おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
土日のお昼はAIによるレポートを更新します。
普段は最新のトレンドや注目プロジェクトを紹介していますが、ここでは過去からの歴史を振り返る系の記事を投稿していきます。レビューはしていますが、一部内容に間違いがあるかもしれませんので、ご了承ください。
それではどうぞ!
NFTとは何か、その基本構造
NFT誕生以前の実験──Colored CoinsやCounterparty
イーサリアム時代の幕開け
初期の主要NFTプロジェクト
市場形成の背景:2018〜2020年の整備期
NFTをめぐる議論と課題
前編のまとめ/後編への布石
NFT(Non-Fungible Token)は、ブロックチェーン上で「唯一無二のデジタル所有権」を記録する技術です。2017年頃から徐々に注目され、2021年以降に多種多様なユースケースや巨大市場が形成されるまでに至りました。本記事(前編)では、誕生から黎明期までの歴史・技術背景を丁寧に振り返り、NFTとは何かを総合的に理解していきます。次回(後編)では2021年以降の爆発的ブームやPFP、メタバースなど多彩なユースケース、今後の展望を扱います。
NFTとは何か、その基本構造
NFTの定義と背景
NFTは、非代替性トークンを意味し、同じトークンでも一つひとつの個体が固有の情報を持ちます。ビットコインやイーサリアムのように「1BTC=1BTC」と交換可能な同質性(Fungible)を持つトークンとは異なり、NFTには一つひとつ異なるIDやメタデータが紐づけられ、交換不可なユニーク資産として扱われます。
NFTが注目される理由
デジタル資産に“本物の所有権”を付与
画像や動画、音楽、ゲームアイテムなど、従来はコピーや改ざんが簡単だったデジタルデータを“唯一無二”として証明できる。クリエイターやアーティストの新たな収益源
二次流通におけるロイヤリティ設計が可能となり、作者に継続的な収入をもたらす。ブロックチェーンによる透明性と公開性
誰でもトークンの所有履歴を検証でき、取引の正当性・真正性を担保できる。
NFT誕生以前の実験──Colored CoinsやCounterparty
Colored Coins (2012〜2013年頃)
ビットコインの初期コミュニティでは、特定コインを“着色”することで特別な資産を表すColored Coinsという概念が試みられました。これは「1BTCのうち一部を“着色”して、オンチェーンで固有の意味付けをする」という手法であり、限定的ながら“デジタル資産”を表現しようとした最初期の実験といえます。
CounterpartyとNamecoin
Counterparty: ビットコインのブロックチェーン上に発行する独自トークンの仕組みを提供し、“Rare Pepe Cards”などのミーム系トークンで知られた。
Namecoin: DNSの分散化を目的としたプロジェクトだが、“ユニークなドメイン名”をブロックチェーンで管理するアプローチはNFT的なアイデアに通じる部分があった。
当時は“NFT”という言葉や明確な規格は存在せず、ビットコインの拡張を模索する中で「ブロックチェーン上で固有資産を扱う」試みに注目が集まっていました。しかし技術的な制約や使い勝手の面で普及せず、やがてイーサリアムの登場を迎えることになります。
イーサリアム時代の幕開け
スマートコントラクトとトークン規格
イーサリアムは「任意のプログラムをブロックチェーンで動かせる」スマートコントラクトの仕組みを実装しました。これにより、独自トークンの発行や管理が極めて容易となり、先に普及したのが同質トークンであるERC-20規格でした。その後、非代替性を標準化するためのERC-721が提案され、2017年頃から本格的にNFTという概念が確立します。
CryptoKitties (2017年末)
一躍注目を浴びたNFTがCryptoKittiesでした。これは猫のキャラクターを“繁殖”させ、生成されたNFT猫を売買するゲームで、2017年末に大ブームを巻き起こし、イーサリアムのネットワークを混雑させるほどの人気を集めました。
画期的だった点
ゲーム内アイテムを「本当にユーザーが所有」する初めての大規模事例。
“猫”の特徴(毛色、性格など)がチェーン上で管理され、二度と同じ個体が生まれない。
価格の高騰と技術課題
初期の希少な猫は数十ETHで取引され、投機的な資金が流入。
イーサリアムのトランザクションが詰まり、ガス代が急騰するなどスケーラビリティ問題を露呈。
CryptoKittiesの成功で多くの開発者・投資家がNFTのポテンシャルを認識し、アートやゲーム、メタバース分野への応用が盛り上がるきっかけとなりました。
初期の主要NFTプロジェクト
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