【RepubliK】収益化と交流を実現する分散型SNS / XPと独自トークンでファンもクリエイターも収益化を実現 / アテンションエコノミーからインタラクションエコノミーへ
2023年10月11日にシードラウンドで6Mドルの資金調達を発表し、話題のプロダクトです。
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「RepubliK」についてリサーチしました。
«目次»
1、RepubliK とは?
- 機能
- トケノミクス
- ビジネスモデル
- 運営チーム
2、設立背景と展望:アテンションエコノミーからインタラクションエコノミーへ
3、考察:成長の鍵を握るのはクリエイタートークンの実装?
RepubliK とは?
「RepubliK」は、誰もがプラットフォーム上でのやり取りに対して報酬を得ることができるSNSです。クリエイターとファンがインタラクティブに繋がり、コンテンツ生成や売買、リアクションなど、あらゆる行動にトークンが付与されます。
■機能
まだ実装されていない機能もありますが、RepubliKでは以下のようなことができます。(主にクリエイター向け機能を紹介ですが、ユーザーはそれらを閲覧できます)
タイムライン
テキスト、画像、動画でのコンテンツ投稿
1対1のビデオチャット
1対多のライブストリーミング配信
チャレンジ企画への参加
NFTやグッズの販売
クリエイタートークンの販売
サブスクリプション、ペイウォールなどの有料コンテンツの販売
ユーザーの保有するトークンに応じた検索、フィルタリング
基本的に既存のSNSで実現できることと、BaseなどのEC(決済)サービスで実現できることを組み合わせて、1つのSNS上で認知発見から収益化までを全て実現します。
そして、これらの機能を加速するためのトークンが存在します。
■トケノミクス
RepubliKには2種類のトークンが存在します。
RPK
XP
$RPKはRepubliKのガバナンストークンであり、プラットフォーム上の取引にも利用することができます。XPは経験値ポイントであり、プラットフォーム上での投稿やいいね、リファラルなど、特定の行動をした際に配布される貢献証明ポイントです。
基本的にはRepubliKを利用することで、ユーザーもクリエイターもXPが蓄積されていき、レベルが上がります。レベルが上がると限定イベントやコンテンツへのアクセス、REPUBLIK への貢献を表すバッジが付与され、XPの還元率も向上します。
そして、XP保有率に応じて定期的に実施されるエアドロップにて、$RPKが配布されます。このエアドロップでは配布予定の$RPKを現在獲得されているXPの総量で分割し各ユーザーに配布されます。
$RPKはDEX等に持ち出して売却することも可能ですが、RepubliK内のガバナンス及び取引トークンとして機能します。特にクリエイターの有料コンテンツへのアクセスやクリエイター独自のクリエイタートークンの購入にも利用できます。(クリエイタートークン機能は未実装です)
総供給量は30億トークンであり、以下の割合で分配されます。
■ビジネスモデル
RepubliKはNFTや有料コンテンツ等のトランザクション手数料などを収益源とします。
そして、それらの手数料の一部は$RPKの購入にあて、価格の安定とユーザーへの還元、マーケティングへ利用します。
■運営チーム
RepubliKは、web3 分野における深い専門知識を持つクリエイターやエンジニアによって構築されています。シンガポール、ベルリン、ロサンゼルス、ベトナムにオフィスと代表者を置き、グローバルに展開しています。
DANIEL HE, CO-FOUNDER
The Lo&Behold Groupの共同設立者兼元CFO(STB Tourism Entrepreneur of the year、数々の賞を受賞したホスピタリティ・グループ)、医師(医学博士、救急医学修士)、EMACP理事(慈善活動)、経済アドバイザー(Enjin)、Monitor Group Asiaの元経営コンサルタント。
RICHMOND TEO, LEAD ADVISOR
CEOアジア、パクソス共同創業者。2012年にパクソスの創業に携わって以来、ブロックチェーン業界のプレーヤーと幅広く仕事をしてきた。それ以前は、シダーヒル・キャピタルのヘッジファンド担当プリンシパルやシティグループIBDのFIG M&Aチームにて、金融テクノロジー企業の分析・投資に10年以上の経験を持つ。
アドバイザーにも各業界で経験を積んだメンバーが多数在籍しています。
設立背景と展望:アテンションエコノミーからインタラクションエコノミーへ
RepubliKは、クリエイターエコノミーが加熱する現代において、より多くのクリエイターがきちんと収益を確保できることを目的に設立されました。また、クリエイターだけでなくそれを支援、利用するユーザーにも報酬が与えられる仕組みを実現します。
インターネットによって、世界中の人と繋がり、誰もが収益を上げる機会を手にすることはできるようになりましたが、まだ幾つかの問題を抱えています。
プラットフォーム側のアルゴリズム変更
一部のクリエイターが収益を独占している
決済システムがサイロ化している
まず「プラットフォーム側のアルゴリズム変更」はよく言われる問題で、web3業界にいる人であれば聞いたことがあると思います。プラットフォームの一存で収益が大きく変更してしまうし、コンテンツの所有権がなくなるという問題です。
続いて、こちらも聞いたことがあるかもしれません。
