会も最近横浜で開催され、世界中から人が集まりました。
Unikuraはシンガポールに拠点は置いていますが、倉庫は日本にもありファウンダーも日本の方なので、コンテンツ・IP大国と言われる日本のその強みを活かす形でグローバルに通用するプラットフォームとなるかもしれません。
自分でも使ってみます。非常に楽しみです!!
以上、「Unikura」のリサーチでした。面白いと思った方は記事へのいいねやコメント、SNSでの拡散にご協力いただけると幸いです。
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免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中にDapps、NFT、トークンを紹介することがありますが、勧誘目的は一切ありません。全て自己責任で購入、ご利用ください。
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