おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
毎週土日の昼にはweb3の基礎レポートをお送りしていましたが、少し派生して1つ1つの「単語」解説記事を更新してみます。各記事をサクッと読めるような文量にして、改めて振り返れる、また勉強できるような記事を目指していきます。
本日は「Seed Phrase」です。
ぜひ最後までご覧ください!
なぜSeed Phraseがweb3の「最重要概念」なのか
わずか12個もしくは24個の単語が、あなたの全ての資産を支配できます。
これがSeed Phraseですが、Web2の世界に慣れた私たちにとって、このコンセプトは非常に理解しづらいものです。銀行ではパスワードを忘れても復旧できます。しかし、web3では12個の単語を忘れたら、全てが終わります。この根本的な違いを理解することが、web3での資産管理を安全に行うための第一歩です。
まずは、Seed Phraseと秘密鍵、そして資産との構造的な関係を整理する必要があります。
Seed Phraseとは何か
Seed Phraseの定義は、単なるパスワードではなく、秘密鍵を生成するための「マスターキー」です。
具体的には、Seed Phrase → 秘密鍵 → アドレスという順序で生成されます。
つまり、Seed Phraseから始まる階層的な構造で、複数の秘密鍵が導き出されるのです。1つのSeed Phraseさえあれば、複数のウォレットを復元することが可能です。メタマスクで設定したウォレットを失っても、同じSeed Phraseを使ってLedgerで復元できる、ということです。この相互互換性は、Seed Phraseが業界標準の階層的決定性ウォレット(HD Wallet)プロトコルに基づいているからです。
秘密鍵とは?Web2思考では理解できない概念
秘密鍵とは、シンプルに言えば「資産を動かすための鍵」です。しかし、その役割はそれだけではありません。
秘密鍵は、暗号署名と呼ばれるメカニズムを通じて、「本物のあなた」を証明します。つまり、秘密鍵を使ってトランザクションに署名することで、ブロックチェーン上で「このアドレスの所有者が確かに指示を出している」ことが暗号学的に検証されるのです。
ブロックチェーンの最も根本的な仕組みは、「鍵を持つ者=所有者」という設計です。銀行のように「あなたが本当にあなたであるか」を確認する中央管理者は存在しません。秘密鍵を持つ者が全てなのです。これが、web3における所有権の構造です。
銀行口座との決定的な違い
ここから、銀行とweb3がいかに根本的に異なるかが見えてきます。


