おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
毎週土日の昼にはweb3の基礎レポートをお送りしていましたが、少し派生して1つ1つの「単語」解説記事を更新してみます。各記事をサクッと読めるような文量にして、改めて振り返れる、また勉強できるような記事を目指していきます。
本日は「Rollup」です。
ぜひ最後までご覧ください!
なぜロールアップを理解するとEthereumがわかるのか
最近、「Optimism」「Arbitrum」「Base」といった”L2(レイヤー2)”というワードを聞く機会が増えていませんか?
かつてEthereumは「高い、遅い」で悪名高かった時代がありました。2021年のDeFiブームでは、スワップ1回で数万円のガス代(手数料)がかかることもありました。その改善の中心思想が「ロールアップ」です。
イメージとしては、L1(Ethereum)は「最終的な安全性を判定する裁判所」で、L2(ロールアップ)は「日常生活の営みが行われる生活空間」のようなものです。すべての取引が裁判所を通す必要はなく、生活空間で処理したことの結果だけを、最後に裁判所が確認するという役割分担です。
ロールアップを理解することは、単なるL2の仕組みを知ることではなく、Ethereumの今後の拡張戦略そのものを理解することに繋がります。
ロールアップとは?最も短い定義
ロールアップを一言で説明すれば、「処理をL2(レイヤー2)でまとめて行い、結果だけをEthereumに書き込む仕組み」です。
「なぜまとめるのか」という疑問が当然出てきます。理由は3つです。
ガスが安くなる(L1を使う回数が劇的に減る)
速度が上がる(L2が独自の高速処理)
容量が節約される(複数の取引を1つのデータに圧縮)。
ロールアップが生まれた背景:Ethereumの混雑危機
Ethereum L1は「世界のコンピュータ」という壮大な理想を掲げています。全世界のアプリケーションが同じプラットフォーム上で動作する。それは素晴らしい一方で、極めて限定的な処理能力で世界中のアプリが殺到するため、必然的に大混雑が発生します。


