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【Plasmaの全て】概要・技術構成・チーム・変遷・メインネット後の動き・XPLトークン・Plasma Oneなど、全てを解説 / @Plasma

メインネット公開直後から数十億ドル規模の流動性と利用を獲得

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mitsui
Oct 01, 2025
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おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。

今日は「Plasma」についてリサーチしました。

Plasmaとは?
創業チーム
メインネット公開
独自トークンXPL
Plasma Oneとクレジットカード
ステーブルコインチェーンの勝者となるか


🧵TL;DR

  • PlasmaはUSDTを中心にしたステーブルコイン特化型のL1チェーンで、Ethereumの高コストやTronの集中化リスクを補完するために構築された。

  • PlasmaBFT・EVM互換・Bitcoinブリッジ・ゼロ手数料送金・カスタムガストークン・秘匿送金といった機能で、低コスト・高速かつユーザーに優しい決済インフラを提供する。

  • Tetherの支援を受けて資金調達・DeFi統合・Binance提携を進め、2025年9月25日のメインネット公開直後から数十億ドル規模の流動性と利用を獲得している。


Plasmaとは?

Plasmaは、ステーブルコイン(特にUSDT)取引に特化したレイヤー1ブロックチェーンです。

既存の汎用ブロックチェーン、特にステーブルコイン流通の主要な基盤であるEthereumやTronが、高頻度かつ大量のステーブルコイン決済に十分に最適化されていないという市場の非効率性を解決するために構築されました 。

Ethereumはトランザクションコストが高すぎるため反復的なUSD₮送金には不向きであり、Tronは効率的であるものの、集中化の懸念を抱いています 。

Plasmaは、ステーブルコイン活動に特化することで予測可能で低コスト、高速度の決済インフラを提供することを目的としています。

以下、その特徴となります。

PlasmaBFT

Plasmaチェーンは、Fast HotStuffをベースにしたBFT(ビザンチン障害耐性)コンセンサスを採用しています。これにより、極めて短い遅延でファイナリティ(取引の最終確定)が得られると同時に、高いスループットを実現します。つまり、ユーザーはブロック承認を待つ必要がほとんどなく、安定コインの即時送金や決済に最適化されたスピード感を享受できる仕組みです。

EVM Execution

実行環境には、Rustで書かれたRethベースのエンジンを採用し、Ethereum完全互換(EVM互換性)を実現しています。これにより、開発者はEthereum上で構築したスマートコントラクトやdAppをほぼそのままPlasmaに展開でき、既存の開発ツールやライブラリも活用できます。結果として、エコシステムの拡張が容易で、開発者にとって参入障壁の低い環境を提供しています。

Native Bitcoin Bridge

Plasmaは、MPC(マルチパーティ計算)ベリファイアを用いたBitcoinブリッジを備えており、ビットコイン資産を安全にPlasmaネットワークに持ち込むことが可能です。この仕組みでは、ビットコインをロックすることで、Plasma上にpBTCが発行され、LayerZeroのOFT(Omnichain Fungible Token)技術を通じて他チェーンとの相互運用性も確保されます。これにより、BTCがDeFiやスマートコントラクトに活用できる道が開かれます。

Zero-Fee USD₮ Transfers

Plasmaは、プロトコル管理型のペイマスターを組み込み、USDTの送金をガス代ゼロで実行できる仕組みを提供しています。ユーザーはXPLなどのネイティブトークンを持たなくても、USDTをそのまま相手に送ることができ、送金体験はまるでメッセージを送るかのようにシンプルです。なお、この無料送金にはアイデンティティベースのレート制限があり、スパム防止や悪用対策も考慮されています。

Custom Gas Tokens

Plasmaでは、ガス代の支払いにネイティブトークンXPL以外を使えるERC-20ペイマスターシステムを備えています。ユーザーはUSDTやBTCといった主要資産で直接ガスを支払うことが可能で、わざわざXPLを購入・保有する必要がありません。この仕組みによって、ユーザー体験が大幅に改善され、実需ユーザーにとってより直感的に利用できるブロックチェーン環境が整います。

Confidential Payments

Plasmaは秘匿送金モジュール(Confidential Payments)を組み込んでいます。これにより、USDTの送金において、金額や取引メタデータを隠す「シールド取引」が可能です。送金の存在は記録されつつも、具体的な金額などの情報は公開されないため、ユーザーのプライバシーが強化されます。規制遵守を維持しながらも、個人や企業の機密性を確保する仕組みとして期待されています。

まとめ

以上が主要な特徴ですので、最後に整理してみます。

Plasma以外にもステーブルコイン特化チェーンは数多く見られますが、技術構成はやや異なるかもしれませんが、基本的には近い特徴を持っています。


創業チーム

Plasmaの創業者兼CEOはPaul Faecks氏で、機関投資家向けDeFiプラットフォームのAlloyを共同創業しCEOも務めた経歴があります。また過去には暗号資産デリバティブ取引所Deribitでの勤務経験があり、ドイツのミュンヘン工科大学卒というバックグラウンドを持っています。

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