【MOOAR】PF手数料0%、STEPN運営会社が手がける世界初の会員制NFTマーケットプレイス
「MOOAR」は、STEPN運営会社のFind Satoshi Lab (FSL)が開発・運営するNFTマーケットプレイスです。従来のマーケットプレイスと異なり、プラットフォーム手数料が0%、月額会員制のモデルを取っています。
おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
今日は「MOOAR」についてリサーチしました。
«目次»
1、MOOARとは?
- 月額29.9ドルで利用可能
- 手数料
- PFP特化
- 会員制マーケットプレイス設立の理由
- その他
2、ビジネスとしてweb3は成り立つか?
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MOOARとは?
「MOOAR」は、STEPN運営会社のFind Satoshi Lab (FSL)が開発・運営するNFTマーケットプレイスです。従来のマーケットプレイスと異なり、プラットフォーム手数料が0%、月額会員制のモデルを取っています。
https://mooar.com/home/default
■月額29.9ドルで利用可能
MOOAR最大の特徴は月額会員制で利用できるところ。
MOOARで出品するクリエイター、そして売買するユーザーはどちらも月額会員になる必要がある。
取引すればするほど、メンバーシップのレベルが上がり、多数の特典が受けられる仕組みになっている。
■手数料
プラットフォーム手数料が0%。(OpneSeaは2.5%で、通常のNFTマーケットプレイスは存在する。)
ロイヤリティは0.5%~10%で設定できる。デフォルトは2%。
■PFP特化
PFP(プロフィールピクチャ)のNFTに特化したマーケットプレイス。
Find Satoshi Lab(運営会社)としてのミッションがweb3にアクセスする人間の増加、ユースケースの構築なので、NFTの中でも馴染みが深く、取扱高が高いPFPに特化。
PFPプロジェクトのためのLaunchpadも用意されており、STEPNの独自トークンである”GMT”が投票に利用できる。
(Launchpadの詳細の仕組みはこちらを参照ください。)
■会員制マーケットプレイス設立の理由
ここ最近、NFTマーケットプレイスでは「プラットフォーム手数料」や「ロイヤリティ報酬」の有無についての議論が活発にされている。
売買を活発に行うトレーダーのためにロイヤリティ報酬をなくすマーケットプレイスも現れている。
しかし、真にクリエイターのことを考えると、その判断はNFTマーケットを終焉に導くと考えている。クリエイターあってのNFTマーケットである。
クリエイターがNFTを活用してしっかりと収益を得られるような基盤を構築するために、ロイヤリティ報酬は残し、プラットフォーム手数料を0円とした。
コストコ(会員制スーパー)のビジネスモデルも参考にし、会員制NFTマーケットプレイスにすることで、運営のための収益を手に入れることができると考えた。
クリエイターは会員費用を支払う必要があるが、たった月額2.99ドルであるため、活発に売買されるNFTマーケットプレイスであればすぐに元が取れる金額である。
また、月額会員費用を貰うことで、ユーザーに対しての還元にも資金を使うことができるようになる。
そのためのローンチパッドであり、優れたPFPに気軽にアクセスできる権利を付与できる場所にしていきたい。
(詳細はこちらのMediumをご覧ください)
■その他
NFTはETHかSolanaチェーン。
12/7時点で、第一弾のLaunchpadの投票中。
月額会員費用はUSDCで支払い。
FSLが運営するSTEPNや分散型取引所DOOARとも連携し、web3にアクセスする人口を増やすためのエコシステムを構築していく予定。
ビジネスとしてweb3は成り立つか?
