【Tally】DAOのオンチェーンガバナンス構築プロトコル / DAOに必要なのはCEOではなくミッション
ユーザーは投票権の委任、DAO資金の使用に関する提案の作成または可決、プロトコルの管理、スマート コントラクトのアップグレードをすべてオンチェーンで行うことができます。
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「Tally」についてリサーチしました。
«目次»
1、Tally とは?
- 代理人
- オンチェーンガバナンス
- 使い方
2、考察①:Tallyの展望を考察!オンチェーンガバナンスは広がるか
3、考察②:DAOに必要なのはCEOではなくミッション
Tally とは?
Tallyはオンチェーン上でDAOを管理できるプロトコルです。ユーザーは投票権の委任、DAO資金の使用に関する提案の作成または可決、プロトコルの管理、スマート コントラクトのアップグレードをすべてオンチェーンで行うことができます。
Ethereum、Polygon、Arbitrum、Optimism、Avalanche、BNB Chain、Gnosis、Base、Moonbeam、Scroll の DAO をサポートしており、すでに500以上のDAO、10Bドル以上の資金がプールされています。
↓DAO上の提案状況、人気の代理人、投票の状況、資産状況がダッシュボードで全て公開されています。
■代理人
Tallyは代理人制度を導入しています。これは投票権のあるホルダーが”自身で投票する”か”代理人を選任する”かを選択できる制度です。
自らの投票権を委任する場合はDAOのダッシュボードから検索や情報の閲覧が可能で、何人に信任されているのかもわかります。その中で信頼できる人物に依頼(Delegate)して代わりに投票してもらいます。
DAOにはトリレンマがあります。トリレンマは大切な3要素のうち2つを追求すると1つが疎かになり、3つ全てを同時に実現することは難しいという性質です。
スケール(規模)、アクセス(参加しやすさ)、クオリティ(質)のトリレンマです。小規模DAOの場合は誰もが参加できて質の高い議論ができますが、規模が大きくなると全員がその都度議論に参加することができなくなり質も低下し、最悪の場合は投票が集まらずに提案が何も可決されないようになります。
この解決には投票の重み付け等、複数の解決策が試されていますが、Tallyは代理人による投票を採用しています。
これによって代理人は真剣にDAOの議論に参加することができ、その他のホルダーは信頼できる代理人を選任するだけで良いです。その代理人が活動していなかったり、下手な議論を展開している場合、その記録は全て残っているので、別の代理人へ依頼するか、自らが投票に参加することもでき、透明性の高い議論が実現します。
■オンチェーンガバナンス
Tally最大の特徴が「オンチェーンガバナンス」を実現する点です。全てをオンチェーンで実行することによって、人間の介入なしに、提案を管理し、投票を数え、可決された提案をオンチェーンで実行します。これにより、トークンまたはNFTホルダーは、投票を通じてプロトコルや財務を直接制御できるようになります
有名な提案ツールとしてSnapshotがありますが、Snapshotはオフチェーンでの提案なので、その後にマルチシグウォレットへの署名やソーシャルトラスト(運営者への信頼)を挟む必要があります。
ただし、全てオンチェーンの活動にするにはガス代が発生するためコストがかかります。このようにDAOガバナンスツールにおいてもトリレンマが発生しています。
ですが、Tallyは全てをオンチェーンで管理できることが特徴であり、DAOのオンチェーンガバナンスを実現します。
■使い方
ホルダーは自身のウォレットを追加するだけで利用できます。また、DAO構築者も簡単にDAOを追加できます。必要な情報を入力し、管理者を追加します。
資金のプールはGnosis Safeと連携することで、マルチシグでの資金移動を実現します。
考察①:Tallyの展望を考察!オンチェーンガバナンスは広がるか
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