【4/4(土)~6(月) Daily Report】L1とL2を連携させるEthereum Economic Zone構想 / 分散型GithubのGitLawb解説など
毎朝6時に注目ニュース、プロジェクトなどをお届けします。
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
これまで毎朝6時にプロジェクト解説、ポッドキャストなどを投稿しており、平日18時にニュースまとめを更新していましたが、それらを統合して朝6時に「Daily Report」として注目ニュース、プロジェクトなどをお届けします。
面白いユースケースがあれば別途1本の記事にするかもしれませんが、スピード感を持って面白いユースケースやプロジェクトを毎朝簡単に解説していきます!
🗓️Today's news headlines
金融庁、トークン化預金とステーブルコインを活用した銀行間決済の実証実験を支援決定
金融庁は3日、「FinTech実証実験ハブ・決済高度化プロジェクト(PIP:Payment Innovation Project)」の支援対象として新たに1件の実証実験を決定したと発表
今回の実証実験に取り組むのは、ディーカレットDCP株式会社、GMOあおぞらネット銀行株式会社、アビームコンサルティング株式会社の3社
実験では、異なる銀行の顧客間でトークン化預金を使った送金を行う際に必要となる銀行間決済の仕組みについて、実務的な有用性と実現可能性を検証
検証は2026年4月から当面の間にわたって実施される予定
IMFはトークン化された金融が市場危機を増幅させる可能性があると警告し、中央銀行主導の決済を強く求めた
IMFは木曜日、トークン化は金融構造の構造的変革であり、適切な安全策が講じられなければ不安定性を増幅させる可能性があると主張する報告書を発表
IMFの金融顧問であるトビアス・エイドリアン氏は、即時決済は規制当局が危機時に介入する際に頼りにしている時間的余裕を奪うと警告し、ステーブルコインをマネーマーケットファンドになぞらえた
CosmosエコシステムのLeap Walletがサービス終了
Leap Walletは、かつて存在したTerra-Lunaエコシステムをサポートするために立ち上げられたものですが、サービスを終了することになった
Leapは、TerraUSDの開発元であり、現在は事業を停止している研究開発企業であるTerraform Labsからの5万ドルの助成金を受けて、2021年後半に設立された
Terraの崩壊後、LeapはCosmosチェーン向けのエコシステムウォレットへと方向転換した
ブロックチェーン調査員のZachXBTは、Circleが4億2000万ドル以上の「不正資金」に対するUSDCの凍結を遅らせていると非難した
ZachXBTはX上で長文のスレッドを投稿し、Circleが違法行為があった場合に資金凍結を怠ったとされる事例をいくつか挙げた
不正に得られた資金の総額は4億2000万ドル以上だったという
Circle社は、「法的に義務付けられている場合、法の支配に則り、ユーザーの権利とプライバシーを強力に保護した上で、資産を凍結する」と述べた
金融庁、暗号資産交換業者のサイバーセキュリティ強化方針を策定
金融庁が、「暗号資産交換業等におけるサイバーセキュリティ強化に向けた取組方針」に関するパブリックコメントの結果を4月3日に公表し、同方針を正式に策定した
同方針は、今年2月に公表された方針案に対する意見募集の結果を踏まえたもの
同方針では、近年の暗号資産流出事案について、署名鍵の盗難にとどまらず、ソーシャルエンジニアリングや外部委託先を経由した侵入など、間接的かつ巧妙な攻撃手法が増加している点を指摘している
フランクリン・テンプルトン、コインファンド分離の250デジタル買収へ。デジタル資産事業を拡大
資産運用会社フランクリン・テンプルトンが、ベンチャー投資会社コインファンド(CoinFund)からスピンアウトした暗号資産投資部門「250デジタル(250 Digital)」を買収することで合意したとは4月1日に発表
この取引は、トランプ政権下での追い風となる政策を背景に、伝統的な金融機関が暗号資産分野での存在感を強めている流れの中で行われる
バイナンスジャパン、法人向けDATサポート開始
バイナンスジャパンが、法人向けDATサポートを提供開始した
発表によると同サービスでは、大口OTC取引、カストディ(保管)、監査対応レポートを利用者へ提供するという
DAT支援として、戦略策定から運用まで専任の担当者が一気通貫でサポートするとのこと
暗号資産を主資産とする企業、TOPIX採用見送りへ。JPX総研が方針
日本取引所グループ(JPX)傘下で株価指数の算出などを担うJPX総研が、「特別注意銘柄等の取扱いについて」とする指数ルールの見直し案を4月3日に公表した
今回の見直しでは、特定の資産を主たる資産として保有する企業の扱いについて方針を示した
JPX総研は、当分の間、主たる資産を暗号資産とする銘柄について、東証株価指数(TOPIX)などの構成銘柄への新規追加を見送るとしている
米政府、予測市場規制めぐり3州を提訴。州の賭博法適用に反発
ドナルド・トランプ米政権が、予測市場に対する州法上の賭博規制の適用は違法だとして、アリゾナ州、コネティカット州、イリノイ州を4月2日に提訴した
