【Syndicate】web3プロダクト構築のためのインフラ / カスタム可能なスマートコントラクトERC-721Mを採用
2年前から数回のピボットを経て現在のプロトコルに至ります。
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「Syndicate」についてリサーチしました。
«目次»
1、Syndicate とは?
- 機能
- 解決する課題
2、変遷と展望:数回のピボットを経て現在に至り、web3の次の波をリードする存在へ
3、考察:コンシューマー向けweb3プロダクトの未来
Syndicate とは?
「Syndicate」は、大規模なweb3プロダクト構築のためのインフラストラクチャです。独自のAPIとスマートコントラクトを使用して、スケーラブルで快適なweb3プロダクトをより迅速かつ簡単に構築することが可能になります。
■機能
大きく3つの機能(特徴)が存在します。
①トランザクションクラウド
秘密キーを管理したり、独自の安全な署名インフラストラクチャをホストしたり、ノンス競合などの技術的なニュアンスを心配したりすることなく、EVM 互換チェーンで1 秒あたり5,000以上のあらゆるトランザクションを送信できます。

②動的なモジュラー式スマートコントラクト(ERC721M)
ERC-20M および ERC-721M(「M」は「Modular」の略))スマートコントラクトアーキテクチャは、コストのかかる移行を必要とせずに、製品の成長に合わせてコントラクトをアップグレードできます。従来のスマートコントラクトでは、新しいmintメカニズムを追加するには、スマート コントラクト全体を書き直す必要がありましたが、ERC-721M アーキテクチャを使用すると、新しいmintメカニズムの追加は、REST API 呼び出しをSyndicateのトランザクションクラウドに送信して、数十の既製の監査済みモジュールの 1 つを有効にするだけで簡単に追加でき、わずか 3 分で新しいロジックを運用できるようになります。その他のあらゆるスマートコントラクトを安全に迅速にアップグレード可能になります。

③プログラム可能なユーザーウォレット
web3ウォレットをあらゆるエクスペリエンスに組み込むことができ、顧客は面倒な web3 インフラストラクチャとやり取りすることなく、アプリケーションを簡単にオンボードして利用できるようになります。

これらの機能を数行のコード挿入やAPI連携によって簡単に利用することができ、web3プロダクトの構築が可能になります。また、マルチチェーンに対応しており、あらゆるEVMチェーンでの展開が可能となります。
■解決する課題
Syndicateは主に2つの課題を解決するために設立されました。
①柔軟性とモジュール性の欠如
現在のスマート コントラクト標準 (ERC-721、ERC-20 など) やそれをサポートするバックエンドインフラストラクチャには、オンチェーンエクスペリエンスを実験、成長、変更、拡張するために必要な柔軟性とモジュール性が欠けています。
Syndicateを使用すると、開発者はオンチェーンエクスペリエンスを変更したいときに新しいスマート コントラクトへのコストのかかる移行を行う必要がなくなります。
②導入の複雑さ、コスト、速度
web3を利用した製品の開発、立ち上げ、保守のプロセスは複雑で費用がかかります。開発者は毎回独自のトランザクション、ウォレット、およびキー管理インフラストラクチャを0から構築する必要があります。Syndicateは大規模な利用を想定したweb3プロダクトを簡単に構築することが可能になります。
変遷と展望:数回のピボットを経て現在に至り、web3の次の波をリードする存在へ
Syndicateは、2021年2月にシリコンバレーで設立されたプロジェクトです。「投資の民主化」を使命とし、2022年1月にインベストメントダオ(投資クラブ)を簡単に構築できるweb3 Investment Clubをリリースしました。これは誰もがガス代のみで投資クラブを作成・管理出来るプロトコルで、世界中から非常に注目を集めました。
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