【4/7(火)Daily Report】ポリマーケット、取引基盤を全面刷新へ / Virtualsがx402経由でAIエージェントが自律的にオンチェーン決済を完了した瞬間を報告など
毎朝6時に注目ニュース、プロジェクトなどをお届けします。
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
これまで毎朝6時にプロジェクト解説、ポッドキャストなどを投稿しており、平日18時にニュースまとめを更新していましたが、それらを統合して朝6時に「Daily Report」として注目ニュース、プロジェクトなどをお届けします。
面白いユースケースがあれば別途1本の記事にするかもしれませんが、スピード感を持って面白いユースケースやプロジェクトを毎朝簡単に解説していきます!
🗓️News headlines
ビットコインの大口保有者が2000万ドル相当以上のBTCをバイナンスに送金
Arkhamのデータによると、火曜日にビットコインの大口保有者が約300BTCをBinanceに送金した
2025年1月から3月にかけて、このウォレットには513BTCが蓄積され、当時の価値で5000万ドル相当となった
Polygonは今週、より迅速なファイナリティを実現するためにGiuglianoハードフォークを有効化する予定
Polygonは、より迅速なファイナリティを実現することを目的として、4月8日にメインネット上でGiuglianoハードフォークを有効化する予定
「今回のアップグレードにより、プロデューサーがブロックをより早く発表できるようになり、ファイナリティが高速化されます。また、手数料パラメータがブロックヘッダーに直接追加され、手数料データのための新しいRPCサポートが導入されます」とチームは述べている
Phantomは、アプリ内残高に影響を与える一時的なサービス停止を報告
Phantomは月曜日の夜遅く、プラットフォーム上のトークン価格と残高に影響を与える一時的なサービス停止が発生していると発表
Phantomは今回の障害の正確な原因をまだ明らかにしていないが、複数のユーザーがソーシャルメディアプラットフォームX上で、この問題によって残高を失ったと主張している
ただし、Phantom側は、今回のシステム障害によってユーザーの資金が影響を受けることはないと述べた
Aaveリスク管理会社Chaos Labsが、ガバナンス紛争のさなか退社
最近のガバナンスの混乱を受けて、Chaos Labsは、3年以上務めたAaveの公式リスクマネージャーの職を辞任する
創設者のオマー・ゴールドバーグ氏は、より柔軟なAave V4プロトコルの展開に伴い、リスク管理の方法について、Chaos LabsとAave Labsの間で根本的な意見の相違があると述べた
アルゼンチンのミレイ氏は、破綻した仮想通貨プロジェクト「LIBRA」のリーダーと電話で会談していた
調査の結果、アルゼンチンのミレイ大統領は、最終的にスキャンダルに発展したLIBRAトークンプロジェクトに関与した重要人物と7回電話で会談していたことが判明した
これらの電話は、ミレイがトークンへの支持を表明した頃に行われた
Galaxy社、5月のオンチェーンGLXY株主投票にBroadridge社を起用
Galaxyは、Broadridge Financial Solutionsの拡張ガバナンスプラットフォームをオンチェーン株式に利用する最初の企業となる
Broadridgeは、株主が委任状関連資料を閲覧し、企業事項について投票できるプラットフォームであるProxyVoteを拡張し、トークン化された株式にも対応させた
Strategy社は、2026年第1四半期におけるビットコイン保有による145億ドルの未実現損失を報告
Strategy社は4月第1週に約3億3000万ドル相当のビットコインを新たに4871BTC購入し、保有総数を76万6970ビットコインとした
同社のビットコイン1枚あたりの平均購入価格は、今回の買い付けでわずかに下落し、75,644ドルとなった
サークル、新L1「Arc」の量子耐性ロードマップ公開、段階的移行へ
「Arc」における量子耐性(ポスト量子)対応のロードマップを4月2日に公開
同社はブログにて、量子コンピュータが公開鍵暗号を破るとされる「Q-Day(Quantum Day)」が2030年まで、またはそれ以前に到来する可能性があると指摘
そのうえで、銀行、フィンテック、ステーブルコイン発行体、RWAプラットフォームなどにとって、長期的な暗号耐久性は「インフラ設計における前提条件」となると説明している
アークは量子耐性への対応をウォレット単体ではなく、ブロックチェーンのスタック全体で段階的に進める設計を採るとしている。対象には、ウォレット認証、プライベートなスマートコントラクト状態、バリデータ認証、インフラなどが含まれる