政府は、カルシ、ポリマーケット、クリプトドットコム、ロビンフッドなどの企業による「イベント契約(event contracts)」の提供を各州が止めようとすることは、全米スワップ市場の規制に関する米商品先物取引委員会の専属的権限を侵害するものだと主張している
ポリマーケット、「ラリーガ」の米国・カナダの公式・独占予測市場パートナーに
「ポリマーケット」が、スペインのサッカーリーグ「ラリーガ(LALIGA)」の北米事業を担うラリーガ・ノース・アメリカ(LALIGA North America)と複数年契約を締結した
今回の提携によりポリマーケットは、米国とカナダにおけるラリーガの公式・独占予測市場パートナーになったとのこと
✨Pickup Topic
※面白そうなニュース、トレンド、プロジェクトを3つほど紹介します。
◼️Ethereum Economic Zone(EEZ)
Ethereumのエコシステムは、スケーリング問題を解決するためにLayer 2(L2)ネットワーク、いわゆるロールアップを積極的に活用してきました。しかし、L2はEthereumのスケーリング問題を解決した一方で、新たな問題を生み出しました。各チェーンが孤立した「島」のような状態となり、流動性が分断され、ユーザーはチェーン間を移動するたびにコストを負担しなければならない状況が続いていました。
こうした課題に対応するため、2026年3月末にGnosisとZiskが新しい統一フレームワーク「Ethereum Economic Zone(EEZ)」を発表しました。EEZは、ロールアップがEthereumのメインネットや他のL2と同期的にコンポーザブルに動作できるようにするL1〜L2フレームワークです。
EEZの核心技術は「同期的コンポーザビリティ」にあります。EEZに接続されたロールアップは、L1や他のL2上のコントラクトを呼び出し、1つのトランザクション内でレスポンスを受け取ることができます。これによりチェーン間のアトミックな実行が可能となり、まるで単一のチェーン上で操作しているかのような体験が実現します。
技術的な要となるのが、Ziskが開発したリアルタイムZK証明スタックです。Baylina氏はCircomプログラミング言語の作者であり、「Ethereumブロックをリアルタイムで証明できるZKVMの構築に2年を費やした。ロールアップ間の同期的コンポーザビリティはもはや理論ではない」と語っています。
運営体制についても重要な点があります。EEZはスイスの非営利組織として構成され、すべてのソフトウェアは無料かつオープンソースで公開されます。Ethereum Foundationもこの取り組みを共同で資金援助しています。創設メンバーにはAave、Flashbots、Safe、CoW Swapなど有力プロジェクトが名を連ねています。
「Ethereumにはスケーリング問題はない。フラグメンテーション問題があるのだ。EEZはその逆を実現するために設計されている。100の孤立した島ではなく、1つのEthereumを」、これがEEZの掲げる根本的なビジョンです。
→参考リンク:Introducing the Ethereum Economic Zone (EEZ)
◼️Driftが明かす2億8000万ドル不正流出の全貌——北朝鮮によるソーシャルエンジニアリング作戦
2026年4月1日、Solanaベースの分散型取引所Driftから約2億8000万ドル(約420億円)もの資産が流出するという重大インシデントが発生しました。Driftはこれを「6ヶ月かけて準備された攻撃」と表現し、北朝鮮の国家支援を受けるハッキンググループUNC4736(別名AppleJeus、Citrine Sleet)による犯行と、中程度から高い確度で評価しています。
攻撃は周到な準備から始まりました。2025年秋ごろ、攻撃者たちはクオンツトレーディング会社を装い、主要な暗号資産カンファレンスでDriftのコントリビューターに接触しました。その後の6ヶ月間、複数の国際イベントで対面での関係構築を重ねていきました。
この作戦の精巧さは特筆すべきものがあります。攻撃者たちは2025年12月から2026年1月にかけてDriftのエコシステム内のヴォールトに組み込まれ、多数の作業セッションを通じてコントリビューターと関わり、高度に詳細で的確な技術的な質問をし、自らの資本100万ドル以上を投資しました。意図的かつ着実に作戦的な足場を築いていったのです。
対面に現れた人物が北朝鮮人ではなかった点も重要なポイントです。「このレベルのDPRK脅威アクターは、対面での関係構築のためにサードパーティの仲介者を使うことが知られている」とDriftは説明しています。
技術的な侵入経路としては、スマートコントラクトのバグではなく、マルチシグ署名者をソーシャルエンジニアリングで操作し、隠れた承認を事前署名させたことが致命的な脆弱性だったとTRM Labsは指摘しています。
北朝鮮による暗号資産窃取は年々高度化しており、Chainalysisのレポートによれば、DPRK系ハッカーは2025年に過去最高の20億ドル規模の暗号資産を窃取しており、前年比51%増となっています。今回のDrift事件はその最新かつ最も精巧な事例の一つとなりました。
