おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日から平日昼12時に新連載を始めます。これまで土日昼12時に更新していた基礎レポートをアップデートして、web3を理解するための基礎知識を解説していきます。
基本的に週1テーマに対して月~金の5本の記事を更新し、既存の経済や金融などの知識を解説しながらweb3の本当の凄さが理解できるような構成にしていきます。
第一弾はステーブルコインを理解するための金融基礎知識です。ぜひご覧ください。
「今や国際送金をするとき、SWIFTというネットワークを利用しない国はほぼ存在しない。」
そう言われるほどに世界中の銀行が採用している国際送金インフラがSWIFTです。とはいえ、その仕組みや特徴を正確に理解している人は意外と少ないかもしれません。
たとえば「送金手数料が高い」「着金まで数日かかる」といった不満を耳にしたことはありませんか?
もし、スマホ上のウォレットから一瞬で国を越えて送金ができるとしたら――それを可能にするかもしれないのが、ステーブルコインなどの「web3」領域です。もっとも、新しいテクノロジーの“凄さ”を実感するには、まず既存の金融インフラが抱えている課題を把握することが大切です。
そこでこの連載では、既存金融の決済および送金システムを追いかけていきます。
SWIFT(国際銀行間通信協会)とは何か?国際送金の仕組みと課題
クレジットカードネットワークの基礎:VisaやMastercardなどの仕組みを理解しよう
電子マネーとモバイル決済サービス:PayPalやWeChat Payなどの仕組み
ブロックチェーン送金の新潮流:ビットコイン・イーサリアムがもたらした変化
ステーブルコインが示す未来:法定通貨との橋渡しとweb3の可能性
SWIFTの役割と歴史
国際送金のインフラを標準化する
SWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)は、1973年に設立された非営利の国際協同組合です。目的は、世界中の金融機関が安全かつ迅速にメッセージ(送金指示)を交換できるようにすることです。
それ以前は電話やテレックス(Telex)といった旧式の通信手段が使われており、メッセージの誤送や盗聴リスクも高く、国際間の資金移動に時間がかかっていました。
SWIFTが登場したことで、銀行間のやり取りが標準化されたフォーマットに基づいて行われるようになり、国際送金の安全性・信頼性が飛躍的に高まりました。現在では200以上の国・地域、数千の金融機関が参加しており、「国際送金といえばSWIFT」というほどの存在感を放っています。
メッセージングシステムとしてのSWIFT
SWIFTはあくまでもメッセージング(通信)システムであり、実際のお金を「運ぶ」わけではありません。送金元の銀行が「○○銀行に資金を送金してほしい」という指示(SWIFTメッセージ)を作成し、それをネットワークを通じて受取銀行や中継銀行に送る、という構造です。
実際の資金移動は各銀行がそれぞれ保有する「口座」を操作しながら行われます。つまり、SWIFTは“共通言語”を提供するプラットフォームであり、そのメッセージを介して最終的に銀行口座間の残高が調整される仕組みだと理解すると分かりやすいです。
SWIFTを利用する国際送金の流れと課題
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