中国当局、ブロックチェーンなど活用し銀行・税務データ連携を拡充
中国の国家税務総局と国家金融監督管理総局が、「銀税互動(銀行・税務連携)」のさらなる深化と規範化に関する共同通知を3月27日に発表
データ活用の面では、ブロックチェーンやプライバシーコンピューティング技術を活用した新しい連携モデルの開発が奨励される
銀行側には信用審査モデルの継続的な見直しと改善が求められるほか、架空取引を装った不正行為などを通じた不正融資を防ぐため、税務当局から問題企業の情報を金融監督当局へ随時共有する仕組みも整備される
ビットマイン、イーサリアム総保有数が全供給量の3.98%に、NYSEに上場市場変更へ
ビットマインイマージョンテクノロジーズが、暗号資産イーサリアム(ETH)の追加取得を4月6日に発表
同社の現在の保有資産総額は114億ドル(約1.8兆円)を超えるとのこと
✨Pickup Topic
ポリマーケット、取引基盤を全面刷新へ。新担保トークン「Polymarket USD」導入も
予測市場として急成長を続けるポリマーケットが、インフラの大規模刷新に乗り出します。取引処理の高速化やガスコスト削減などを目的とした取引基盤の大規模アップグレードの実施計画が4月7日に発表されました。今回の変更は「ローンチ以来最大のインフラ変更」と説明されています。
技術面での主な変更点として、「CTFエクスチェンジV2」と呼ばれる新コントラクトが導入されます。オーダー構造の簡素化や注文マッチングの最適化、手数料の回収・分配の効率化などが行われ、EIP-1271署名への対応によりスマートコントラクトウォレットによる注文署名にも対応します。
担保トークンの刷新も大きな変更点です。新たな担保トークン「Polymarket USD」が導入されます。これはサークルが発行するUSDCによって1対1で裏付けられるトークンであり、従来利用されていたブリッジ版USDCである「USDC.e」からの移行が行われる予定です。
移行の手間については、多くのユーザーにとってフロントエンド上で自動的に処理されるため1回の承認操作で完了します。一方、APIを利用するトレーダーやボット運用者などは、専用コントラクトのwrap()関数を用いてUSDCをPolymarket USDへ変換する必要があります。
アップグレードの実施に伴い、既存のオーダーブックはすべてリセットされます。短時間のメンテナンスウィンドウが設けられ、未約定の注文はキャンセルされる予定です。具体的な日時については少なくとも1週間前に告知されるとのことです。
独自トークン「POLY」の発行構想も噂されており、今回のインフラ刷新とあわせて、ポリマーケットが次のフェーズへの移行を着々と進めていることが伺えます。
ソラナ財団、エコシステム全体のセキュリティ体制を強化。STRIDEとSIRN導入
ソラナのエコシステムでは近年、Driftの大規模な不正流出事件をはじめ、セキュリティインシデントへの関心が高まっています。こうした背景を受けて、ソラナの開発を支援するソラナ財団が、エコシステム全体のセキュリティ基準を引き上げる新たな施策を4月7日に発表しました。
今回導入される施策の柱は2つです。1つ目が「STRIDE(ストライド)」です。STRIDEは、ソラナ上のDeFiプロトコルを対象に、セキュリティ評価、継続的な監視、調査結果の公開などを行う包括的なプログラムです。独立した評価に基づき、プロトコルのセキュリティ要件への適合状況を確認し、その結果を公開することで透明性の向上を図ります。
特筆すべきは規模に応じた支援体制です。TVLが1,000万ドルを超えるプロトコルのうち評価を通過したものには24時間365日のアクティブな脅威監視が提供され、TVLが1億ドルを超える主要プロトコルについてはスマートコントラクトの正当性を数学的に検証する「形式検証」への資金支援も行われます。
2つ目が「SIRN(ソラナ・インシデント・レスポンス・ネットワーク)」です。SIRNはセキュリティインシデント発生時の対応を担うネットワークとして構築されました。セキュリティ企業や研究者による会員制の協働体制であり、Asymmetric Research、OtterSec、Neodymeなどが創設メンバーとして参加しています。
ソラナではこれまでも個別のセキュリティツールを無償提供してきましたが、対策の水準はプロジェクトごとに委ねられていました。今回のSTRIDEおよびSIRNは、セキュリティ評価・監視・インシデント対応をエコシステム全体で担う仕組みとして位置付けられます。なお、今回の施策はスマートコントラクトの脆弱性への対策を主眼としており、Driftのようなソーシャルエンジニアリング攻撃とは異なる領域を対象としています。
