【MegaETH】世界初のリアルタイム・ブロックチェーンを実現するETH L2チェーン / Web2同等のスケーラビリティを実現 / @megaeth_labs
Vitalikも出資する要注目のL2チェーンです。
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「MegaETH」についてリサーチしました。
🐰MegaETHとは?
⚙️技術詳細
🚩変遷と資金調達情報
💧MegaETHエコシステム
💬MegaETHはスケーラビリティ問題を解決するのか
🐰MegaETHとは?
「MegaETH」は、「世界初のリアルタイム・ブロックチェーン」を掲げるイーサリアムのL2プロジェクトです。
簡単に言えば、凄まじく早いL2を作ろうとしているプロジェクトですが、その速度をWeb2並にしようとしています。具体的にはサブミリ秒(1ms未満)のレイテンシと秒間10万件以上(100,000 TPS)のトランザクション処理を目標としています。
以下が既存ブロックチェーンとのブロックタイムの差です。L2のBaseや超高速とされる次世代ブロックチェーンMonadとも大きく差をつけてぶっちぎりで早いです。
これをWeb2サービスと比較してみます。クレジット決済、インスタグラムのストーリーなどよりも早く、Discordメッセージの処理速度と同等のスピードでトランザクションが完了するとのことです。
MegaETHの究極の目的は、リアルタイムのトランザクション処理と確定をブロックチェーン上で可能にし、これまで不可能だった新しいアプリケーション分野を切り拓くことです。
例えば、超高頻度取引(HFT)ではミリ秒単位での注文処理・キャンセルが求められ、またリアルタイム対戦ゲームや物理シミュレーションなどでは高速な状態更新が必要ですが、現在のブロックチェーンでは難しいとされています。MegaETHはこれら高スループット・低遅延を要する金融取引やリアルタイムゲーム、コンシューマ向けアプリなどでの活用を見据えており、ブロックチェーン技術の新たなユースケース(消費者向けアプリケーション領域)を構築することを狙っています。
また、Ethereumのビジョンは「The World Computer」になることですが、MegaETHはその名前からも分かる通り、Ethereumに敬意を払っており、そのビジョンを真に実現しようとしています。
⚙️技術詳細
では、これを実現する技術について解説します。ここはとても難しいので、簡易的な説明に留めます。詳細が気になる方はホワイトペーパーをご覧ください。
現在のブロックチェーンが抱える課題
まずは既存の課題から入ります。
○低いトランザクション処理能力(スループット)
多くのEVMチェーンは1秒あたり数百~数千TPS(Transactions Per Second)程度にとどまり、Web2のデータベースサーバーが達成する数十万~数百万TPSとは大きな差があります。
例えば、
opBNBのガスレート100MGas/sでも、実際のUniswapスワップ回数は1秒あたり約650回に相当
一方でWeb2のデータベースサーバーはTPC-Cベンチマークで1秒あたり100万回以上の処理が可能
この差が大きすぎるため、ブロックチェーン上では大規模アプリケーション(高頻度取引、フルオンチェーンゲームなど)を十分に動かせず、依然としてトランザクション処理能力がボトルネックとなっています。
○不足するオンチェーン計算能力
EVM上で大きな計算を伴う高度なアプリケーションを動かす場合、ガス量や演算速度の制約からオンチェーン実行が極度に遅い・コスト高いという問題があります。
例えば、
opBNBチェーン上で n=10^8 のフィボナッチ計算を行うと約55億ガスを消費し、チェーン全体を55秒間塞いでしまう
同じ処理をC言語で書いた場合、単一CPUコアでも30ミリ秒で完了
ブロックチェーンを支えるEVM実行性能がWeb2サーバーに比べて1~2桁以上低いため、計算負荷の大きいアプリはほとんどがオフチェーン集中処理に頼らざるを得ませんでした。
○長いブロック時間によるリアルタイム性の欠如
既存の多くのチェーンは1秒単位あるいは数秒単位のブロック生成間隔をもっています。これでは高頻度取引(HFT)やリアルタイムゲームのように、10ミリ秒以内に注文やキャンセルを行う、100ミリ秒以下の短い周期で状態をアップデートする、といった要求に対応できず、ブロックチェーン上での即時性が必要なアプリケーションは実質的に不可能でした。
MegaETHの解決策
これらの問題に対して、MegaETHは以下の3要素を中心にWeb2レベルのリアルタイム性能をブロックチェーンにもたらします。
高スループット(大量TPSを捌ける)
十分なオンチェーン計算能力
ミリ秒間隔でのブロック生成
これを実現するための設計上の最大の特徴は、L2という「ノード特化型」のパラダイムをフルに活用し、以下のように各ノードの役割を分割・最適化している点です。
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