【Polygon vs Aave】Polygonのあるガバナンス提案を受けてPolygon上でNo.1のTVLを誇るAaveが撤退を示唆!?
PolygonからAaveが撤退を示唆し、Lidoは撤退を正式表明しました。Polygonに何が起こっているのでしょうか。
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
本日は「Polygon vs Aave」と題した記事です。直近のPolygonのとあるガバナンス提案を受けてAaveがPolygon撤退を示唆したのですが、ここで何が起こっているのかを解説します。
昨日のAIエージェントの記事が非常に好評でして、そのようなトレンドプロジェクトの紹介もしつつ、ブロックチェーンのガバナンス提案についての解説も行うという振り幅でニュースレターを運営しています。ぜひweb3をあらゆる角度から楽しむきっかけとしてご覧いただければと思います。
🟣12/12、Polygonにとあるガバナンス提案が提出
🔵12/13、AaveがPolygon撤退を示唆
🖊️Polygonの提案は撤回されるもAaveの動きを批判
💬ガバナンスはとても味わい深い
🟣12/12、Polygonにとあるガバナンス提案が提出
きっかけは12月12日にPre-PIPへ提出されたこちらの投稿です。
Pre-PIPとは、ポリゴン改善提案(Polygon Improvement Proposal)の事前チェック機能で、本格的にガバナンス投票にかける前にコミュニティの温度感の把握やフィードバックを受けるために実施される提案です。
そこに「Polygon PoSのブリッジ資金を運用する提案」が提出されました。
Polygonには現在$4.687bのブリッジ資金が存在します。この中でステーブルコインであるDAI、USDC、USDTのブリッジ資金がおよそ13億ドル存在するそうです。「このステーブルコインのブリッジ資金を運用しませんか?」という提案です。
提案主体は3者です。
Allez Labs:web3リスクプロバイダー
Morpho:DeFiレンディングプロトコル
Yearn:報酬プログラムマネージャー
提案内容のロジックを簡単に言えば、以下の通りです。(簡易化しているので詳細は元のガバナンス提案をご覧ください)
ステーブルコインの準備金は各資産タイプに固有のERC-4626 Vaultsに徐々に配分
DAI準備金はMakerのsUSDS Vaultsに保管され、USDCとUSDTはMorpho Vaultsを利用
これらのVaultsはAllezによってリスク管理される
生み出された収益はYearnのYearn Reward Contractへ送られる
そこからPolygon Ecosystem Vaultへ移動され、Polygon PoSとAggLayer全体に戦略的に展開される
整理すると以下のようなフローになります。
収益利回り:ステーブルコイン → ERC-4626 Vault(例:yeUSDC) → Morpho Vaultまたは sUSDS → 利回りを生成(年間約 7%)
分配利回り:収益 → Yeran → Polygon PoS へのブリッジ → Polygon エコシステムボールトへの預け入れ → ユーザー/プロジェクトへの報酬 → Polygon PoS と AggLayerでのDeFiの成長
これらを踏まえて提案内容を簡潔にまとめます。
Polygon PoSには約13億ドルのステーブルコインが存在し遊休状態にある
これを安全な運用戦略に回せば年間約7,000万ドルの機会費用に相当する
運用収益はPolygon PoS及びAggLayer全体のDeFiエコシステムに還元する
一見すると良さそうな提案ですが、この提案はコミュニティからも懸念が示され、またAaveの激しい非難に対象にもなりました。
🔵12/13、AaveがPolygon撤退を示唆
このPolygon内での提案を受けてすぐにAave内でPolygonからの撤退を示唆する提案が実施されました。
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