【9/17(水)のweb3ニュース10選】Ethena財団、手数料スイッチの導入を目指す / Mapleの2億ドルのPlasma Vaultが瞬時に満杯に / Googleがステーブルコイン対応のAIエージェント間決済プロトコルを発表 etc..
10の主要ニュースを解説。
こんにちは.
web3リサーチャーのmitsuiです。
平日18時は主要ニュース10個ピックアップして解説します。
🏢Ethena財団、手数料スイッチの導入を目指す
Ethena Foundation はプロトコルの手数料スイッチの有効化がガバナンスに提案される予定であることを確認
今後ENA(またはsENA)保有者にプロトコルフィーの分配が行われる可能性がある
📦Mapleの2億ドルのPlasma Vaultが瞬時に満杯に
資産運用会社Maple FinanceによるPlasmaでのsyrupUSDTのローンチは好調なスタートを切り、火曜日の午前9時(東部標準時)のオープン直後にはほぼ満杯となった
この需要は、PlasmaのメインネットローンチとTGEに関連した報酬をVaultが提供し、参加者にXPLトークンが割り当てられることによるものと考えられる
🐳ビットコインのクジラが11年間の休眠を経て1億1600万ドル相当のBTCを移動
ビットコインの大口投資家が2014年1月以来初めて、1,000BTC(約1億1,660万ドル相当)を送金
クジラは保有するBTCのすべてを4つの新しいアドレスに移した
🐦⬛XRPの財務会社VivoPowerは、最新の購入はマイニングスワップを通じて実質的に65%の割引となると述べている
VivoPower International(ティッカーシンボル:VVPR)は火曜日、同社のマイニング部門であるCaret Digitalが事業を拡大し、採掘したトークンをXRPに交換すると発表
同社はこの動きにより、実質的に65%の割引でエクスポージャーを得ることができると主張している
🟩CircleがHyperliquidでネイティブにUSDCをリリース
Circle は、USDCトークンのネイティブ バージョンと、Hyperliquid の HyperEVM およびHyperCore プロトコル上で更新されたクロスチェーン転送プロトコルをリリース
この動きは、Hyperliquidがコミュニティが「Hyperliquidファースト、Hyperliquid準拠、かつ準拠のUSDステーブルコイン」USDHの発行者を選んだと発表した直後に起こった
📈ビットワイズ、トークン化とステーブルコインへの関心が高まる中、ETF提案を提出
資産運用会社ビットワイズは、トークン化分野への関心が高まる中、トークン化に重点を置いた上場投資信託の提案を提出した
提出書類によると、このETFが米証券取引委員会に承認されれば、「ステーブルコインの普及拡大、トークン化、金融資産の交換・決済方法の根本的な変化から恩恵を受ける資産へのエクスポージャーを提供する」投資となる
🤬ParaSwapはPSPユーティリティを終了、Veloraのブランド変更によりガバナンスがVLRトークンに移行
以前はParaSwapとして知られていたクロスチェーン取引プロトコルであるVeloraは、新しいVLRトークンをリリース
VLRのローンチにより、ガバナンス、ステーキング、報酬といったPSPのユーティリティは即時終了
Veloraは、ガス料金の廃止、Base上の統合ステーキングハブ、そしてインフレインセンティブではなくプロトコル収益に直接連動した報酬など、よりシンプルな構造へと移行
✈️アメックスがNFT旅行スタンプ「Amex Passport」提供開始、イーサL2「Base」とFireblocks採用で
米アメリカン・エキスプレスが、旅行履歴をNFTとして記録する新サービス「アメックス・パスポート(Amex Passport)」の提供開始を9月15日に発表
同サービスは、米国のカード会員を対象に、同社のモバイルアプリ内から利用できる
アメックス・パスポートは会員が130以上の国・地域で同社カードを使用した際に、自動でその訪問先を記録した「スタンプ」が付与される
スタンプはBase上にERC-721トークンのNFTとして発行される
🟦イーサリアム財団、プライバシー包括ロードマップ公開
イーサリアム財団のプライバシー・スケーリング・エクスプローレーションズ(PSE:Privacy & Scaling Explorations)チームが、プライバシー・スチュワーズ・オブ・イーサリアム(Privacy Stewards of Ethereum)へのリブランディングとともに、包括的なプライバシーロードマップを9月13日に公開した
このロードマップは、チームメンバーのサム・リチャーズ(Sam Richards)氏によって編纂され、イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏らからの貢献を受けたという
同チームは新しいミッションとして「イーサリアムのプライバシーロードマップの定義と実現を支援すること」を掲げた
おすすめ記事
Ethenaはステーブルコイン基盤で、暗号資産現物+先物ショートの“デルタニュートラル”で価値を保つUSDeを発行。2024年ローンチ後に急拡大し時価総額トップ3へ。
sUSDeはUSDeのステーク受益トークンで、LSTステーキング報酬+資金調達率/ベーシスを原資に利回りを分配(非常時はリザーブ基金で下支え)。“分散性・安定性・資本効率”のトリレンマ緩和を狙う設計。
