おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は先日Uniswapが発表した「UNIfication提案」を解説します。これは余りにも面白く、革新的な提案だと感じていますので、ぜひ最後までご覧ください。
提案の背景と目的
提案内容の詳細
提案に対する賛成意見と懸念点
他プロトコルのトークンバーン戦略
Uniswap型はプロトコルの完成系の1つになるか
TL;DR
2025/11/10公表の「UNIfication」は、Fee Switch有効化とUNIバーンで価値還元しつつ、Labs×Foundation統合で推進体制を一本化。
v2/v3のプロトコル手数料をTokenJar/Firepit経由で全額UNIバーン、Unichain手数料も同様にバーン、PFDAでMEVを内部化、v4アグリゲーターフックで外部流動性にも手数料上乗せ、国庫から1億UNI特別バーン、Unisocks LP移行&LPバーン。
約22日のRFC→Snapshot→オンチェーン投票で、順調なら12月初旬に実行開始見込み。
提案の背景と目的
「UNIfication提案」は、Uniswap Labs(開発元)とUniswap Foundation(基金)が共同で2025年11月10日に公開した提案であり、プロトコル手数料の有効化とUNIのバーンによるトークン価値還元、および主要開発チームの統合を通じて、Uniswapをさらに発展させることを目的としています。
Uniswapは累計取引高が約4兆ドルに達するなどDeFiの中心的存在ですが、UNIトークンにはこれまでプロトコル収益との直接的な紐付けがなく、トークン価値向上策が課題でした。さらに過去数年間、SECの規制環境(ゲンスラー長官の下での厳しい姿勢)の中で法的リスクに直面しつつ開発を進めてきました。
そんな中で2024年にはワイオミング州の新法に基づきUniswapガバナンスを法的に保護する団体「DUNI」を設立する提案が可決され(分散型非法人団体:DUNA法)、ガバナンスの法的不確実性が軽減されています。また2023~2025年にかけて、米国での規制明確化が進みUniswap Labsもガバナンス関与に前向きになれる環境が整いました。
こうした準備を経て、Uniswapコミュニティは新たなステージに進む局面を迎えています。
今回の「UNIfication提案」によって、Uniswapエコシステムに長期的なモデルを確立し、プロトコル利用がUNIの価値向上(デフレ効果)につながる仕組みへの転換を図ろうとしています。
提案内容の詳細
提案内容は以下の8つです。
Uniswapプロトコル手数料をオンにし、その手数料を使ってUNIをバーンする
Unichainシーケンサー料金をこの同じUNIバーンメカニズムに送信する
プロトコル手数料割引オークション(PFDA)を構築してLPの収益を増やし、プロトコルがMEVを内部化できるようにする
アグリゲーターフックを起動し、Uniswap v4を外部流動性で手数料を徴収するオンチェーンアグリゲーターにする
国庫から1億UNIをバーンする。これは、最初から手数料がかかっていた場合にバーンされていたであろうUNIのおおよその量を表しています。
Focus Labsは、インターフェース、ウォレット、API料金の廃止や、DUNIの利益に合致する取り組みのみを追求する契約上の約束など、プロトコルの開発と成長を推進します。
プロトコルの成功という共通の目標を持ち、成長と開発は財務から資金提供を受けながら、エコシステムチームを財団からラボへ移行する
ガバナンス所有のUnisocks流動性をメインネット上のUniswap v1からUnichain 上のv4に移行し、LPポジションをバーンして、供給曲線を永久にロックします。
これをカテゴライズすると大きく3つに区分されるので、その内容に沿って解説していきます。
1~5:Uniswapプロトコル手数料をオンにし、その手数料でUNIをバーンする
6~7:FoundationとLabsを統合し推進体制を一本化する
8:その他
◼️Uniswapプロトコル手数料をオンにし、その手数料でUNIをバーンする
Uniswapプロトコルには当初から取引手数料の一部をプロトコルが取得できる「fee switch」の機能が備わっていましたが、UNI保有者のガバナンス投票によってのみ有効化できる仕組みでした。