個人的に、FSLはビジネスとしてweb3は成立するか否かを検証している最先端の企業の一つだと感じています。
STEPNを爆発的に普及させ、ちゃんと収益を出しました。しかし、STEPNのバブルは一過性のものであり、M2Eであそこまで稼ぎ続けることは不可能でした。
運営側は儲けるための場所ではなく、あくまで健康になってもらい、少しだけインセンティブがあるような場所ですよとアナウンスしてましたが、完全にバブルになって勝手に弾けてしまいました。
ただ、そこから「MOOAR」をリリースし、GMTトークンと絡ませているところはさすがだなと感じました。
そもそもMOOAR単体のビジネスモデルも興味深いです。
コストコのような会員制スーパーだけでなく、会員制ECは最近流行り始めています。月額費用をもらうことで、圧倒的に安く商品を提供できます。そして、マネタイズとしても安定するので、追加投資がしやすく、ビジネスとして成り立ちやすいです。
この流行の背景には「人々が月額制(サブスク)に慣れた」ことがあると思ってます。その結果、「あれ、月額制ECの方がお得じゃね!」と判断する人も増えました。
また、ECのマーケットプレイスに関しても、出品者をとどめておくための努力が増えている印象です。マーケットプレイスからしたら大きな売上を出す企業が稼ぎ頭ですが、そういう企業からすれば独自でEC作っちゃった方がお得なんですね。
なので、BASEも月額会員制で手数料が安くなるプランをリリースしています。
NFTのマーケットプレイスもまさにこれが当てはまっており、BAYCが独自マーケットプレイスを作ったことが少し前に話題になりました。
今後おそらくこの流れは加速し、BAYC・CryptoPunks・Azuki・CLONE Xなど、ブルーチップと呼ばれる巨大NFTプロジェクトは手数料問題(とNFTマーケットプレイスのルール変更等のリスク)から逃れるために独自のマーケットプレイスを作り始めるでしょう。
しかし、既存のマーケットプレイスからすればそれは売上的にだいぶ痛いです。そして、そういったプロジェクトによってマーケットプレイスへの集客がされ、他のプロジェクトへの恩恵もあったはずです。ブルーチップがいなくなることは、売上的にも集客的にもかなりマイナスで、負のスパイラルに突入します。
その未来を考えると「MOOAR」の会員制はかなり当たりそうです。ブルーチップほど会員制の方がお得なので。
たとえば、Bored Ape Yacht Club (BAYC) NFT を 60 ETH で 2% のプラットフォーム手数料を請求する市場で取引した場合、その手数料は、その取引だけで5 年間のMOOAR メンバーシップをカバーします。(こちらから引用)
公式のMediumからの引用ですが、月額会員費用の紹介の際に、必ずBAYCの例を持ち出します。これはおそらく、ブルーチップ系のNFTヘのアピールだと思います。BAYCのような巨大NFTプロジェクトにとって魅力的なマーケットプレイスだよ!を伝えたいのかなと思います。
そして、ブルーチップがMOOAに来れば、集客も期待できユーザーが集まります。ユーザーが集まれば月額会員が増えて収益も安定します。そして、その資金で新しいPFPのスターを生み出す余裕(ローンチパッド)ができ、さらにユーザーの集客ができます。
そして、このマーケットプレイスとSTEPNの独自トークンを絡ませることで、STEPN自体の価値向上にもつながっていきます。ちゃんと自分達のプロダクトを使ってトークンエコノミクスが出来上がるような設計がされています。
改めてですが、ちゃんとweb2時代の勝ち方を熟知した企業として、web3にがっつり参入してきてる気がして、すごいなと感じてます。web2の匂いを感じさせずweb3の文化に合わせているんだけど、マネタイズや経営戦略が緻密に組まれている。すごい。
もちろん勝手な考察なので背景はわかりませんが、web3時代の最先端を走る会社として、引き続きリサーチしていきたいなと感じました!
MOOAR
・HP:https://mooar.com/home/default
・Twitter:https://twitter.com/mooarofficial
・Medium:https://mooarofficial.medium.com/
・Litepaper:https://mooar.com/paper
※リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。)
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ご覧いただきありがとうございました!
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mitsui @web3リサーチャー
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