おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
今日は「MicDrop」というプロジェクトを運営するYUMAさんにインタビューさせていただき、その内容も踏まえて概要から展望までを解説していきます。
※1)インタビューでの回答と一言一句同じではなく、わかりやすいよう少し加筆修正をしています。ただ、本人に確認いただいているので内容に相違はありません。
※2)細かい技術的な説明は省き、概要が理解できるように意識して書かれた記事となっています。
«目次»
1、MicDrop とは?
- Q.「どこでマネタイズを考えていますか?」
- Q.「ブロックチェーンでプロダクトを作る経営的なメリットは?(Web2のライブ配信アプリはすごく利益が上がってるから、そっちの方が良いプロダクトを作れるのでは?)」
- Q.「開発やDLが大変なアプリから始めた理由はありますか?」
2、設立背景
3、展望
- DLリンク
4、web3ならではの経営戦略
MicDrop とは?
「MicDrop」は、ブロックチェーンを活用したライブ配信のモバイルアプリです。
専用アプリでライブ配信を行うと独自トークンやNFTのギフトを獲得できます(尚、現状はテストネットで提供しているので換金できるトークンではないが、今後は独自トークンで獲得できるようになります)。
現在獲得できる報酬(トークンやNFT)は、視聴者から贈られるギフトNFTと、ライブ配信で参加者を取り持つことに対して発生する報酬(トークン)の2種類です。
配信のためにはNFTのマイクを購入して、それを購入した人が配信が可能となっています。現状はテスト期間のため、数を絞って20個ほどを配布や販売しています。
■Q.「どこでマネタイズを考えていますか?」
視聴者が配信者にNFTのギフトを送れるようになっているので、そのNFTの決済手数料を貰うことを考えている。
現在はまだ実装されていないが、例えばライブ配信のアーカイブを残せるなど、機能追加に対して課金できるようにしてく。
■Q.「ブロックチェーンでプロダクトを作る経営的なメリットは?(Web2のライブ配信アプリはすごく利益が上がってるから、そっちの方が良いプロダクトを作れるのでは?)」
非常によくわかる話です、、。
(分散性とか透明性とか配信者への還元とかその辺りを抜きにしてマネタイズだけを比較した時でも)確かに同じだけの規模ではWeb2のサービスの方が儲かるが、単純にその経済圏を10倍にして、その10分の1を持っていたほうが収益が上がるのではないかと思っている。
具体的には、ゲームギルドをライバー事務所や番組制作局のようにすることで、営業代行を雇うことなく配信者獲得を目指せるかもしれない。
配信に必要なマイクNFTは有料だが、スカラーシップを導入することで、配信者が無料で始めつつ、貸主は稼げる配信者を探すインセンティブが働く。
つまり、web3によってインセンティブをばらけさせることによって、Web2よりもスモールチームで大きな規模に素早く達するのではないかと思っています。
■Q.「開発やDLが大変なアプリから始めた理由はありますか?」
例えば、Discord内でMVP検証は可能かもしれませんが、プラットフォーム依存のサービスをしたくないと思った。
今はTwitterもガチャガチャ変わってるからプラットフォームがどうなるかわからない。
そして、自分達として独自プラットフォームを作りたいと思っているし、web3の人以外にも知って欲しいので、アプリにした。
設立背景
設立背景についてもお聞きしました。箇条書きで紹介します!
子供の頃からオンラインゲームが好きで、オンライン上のコミュニティにいる時間が長く、コミュニティ系のwebサービスも好きだった。
そういうインターネット×コミュニティ領域で何かやりたいと思っていた。
その中でライブ配信サービスになった理由は、以前、業務委託でAbemaTVとANYCOLORにいて、アシスタントプロデューサーをやっていた時に、配信者と出演者に利益相反があると感じたところにある。
例えばテレビでは、出演者のギャラを安く抑えて高い数字を出すことが正解。
従来のプラットフォームは、配信者が増えるとプラットフォーム側が特に儲かる。
また、いきなり手数料が変化するなどした場合も、配信者が抵抗しづらい。
そういった現状を変えるために、ブロックチェーンを活用したライブ配信サービスを思いついた。
ブロックチェーンを活用することで、配信者とプラットフォーマーの利益が共通になる。
展望
最後に展望をお聞きしました。
単純に配信プラットフォームとして大きくしていきたい。
既存の配信アプリをやっている方を巻き込んで、自社を使ってもらえるようにしていく。
今は検証段階で、配信アプリとして成立するかをテストしている。この期間は半年くらいを想定している。
その後はメインネットに上場し、ジェネラィブでマイクを販売予定。
エンジニアとデザイナーを探しています!
■DLリンク
β版はこちらのリンクよりダウンロードできます!
・iOS https://apps.apple.com/us/app/micdrop-audio-live-streming/id6444851022…
・Android https://play.google.com/store/apps/details?id=link.micdrop.app…
«参考リンク»
・Twitter:https://twitter.com/micdrop_web3
・ファウンダーTwitter:https://twitter.com/iwhododo
web3ならではの経営戦略
ここからはインタビューさせていただいた感想を書きます。
個人的にweb3の思想は好きですが、資本主義の中で既存サービスに勝てないとWeb2.0に勝つことはできないと思っています。企業が利益を上げ続けることで既存サービスに巨額の投資ができますし、ユーザーは安価で便利なサービスを享受することができます。
web3の思想の反対にある中央集権サービスですが、便利なことは事実で、そこから目を背けてマスアダプションは実現できません。
その中で、web3を活用することで新しいユーザー体験を生み出すことはもちろん、その経営戦略においてWeb2.0に勝てる可能性があるということを、インタビュー通して感じるようになりました。
例えば、Blurはトークンのインセンティブを活用して、OpenSeaを一気に抜き去りました。これはweb3的な経営戦略によって一気にスピードアップすることができました。
この辺りは今後も検証が必要な領域でありながら、非常に可能性が高い領域だと感じました。
以上、「MicDrop」のYUMAさんにインタビューさせていただきました!
ありがとうございました!
免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中にDapps、NFT、トークンを紹介することがありますが、勧誘目的は一切ありません。全て自己責任で購入、ご利用ください。
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