NFT UX革命—EEZとEIP-8141がNFT体験を根本から変える
NFTはこれまで、チェーン間の断片化や複雑なトランザクション操作など、長年にわたってUX上の課題を抱えてきました。しかしEthereumエコシステムに訪れつつある2つの大きな技術的変化が、その状況を一変させようとしています。
1つ目は、EEZ(Ethereum Economic Zone)です。EEZが提供する同期的コンポーザビリティにより、クロスチェーンNFTの体験が大幅に簡素化されます。現在のクロスチェーンNFT体験は非同期であり、LayerZeroのような中間者を必要とし、チェーン間でのステート更新も制限されています。EEZはこれらの制約をすべて取り除き、複数チェーンにまたがる操作が単一チェーン上の操作と同等に感じられるようにします。
2つ目が「EIP-8141」です。EIP-8141はEthereumの「Hegotá」アップグレードで導入予定の「フレームトランザクション」を実装するもので、EEZがチェーン間の摩擦をなくすのと同様に、トランザクション内部の摩擦を解消することを目的としています。
具体的な恩恵は多岐にわたります。例えばこれまでNFTマーケットプレイスでの購入には「承認トランザクション」と「購入トランザクション」の2ステップが必要でしたが、フレームトランザクションによりこれを1つのオンチェーン操作にまとめることができます。また、ガス抽象化のネイティブサポートにより、ETHではなくUSDCでミント代金を支払うことも可能になります。さらにマルチシグセキュリティの設定やNFTコントラクトへのミント権限の委任なども、単一トランザクションで完結します。
プライバシー面での革新も見逃せません。ゼロ知識証明を活用したバリデーションフレームにより、アドレスを明かすことなく資格を証明するプライベートミントが実現します。EEZとEIP-8141の組み合わせにより、EVM NFTを約10年にわたって制約してきた最大のUXの障壁が解消されると期待されています。
→参考リンク:The NFT UX Revolution
MegaETH Investor Memo—ローンチ後の振り返りと4月への展望
MegaETHは投資家向けメモで、ローンチ以来の進捗と率直な反省を公開しました。
チェーン面では、ホルダー収益ランキングで7位を達成し、ゼロダウンタイムを維持しています。$USDMの1:1ブリッジのローンチ、x402 v2準拠の達成、そしてMPP向けのユニバーサルEVM仕様の策定も進んでいます。エコシステム(Mafia)では、World Marketのパブリックオープン、Euphoriaの監査完了と正式ローンチへの移行、Hit OneへのGMX流動性統合(USDmを唯一のVault資産として採用)、Showdownのスプリングトーナメント完了、そしてOptionsプロトコルを構築するDreamの新規参加が報告されています。
一方、KPIベースのTGEについては率直な反省も述べられています。USDM 1:1ブリッジのローンチに3週間かかったことは許容できないレベルだったと認め、「スピードはパス依存である」として複数のマイルストーンを順番にこなす設計では1つのスリップが全体に波及すると指摘しています。またエコシステム構築には「巧みな調整」が必要であり、依存関係を減らしチームを整合させるための時に不快な決断が必要だとも述べています。現在の段階をコミュニティに十分に説明できなかったことで、沈黙が停滞と受け取られてしまったことも認めています。
そのうえで「これは変わりつつある」と宣言し、4月を転換点と位置づけています。多くのアプリケーションがパブリックリリースへ移行しており、DeFiフライホイールが形になり始めているとして、新プロダクトのリリース、新たなMafiaプロジェクトの紹介、実際の問題を解決するプリミティブのローンチを予告しています。
Virtuals事例—AIエージェントが自律的にオンチェーン決済を完了した瞬間
Virtuals Protocolのコアコントリビューターである@ethermageが公開した事例は、AIエージェント経済の実用化を象徴する出来事として注目を集めています。
Virtualsは、BaseチェーンでUSDCを通貨として使い、x402を介した初のオンチェーンロボット間商取引を実現しました。UnireeロボットがACPを通じて3Dプリントしたモデルの配送リクエストを出し、RiceAIのローバーが到着してパッケージを受け取り、移動させました。