エコシステムはENA/sENA(ガバナンス・報酬/エアドロ倍率)、Ethena Network(Ethereal/Derive)、L2 Converge、派生のUSDtb(国債裏付け)、tsUSDe(TON版)、iUSDe(機関向け)へ拡張。
🧵Pickup:Googleがステーブルコイン対応のAIエージェント間決済プロトコルを発表
🌱 ニュースの概要
Googleが「Agent Payments Protocol(AP2)」という、新しいAIエージェント間やエージェント⇔商人間の決済を安全に行うための共通プロトコルを発表しました。クレジットカード・デビットカード・銀行振込などの従来の決済手段に加えて、ステーブルコイン(暗号資産でドル等に連動するもの)にも対応しています。
このプロトコルは、“Mandates”と呼ばれる暗号署名付きのデジタル契約を使って、ユーザーがどのエージェントにどこまでの権限を与えているかを明確にし、決済の信頼性・透明性・安全性を高めることを目指しています。
また、ステーブルコイン対応部分では、Coinbase や Ethereum Foundation らとも協業しており、AP2の拡張として “x402” という機能が追加され、それによってエージェント間でステーブルコインを使った決済が可能になる実証デモなども紹介されています。
📗 前提知識
AIエージェント(agent):ユーザーに代わって情報を収集したり、取引を実行するプログラム。自律的に動くものも含む。
Mandate(マンダート):ユーザーとエージェント間で交わされる、意図や条件を明記した暗号署名付きの契約。購入の前段階での承認や後の検証に使われる。
👀 注目すべき点・詳細解説
支払手段の多様性:AP2 は伝統的なカード決済や銀行振込だけでなく、ステーブルコインなどの暗号資産を含む複数の支払手段をサポートしている点が新しい。これにより、AIエージェントが効率的に価値のやり取りをできるようになる。
権限・意図の明確化:“Intent Mandate”“Cart Mandate”といった段階を設け、ユーザーがエージェントに何をいつ、どのようにやってほしいかを明示し、それが契約上・技術上・証跡として残るようにしている。これがないと悪用リスクが高まる。
エージェント間取引:AP2の拡張である x402 によって、エージェント同士がステーブルコインでサービスを提供し/受け取る、あるいはマイクロペイメント(非常に小さな支払)を自動的にやり取りすることが可能に。これにより、従来手数料や遅延の問題があった取引が効率化される期待。
参加企業の多様さとオープン性:Adyen, American Express, Mastercard, PayPal, Etsy 等の伝統的な決済・商取引プレーヤー、そして Coinbase, Ethereum Foundation などの暗号資産関連団体が関わっており、オープンプロトコルとして仕様も公開されている。標準化の動きとして強い。
セキュリティ・監査可能性:“Mandates”による暗号署名・改ざん不可性、ユーザーの意図を証明する証跡の整備など、リスク管理・不正防止の構造をプロトコルに組み込んでいる点。
📈 今後の展望
ステーブルコインおよびブロックチェーン基盤を使ったエージェント間決済の商用利用拡大:特にマイクロサービス、マイクロタスク、プロキシによる代理購買など、エージェントが自律的に取引を行う用途での採用増が見込まれます。
法律・規制の整備 の動きが重要に:ステーブルコインや暗号資産を決済手段に含めることで、マネーロンダリング防止、資産の信頼性、消費者保護等の法的枠組みの明確化が必要となる。国・地域によって規制が異なるので、国際展開などで調整が課題。
標準化と相互運用性 の深まり:多くの企業が参加していることから、AP2 を中心とする標準が、AIエージェント業界・決済業界での基盤仕様になる可能性がある。異なるエージェント同士、異なる支払手段プロバイダーとの連携が鍵。
ユーザー体験の改善:エージェントが「いつどこまでの権限を持っているか」が明確なことで、ユーザー側の信頼獲得が期待される。また、決済過程が透明・簡略になることで、エージェントを使った購買プロセスがより自然に。
技術的な課題 の克服:ステーブルコインを使った決済のスケーラビリティ、手数料、確実な決済最終性(finality)、ブロックチェーンネットワークの混雑等が実際の運用で試される。
免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中にDapps、NFT、トークンを紹介することがありますが、勧誘目的は一切ありません。全て自己責任で購入、ご利用ください。
🗓️イベント日程
DAT(Digital Asset Treasury)について、0から解説するウェビナーです。
DATは端的に言えば、メタプラネットのようなクリプトをとにかく購入しまくる上場企業で、BTCトレジャリーカンパニーやクリプトトレジャリーカンパニーとも言われます。最近は"DAT"という名称が定着しつつあるので、それを使いました。
・なぜ流行っているのか?
・どうやって資金調達しているのか?
・事業スキームとは?
・BTC以外のSOL、ETHの盛り上がりは?
・さらにそれ以外のENA、IP、HYPE等の盛り上がりは?
etc...
0から理解できるような勉強会を想定しています。
参加費無料でオンライン開催ですので、ぜひお気軽にご参加ください!
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