「一部のクリエイターが収益を独占している」問題です。これは悪意を持って一部のクリエイターが独占しているわけではなく、結果的にそうなってしまったという問題です。
現在、自分自身を「クリエイター」と考えている人は世界中に 5,000万人いると推定されていますが、その93% が生計を立てるのに苦労しているアマチュアです。
また、「決済システムがサイロ化している」ため、SNSで得た影響力を収益化することが困難な状況に陥っています。その結果、現在のクリエイターエコノミーはユーザーからのアテンションを集めて広告費で稼ぐモデルが一般的となっています。
調査によれば、クリエイターの77% が、収入の大部分をスポンサー付きコンテンツから得ていると答えており、収入を自分の製品やサービスから得ていると答えたのは23% のみでした。
なぜこのような問題が起こっているのかは明確です。
プラットフォーム側の利益の源泉が広告費であるので、アテンションを高めてくれるユーザーを優遇するからです。結果、アテンションは一部のクリエイターに偏り、収益が偏ります。そして、なぜプラットフォームが広告に依存するのかというと、決済システムを導入するコストが高かったからです。特にグローバルで展開するプラットフォームがユーザー間がシームレスに売買する決済システムを作り上げることは非常に大変でした。(あとは単純に広告費だけでめちゃくちゃ儲かっていた事実もあります)
ですが、ブロックチェーンを導入すればグローバルでシームレスに透明性高く売買できる決済システムを構築することができます。
よって、プラットフォーム内に交流ができる機能と決済ができる機能を内包し、クリエイター毎のコンテンツ売買で収益化をすると、もちろん人気なクリエイターは生まれますが、少数だけど確かなファンがいるクリエイターはきちんと収益化をすることができるようになります。
それらをトークンを活用してユーザーにもメリットがある形で実現しようとしているプラットフォームがRepubliKです。
RepubliKはこれを「インタラクションエコノミー」と呼び、この世界を実現することをミッションに掲げています。
まだβ版として運営している中で、上記で説明した機能の多くは発表はされていますが未実装です。今後はそれらを積極的に実装して、プラットフォームを盛り上げていくことが予想されます。
また、2023年10月11日にシードラウンドで6Mドルの資金調達を発表しました。調達した資金は、RepubliK のプラットフォームの構築と、ブロックチェーン上の最先端の web3クリエイターツールの開発に利用するとコメントしています。

考察:成長の鍵を握るのはクリエイタートークンの実装?
最後に考察です。
これまでの分散型SNS(プラットフォーム)を幾つかリサーチしてきましたが、それらの機能を全て内包するようなサービスの印象を受けました。
SNSの構築は非常に難しく、現在のユーザーが移行する理由が明確に存在する必要があります。もちろん中央集権的なSNSへの嫌気やトークン配布によるインセンティブは存在しますが、それだけで移行する人はあまり多くないように感じます。
その中で、RepubliKが他の分散型SNSと異なり、非常にユニークな機能として感じたのは「クリエイタートークン」機能です。
この機能はクリエイター毎に自身のトークンを販売できる機能です。これはクリエイターの未来の収益に投資できる機能で、そのクリエイターがRepubliK上で稼ぐ収益がクリエイタートークンの保有者に還元されるようになります。
RepubliKでのコンテンツ売買は$RPKで行われるので、獲得した$RPKがスマートコントラクトによってクリエイタートークン保有者に対しても利回りとして分配されるようになります。よって、まだ無名のクリエイターのクリエイタートークンを購入し、その後収益が上がれば分配を受けられるようになるということです。
これはいわば、個人の株式化であり、日本で言えばフィナンシェのようなサービスに近く、グローバルで見れば最近話題のfriend.techに近いです。
詳細はこちらのレポートで書きましたが、friend.techは非常に強力なバイラルな性質を持っており、この性質を起点にユーザーが集まれば、その後に分散型SNSへ移行することが可能なのではないかと考えています。
SNSはN対Nのサービスですが、friend.techは1対Nのサービスです。よって、自分が好きな”1”が参加すればそのサービスを利用する価値が生まれます。ここがSNSと最も異なる点です。
なので、RepubliKが成長する鍵は個人的にはクリエイタートークンの機能にあると考えています。RepubliK全体構想のクリエイターの認知発見からファン化、収益化はユーザー数が集まりSNS化しないと価値になりませんが、クリエイタートークンの機能は1対Nで実現します。
なので、この機能をキーとしてユーザーが集まり、徐々に回遊性も高まりプラットフォーム化していくことで数億人のユーザーまで成長する分散型のSNSが実現するかもしれません。
非常に楽しみです!ベータ版は誰でも利用できるので僕も使ってみようと思います。
以上、「RepubliK」のリサーチでした。面白かった方はいいねやコメント、SNSでのシェアにご協力いただけると幸いです。
免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中にDapps、NFT、トークンを紹介することがありますが、勧誘目的は一切ありません。全て自己責任で購入、ご利用ください。
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