→参考リンク:Drift Protocol — Incident Background Update
◼️p2p.me:QRコードでUSDCを使って世界中の店舗で支払える決済プロトコル
p2p.meは、USDCを使って安全かつプライベートに購入・売却・決済ができるよう設計されたグローバルプラットフォームです。UPI(インド)、PIX(ブラジル)、QRIS(インドネシア)などの現地決済手段をサポートしており、資産は常にユーザー自身の管理下に置かれます。
コアコンセプトはシンプルです。USDCと法定通貨のスワップを非常に高速に行うことができ、銀行口座凍結の心配なく、あらゆる店舗のQRコードで支払いができます。クリプトネイティブなユーザーが日常の買い物でUSDCをそのまま使えるようにするためのインフラといえます。
セキュリティとプライバシーの設計も特徴的です。p2p.meはZKソーシャル検証(ゼロ知識証明)を活用し、詐欺師がプロトコルにアクセスするのを防いでいます。詐欺率は25,000件に1件未満と、他のP2Pサービスと比べて100倍優れていると主張しています。KYCについても、KYCなしでも即時に利用を開始できます。より高い取引限度額が必要な場合は、ZK-KYC(ゼロ知識KYC)を通じてプライバシーを保護しながら本人確認が可能で、個人情報はp2p.meを含む第三者に共有されません。
収益モデルとしては流動性プロバイダー(LP)制度があります。USDCの流動性を提供し、銀行口座を通じてスワップを処理することで、すべてのトランザクションで2%を獲得できます。
資金調達面ではCoinbase VenturesとMulticoin Capitalが出資しており、信頼性の高さが伺えます。インド・ブラジル・インドネシアを主な対象市場として展開しており、新興国における暗号資産決済のインフラ整備を目指すプロジェクトです。
→参考リンク:HP
◼️gitlawb:AIエージェントと開発者のための分散型Gitネットワーク
GitHubに代表される中央集権型のコードホスティングサービスは、現代のソフトウェア開発に欠かせないインフラとなっています。しかし、単一のサーバーに依存する構造はダウンタイムや検閲リスクを内包しており、また急速に普及するAIエージェントをファーストクラスの参加者として扱う設計にはなっていません。gitlawbは、開発者とAIエージェントが共有のワークフローでアプリを生成し、コードを公開し、PRを作成し、ライブの分散型Gitネットワーク上でコラボレーションできる環境を提供します。
最大の特徴は、アカウント不要のDIDベースの認証です。アイデンティティはキーペアであり、認証はすべてのリクエストに対する暗号署名です。エージェントと人間は同一の認証フローを使います。パスワードやOAuthは存在せず、秘密鍵を持つことがそのままアイデンティティになります。
ストレージも分散型です。GitオブジェクトはすべてプッシュのたびにIPFSにピン留めされ、ブランチの先頭はCID(コンテンツID)で追跡されます。1つのノードにプッシュすると、すべてのピアが30秒以内にミラーリングします。単一障害点が存在せず、特定のサーバーがダウンしてもリポジトリは生き続けます。
AIエージェントをファーストクラスの市民として扱う設計も重要なポイントです。エージェントはDID、トラストスコア、UCAN委任ケイパビリティを持ち、リポジトリを所有したり、PRをレビューしたり、CIを実行したり、他のエージェントに作業を委任したりすることができます。ClaudeやGPTなどのLLMエージェントは、MCPサーバー経由で25種類のツールを通じてリポジトリ操作を行えます。
技術スタックとしては、コアデーモンはRust製でlibp2pとaxumを使用し、ストレージはIPFS(Pinata)からFilecoin、Arweaveへの多層構造、アイデンティティはDID+UCAN、ネットワーキングはlibp2p DHTとGossipsubで構成されています。
現在はv0.1.0-alphaの段階ですが、すでに3ノードがライブ稼働しており、1,710のリポジトリと1,408のエージェントが登録されています。日本を含む複数のノードが動いており、プロジェクトは着実に前進しています。
AIエージェントが自律的にコードを書き、レビューし、デプロイする時代において、そのインフラ自体が分散化・検閲耐性を持つべきという思想に基づいたプロジェクトです。「GitHubのWeb3版」とも言えますが、単なる移植ではなく、AIエージェントを中心に据えて設計し直した点が独自性といえます。
→参考リンク:HP
免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中にDapps、NFT、トークンを紹介することがありますが、勧誘目的は一切ありません。全て自己責任で購入、ご利用ください。
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Author:mitsui @web3リサーチャー
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