この事例が革新的な理由は、人間の介在なしにロボットがオンチェーンで自律的に取引を完了したことにあります。Virtuals ProtocolのACP(エージェント・コマース・プロトコル)は、AIエージェントがお互いにサービスをリクエストし、条件を交渉し、作業を実行し、支払いをオンチェーンで決済する標準的なフレームワークです。すべての取引はリクエスト、交渉、エスクロー、作業納品、評価、決済というライフサイクルをたどります。
背景として、2026年2月にVirtualsはConsensus Hong KongでVirtuals Revenue Networkを発表し、ACPを通じてサービスを販売するエージェントに月最大100万ドルを分配する仕組みを立ち上げました。5つの専門エージェント(起業家、農家、弁護士、マーケター、評価者)がオンチェーンでレモネードスタンドの模擬運営を協調して行うデモも披露されました。
今回のロボット間取引はその延長線上にあり、デジタル空間でのエージェント間商取引が物理世界のロボティクスへと拡張されたことを示しています。@ethermageはこれに関連して「エージェンティック・ペイメントとx402が盛り上がっている」として、エージェント経済が成立するためにはエージェントが互いを発見し、信頼を構築し、価値を交換できる仕組みが必要だという考察も発信しています。 XAIエージェントが単なるアシスタントを超え、自律的な経済主体として機能し始めた瞬間を示すケーススタディといえます。
Eastworlds—ロボットを「ラボの外」へ送り出す体現型AIアクセラレーター
ヒューマノイドロボットや自律型ロボットへの注目が世界的に高まる一方で、多くのロボティクス企業が「実験室から現実世界への橋渡し」に苦労しています。Eastworldsは「ロボットがラボを離れる」ことを支援するプロジェクトです。ここでいう「ラボを離れる」とは、ロボットが現実世界で稼働し、実際の問題を解決し、経済的な価値を生み出せるようになることを指します。
プロジェクトは3つの柱で構成されています。
1つ目は「Build fast(速く作る)」——体現型AIアクセラレーターです。世界中のトップ人材を一か所に集め、研究者・エンジニア・創業者が並んで開発できる高密度な環境を提供します。チームには多段階の資金調達、ヒューマノイド・非ヒューマノイドのハードウェアへのアクセス、テレオペレーション・シミュレーション・ツールを含む完全なソフトウェアスタックが提供されます。
2つ目は「Deploy fast(速く展開する)」——フィジカルAI BPOです。BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)が従来は人間の労働を外部委託するモデルであったのに対し、フィジカルAI BPOはロボットをサービスとして展開し、小売・ホスピタリティ・セキュリティなどの業界で現実のタスクを実行させます。完全自律を待つことなく、テレオペレーションやハイブリッドシステムを今日から稼働させ、初日から価値を生み出せる点が特徴です。
3つ目は「Learn fast(速く学ぶ)」——体現型AIデータレイクです。実際の現場で稼働することで、ラボや模擬環境では得られないカオスで非構造的なリアルワールドデータを収集します。このデータが将来的にはVLA(Vision-Language-Action)システムやWorld Action Modelsの学習基盤となり、テレオペレーションから完全自律へのシフトを可能にします。
活用ユースケースとしては家事代行、小売、病院スタッフ支援、セキュリティ警備、廃棄物収集、ホテルのハウスキーピング、整備士、配管工、HVAC技術者、エンターテインメントなど幅広い領域を想定しています。
研究パートナーにはカーネギーメロン大学、オックスフォード大学、上海交通大学、南洋理工大学が名を連ねており、メンバー(Residents)にはVirtuals ProtocolやPrismaX、FrodoBots、ETH Zurichロボティクスクラブなどロボティクス・Web3領域の第一線で活躍する研究者・起業家が揃っています。Virtuals Protocolとのつながりも深く、前述のロボット間オンチェーン商取引のような事例とも密接に関連するプロジェクトといえます。
免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中にDapps、NFT、トークンを紹介することがありますが、勧誘目的は一切ありません。全て自己責任で購入、ご利用ください。
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Author:mitsui @web3リサーチャー
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