【Rise】90の現地通貨と100以上の暗号資産でのハイブリット支払いを可能にするweb3給与支払いソリューション / KYCやAML、税務計算、受け取り後のDeFi運用にも対応 / @rise_pay
企業は銀行口座またはウォレットから支払い、受け取り手は現地通貨または暗号資産の好きな方法で受け取りができます。
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「Rise」についてリサーチしました。
🟣Riseとは?
✨資金調達履歴と価格設定
💬多国籍、多通貨支払いの時代へ
🟣Riseとは?
「Rise」は、世界中に分散したチームを1か所で雇用、オンボーディング、現金または暗号通貨で支払う最も迅速で柔軟なソリューションです。
主な機能は3つです。
①法定通貨と暗号資産でのハイブリット給与支払い
Riseは、法定通貨と暗号資産を組み合わせて、国際的な請負業者への柔軟でコンプライアンスに準拠した効率的な支払いを実現します。
支払い企業側は銀行口座または暗号資産ウォレットを繋げ、従業員や請負業者に対して、ステーブルコインで支払いを行います。このステーブルコインへの変換は自動で実施されます。そして、受け取り手は自信が望む通貨で、法定通貨でも暗号資産でも受け取ることができます。また、暗号資産はステーブルコイン以外の通貨でも受け取りが可能です。
対応している現地通貨は以下の通りです。
さらに、以下の通りで銀行区座から支払いが行われ、ステーブルコインで自動変換され支払われる先がどのチェーンになるのかも自由に選択することができます。
また、支払いもスマートコントラクトで効率的に実施され、あらかじめ決められたスケジュールで支払いが行われる、または仕事履歴を提出してもらい、その内容に応じた支払いを行うなど、カスタマイズも可能です。
RiseはプラットフォームとしてコンプライアンスチェックやKYC、税務処理なども対応しており、お互いに安心して利用することができます。
②請負業者側のRise ID
Rise IDと呼ばれるDIDソリューションも提供しています。これは請負業者側向けのソリューションで、KYCの履歴や職務履歴をオンチェーンに残していくことが可能です。このIDを通して支払いを受け取ることが可能であると同時に、他のプロトコルとも連携ができるようになっていくとのことで、まさしくweb3市場での職務経歴書として利用できるようになっていきます。
Rise IDはすでに10万以上発行されているとのことです。
③自動オンボーディングとコンプライアンスチェック
これまでの言及してきた内容と被る部分もありますが、世界中で働く人に対して企業が支払いを行う際、気になるのは相手の与信やコンプライアンスチェック、そして税務処理です。Riseはプラットフォームでそれら全てをカバーします。
Riseは従業員の身元確認から KYC/AMLまでコンプライアンスを徹底しています。また、契約書や作業報告書もプラットフォーム上で管理され、スマートコントラクトによって自動で締結されます。
これらのソリューションによって、事業者または従業員と請負業者は多国間で多通貨で自由に安心して仕事ができる環境を提供しています。現在、Riseに150社以上の顧客と 100,000社を超える請負業者がいます。
✨資金調達履歴と価格設定
Riseは2022年に設立された会社で、当初は暗号資産版のLinkedinのようなサービスを作っていましたが、すぐにハイブリットでの支払いソリューションの開発へ移行しました。
これまでに2度の資金調達ラウンドを実施しています。2023年のシードラウンドは調達額が公開されていませんでしたが、直近11月の資金調達ラウンドが$6.3Mの金額で、累計調達金額が$10Mに達したと書かれていたので、シードラウンドは$4M程度の金額であると推測できます。
注目を集めたきっかけとなるのは、2023年のConsensusのピッチ大会で優勝したことです。投資顧問企業deVereが2021年に実施した調査によれば、ミレニアル世代の3分の1以上、Z世代の半分以上の雇用者が、給与の50%を暗号資産で受け取りたいと考えているとのことで、この市場の大きさとユニークな技術ソリューションを示しました。
価格設定に関しては、以下の通りです。
請負業者側は無料で利用でき、企業側はお金がかかります。固定で月額50ドルの支払いか利用金額の3%か、どちらかを選ぶことができます。
💬多国籍、多通貨支払いの時代へ
最後は考察です。
Riseは非常に面白いサービスでした。価格もあまり高くなく、多国籍チームであれば利用検討に値するのではないでしょうか。特に、現地で銀行口座を持たない人を雇用していたり、銀行口座は持っているけどインフレがすごくて暗号資産で受け取りたい人には非常に良いソリューションになりそうです。
Riseはすでに
また、Riseは受け取った暗号資産をそのままDeFiで運用できる機能も備えており、契約、業務報告、報酬受け取り、資産運用までを全て1つのプラットフォームで実施できます。
個人的にはこの形のプラットフォームは、今後10年の特に多国籍企業の給与支払いプラットフォームのデフォルト機能になっていくような気がしています。決済手数料も安く、期間も短く支払いができるブロックチェーンベースのステーブルコイン支払いはソリューションとして優れていますし、支払い側も受け取り側も自由に通貨を選択できるのは非常に良いです。
利用する場合はデモがスケジュールされるので、問い合わせの上で利用が開始していくようですので、個人的にも使ってみたらどうなるのか気になりました。受け取り側も支払い側も一度使ってみたいですね。
特に、そのままDeFiで運用できるという機能はかなり画期的だと思っており、ステーブルコインで受け取った暗号資産をそのままDeFiへ入れておいて、利用する際に引き出しをすることができれば、実質的には通常の報酬よりも高い金額となって受け取ることができます。USDCやUSDTなので為替リスクや預け入れたDeFiのハッキングリスクはありますが、体験としては非常に心地よいのではないでしょうか。
また、ここもまた別の記事でまとめる予定ですが、最近は「Fat Wallet」理論という考えが流行ってきている気がしており、ウォレットを握っている事業者は非常に強いなと考えるようになってきています。ウォレットは全ての入り口となるのでなんでもできます。
その意味で、給与受け取りというニーズのある切り口から、DeFiへのアクセスまでを横断して提供するという形は1つのウォレット戦略としてもありな気がします。もはやウォレットは激戦区なので、どこか1つの絶対にニーズのあるところから攻めて、横断機能としてウォレットを用意するという形もあるのかもしれません。
少し話はそれましたが、今後の働き方として非常にイメージのしやすいプラットフォームでした。正直、日本だと期末課税の問題などもあるので暗号資産受け取りは現実的ではないのかもしれませんが、支払いはできるかもしれませんし、ステーブルコイン受け取りでそのままDeFiで運用しておくという形はできる気がします。
今後がとても楽しみです。
以上、「Rise」のリサーチでした!
🔗参考/画像引用先:HP / X
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Author:mitsui @web3リサーチャー
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