おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
今日は「The Siren Collection」についてリサーチしました。
«目次»
1、The Siren Collection とは?
- Starbucks Odysseyとは?
- The Siren Collection とは?
- ユーティリティ
2、ロイヤリティ×NFTの使い方が勉強になる
The Siren Collection とは?
「The Siren Collection」はスタバがweb3を絡めたロイヤリティプログラムStarbucks Odysseyの会員へ向けて販売したNFTコレクションです。
■Starbucks Odysseyとは?
2022年9月12日に発表されたスタバの新しいロイヤリティプログラムです。web3を絡めたプログラムであり、既存のリワードプログラムの延長線上に位置しています。
商品の購入やクイズに回答するとスタンプNFTを入手でき、そのNFTを保有している人限定で、グッズの購入やイベントの参加が可能になります。
↓詳しい解説は過去記事をご覧ください。
【Starbucks Odyssey】あのスタバが遂にNFTに参入!
■The Siren Collectionとは?
そのStarbucks Odyssey会員向けに販売された新作NFTコレクションです。今までは特定のアクションをしてくれた人にスタンプNFTを無料で配布していましたが、今回のコレクションは有料での販売でした。
個数:2,000個
価格:100ドル
チェーン:ポリゴン
購入制限:1人2つまで
ちなみに「Siren」というのはスタバが創業時から利用しているロゴマークの人魚のことです。2,000体のあらゆる絵柄の人魚NFTが販売されました。

Starbucks Odysseyメンバー向けの限定NFTでしたが、20分で即完し、二次流通市場でも価格が高騰する結果となりました。

100ドルで販売されたNFTは平均価格556ドルと非常に高騰しています。
■ユーティリティ
アートNFT(PFPにも利用可能)として価値があることはもちろんですが、実はこのNFTには1,500ボーナスポイントが含まれており、Starbucks Odysseyの体験をレベルアップするために使用できます。
このボーナスポイントは2023年12月31日に失効し、Starbucks Odyssey内でのみ利用できます。また、このNFTを販売または譲渡すると、ボーナスポイントも移動します。
つまり、Starbucks Odysseyというロイヤリティゲームの特別課金アイテムのような位置付けとなっています。
ロイヤリティ×NFTの使い方が勉強になる
ここからはリサーチした感想を書きます。
スタバのweb3施策は非常に勉強になります。Starbucks Odysseyの参入の仕方やロイヤリティの設計もですが、今回のNFT販売も見事だなと感じます。
Starbucks Odysseyメンバーだけに販売することで会員特典にもなりますし、そこにボーナスポイントが内包されているNFTにすることで、アートだけではない価値の裏付けにもなります。
しかも、2023年中で有効期限が切れるボーナスポイントなので、毎年ボーナスポイント付きのNFTを販売することが可能です。購入した側もボーナスポイントを獲得できて、2024年になった後にはアートNFTとして楽しめるなら特に不満はありません。
僕はNFTは一度ユーティリティをつけてしまうと、その還元に時間とお金を使い続けなければいけないことがサステナブルなビジネスモデルではないなと感じていました。
ただ、このスタバNFTはまず既存のビジネスを伸ばすために存在するロイヤリティプログラムを活性化させる施策であること。ボーナスポイントの配布も期限が存在するので、永続的な約束にならないこと。ロイヤリティ還元の一環なのに謎にNFT売上も立っていること。
これらを加味すると、とんでもない成功事例だなと感じています。
つまり、ブランド力がある企業であれば、NFTを活用すればロイヤリティプログラムの中にも売上見込みが立つということも証明されてしまいました。
既存事業とNFTのコラボのさせ方が非常に勉強になりました。まだ米国でしか使えないので、早く日本上陸してきてほしいですね。
以上、The Siren Collectionのリサーチでした!
«参考リンク»
・販売ページ
免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中にDapps、NFT、トークンを紹介することがありますが、勧誘目的は一切ありません。全て自己責任で購入、ご利用ください。
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