【Sui完全レビュー(中編)】MoveとSui Move / PTB / 水平スケーリング技術 / オンチェーンストレージ / その他ユーザー及び開発者向けのSuiの様々な技術とプロトコル / @SuiNetwork
昨日に引き続きSuiの全てを解説していきます。
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
本日はくりぷとくりぷとさんによる寄稿記事です。「Sui完全レビュー」と題して、全3本に渡り徹底解説いただきます。この記事は中編です。まだご覧になっていない方はぜひ昨日更新された前編もご覧ください!
6.MoveとSui Move
7.PTB(Programmable Transaction Blocks)
8.Suiの水平スケーリング技術
9.Suiのオンチェーンストレージ
10.その他Suiの様々な技術/プロトコル(ユーザー向けと開発者向け)
6.MoveとSui Move
Suiは、Meta社のDiemプロジェクトのために開発されたMove言語をベースにSui Moveという独自の言語を使用しています。Sui Moveは、これがリソースの誤操作を防ぐことに役立ちます。ブロックチェーン向けに特化して設計されたプログラミング言語で、特にデジタル資産の安全な管理と操作を目的としています。
この言語は強力な「型システム」を備えており、特に核となるのは「リソース型」という概念で、デジタル資産などの価値あるデータを、複製不可能かつ破棄不能とすることができます。トークンやその他の重要な資産の不正なコピーを防ぎ、言語レベルで根本から安全性を高めています。また、Moveは静的型付け言語であり、型安全性を重視して設計されているため、コンパイル時に多くのエラーを検出し、ランタイムエラーを最小限に抑えます。
Move言語のもう一つの重要な特徴は、モジュールに基づくコードの構造です。各モジュールは独立した機能を持ち、他のモジュールと明確なインターフェースを通じてのみ連携します。これにより、コードのカプセル化が促進され、セキュリティが強化されます。モジュール性は、特定の部分のみを更新することを可能にするため、アプリケーションの持続的な改善や拡張が容易になります。例えば、新しい認証システムやアップグレードが必要な場合に、全体のシステムを停止することなく部分的な更新が可能です。
例として、下記のXの投稿はMove言語の開発者であるSam Blacksear氏が「zkLoginをSolana上に構築することは可能か?」という質問に対して答えた回答です。
この投稿によると、zkLoginをSolana上に構築するためには、Solanaの認証方式に関する柔軟性が重要にになるとのことです。私自身も細かい部分までは理解できませんが、Suiの場合は初めから新しい認証スキームやその他の機能を容易に統合することが可能なように設計をされており、柔軟なアップデートや機能追加が可能になっているそうです。アプリケーションレベルの変更要求においては、Move言語の柔軟な開発環境がこのようなSuiの定期的な機能追加にポジティブに働いていると言えます。
さらに詳しくMove言語を学びたい人は、おにぎりさんが書いたこちらの記事も参考にしてください。
7.PTB(Programmable Transaction Blocks)
Sui Move独自の技術にPTB(Programmable Transaction Blocks)というものがあります。PTBは、特にスケーラビリティの強化において重要な役割を果たしています。従来のブロックチェーンシステムでは、トランザクションが1つのアクションに限定されており、複雑なアプリケーションの開発には制約がありました。
しかし、PTBはこれを打破し、複数のアクションを1つのトランザクションにまとめることを可能にします。これにより、開発者は、1つのトランザクションで多くの処理を実行できる高度なアプリケーションを作成できるようになります。
PTBは、最大1024のトランザクションを1つのブロックに統合できるため、これまでのブロックチェーンシステムでは処理が困難だった大規模で複雑なタスクを効率的に処理することが可能です。
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