【LooksRare】24h取扱高がOpenSea超えを記録!!NFTマーケットプレイスの争いはどうなるのか?
「LooksRare(ルックスレア)」は、2022年1月に誕生した分散型のNFTマーケットプレイスです。
おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
今日は「LooksRare」というNFTマーケットプレイスについてリサーチしました。
«目次»
1、LooksRare とは?
2、NFTの互換性はマーケットプレイスの立場を弱くする
LooksRare とは?
「LooksRare(ルックスレア)」は、2022年1月に誕生した分散型のNFTマーケットプレイスです。
EthのNFTであれば誰でも売買が可能です。LookeRare時代にNFT発行の機能はありませんが、LooksRareに対応しているManifold Studioを利用するよう案内されます。
“分散型”と表現する通り、その運営はコミュニティードリブンを謳っており、独自トークン「LOOKS」を発行し、コミュニティーに配布しています。
まだガバナンストークンとしての実装はされていませんが、今後はLOOKSがガバナンストークンとして機能していくことが予定されています。LOOKSトークンは取引所での購入、LOOKSステーキング、一定額以上でのNFT売買をすることで報酬としてゲットできます。
NFT取引手数料は2%であり、OpenSeaの2.5%より低い数値となっています。そして、取引手数料の100%は、LOOKSステーカーによって分配されます。
そんなLooksRareはリリース後、急速にシェアを拡大し、2022年1月12日、OpneSeaの1日あたりの取扱高を上回ったことでも話題となりました。
これはLooksRareが仕掛けたマーケティング戦略によるものだとされています。
LooksRareはリリース時、「OpenSeaで3ETH以上の取引をしたことがあるユーザーへ向けて、独自トークンのLOOKSをエアドロップ」しました。
つまり、過去にOpenSeaで活発に取引した優良顧客を奪うことを目的に独自トークンを配布したわけです。そして、取引手数料をOpenSeaの2.5%より安い2%に設定しています。
このように特定の企業やコミュニティーからそのユーザーを奪い取ることを「ヴァンパイアアタック」と呼びますが、LooksRareのマーケティング戦略はまさにそう呼ばれています。
しかし、ここ最近は新興NFTマーケットプレイス「Blur」の勢いに負けており、そのシェアはあまり伸びていません。(Blurの勢いすごいな、、今度Blurについても解説記事書きます!)
個人的には、Uniswap等のDEXでもNFT取引が開始されるようになり、分散型のNFTマーケットプレイスの独自性が少し薄れてきたようには感じます。ただ、依然として高い取扱高を誇ることは事実なので、今後の躍進にも期待したいです!
NFTの互換性はマーケットプレイスの立場を弱くする
さて、ここからはリサーチした感想を書きます。
NFTマーケットプレイスの争いも激しくなってきましたね。とはいえ、有名所は名前は知ってるものの、その特徴や創業からの変遷を詳しくは知らないので一個ずつ解説記事を書いていこうとは思っています。その上でまた感じることを書くつもりです。
ただ、現状でNFTマーケットプレイスについて思うことを書いてみます。
まず、実はNFTマーケットプレイスは凄く可能性はありつつもかなり難しい事業領域なのだとうと感じます。
理由は幾つかありますが、その最たるものは「ユーザーの囲い込みが弱いので、競合優位性となるネットワーク効果が築きづらい」点にあると思っています。
マーケットプレイスの事業は鶏卵理論で、買い手が集まらないと売り手も集まりませんが、売り手がいないと買い手も集まりません。なので集めるのが大変なのですが、逆に言えば一回集めてしまえば、それが競合優位性となります。買い手が集まる場所に売り手は出店したいので多少の手数料がかかったとしてもそれは広告費だと割り切れます。
BASEやShopifyの方が手数料は安いけど、集客を考えてAmazonや楽天に出店するようなものです。
ただ、NFTマーケットプレイスはこれまでのマーケットプレイスの競合優位性が機能しづらいです。
まず買い手はウォレットコネクトだけで簡単にアカウント作成でき、購入したNFTのデータはウォレットに入ってるので別のマーケットプレイスへの移行コストが劇的に低いです。
そして売り手もOpenSeaの共用コントラクトだと少しめんどくさいかもしれませんが、独自コントラクトで作成したNFTをOpenSeaに出しているのであれば、並行して別のマーケットプレイスでも出品できますし、独自マーケットプレイスの構築も容易にできます。
2日前に、Solana のトップ NFT プロジェクトである DeGods と Y00ts が、それぞれ Ethereum (ETH) と Polygon (MATIC) に移行することを発表し話題となりました。
このように、売り手のNFTプロジェクト側はある程度有名となれば、自分たちでチェーンやマーケットプレイスを選定できますし、BAYCのように手数料が高いマーケットプレイスではなく独自マーケットプレイスを構築する動きを見せます。
NFTの互換性や相互運用性、個人にデータの主権があることは大きな特徴の1つですが、これによって、事業者側は今までの競合優位性を築くことができず、新しい戦略を構築することが求められます。
且つ、技術の多くもオープンソース化されているので、同じようなUIとUXとなってしまう。そうすると単純に”手数料勝負”になり、手数料無料のBlurが無双することになっています。
では、NFTマーケットプレイスの勝ち筋はどこにあるのか。
もしかしたら未だない他には真似できないUXを開発するチームが生まれるかもしれないので、そこは一つ可能性としてあります。ただ個人的にはやはり事業の勝ち筋は圧倒的な競合優位性を築くことであり、ネットワーク効果を最大化することにあると思っています。
結論、NFTマーケットプレイスの競合優位性は「独自トークンの配布及びトークンエコノミクス」にあると僕は思っています。
売り手にも買い手にも独自トークンを配布しまくると競合優位性が築けます。例えば、僕はOpenSeaにおいて買い手ですが、今は別にNFT買う場所にこだわりはありません。
ただ、OpenSeaトークンを多く保有しており、OpenSeaで購入すれば他よりもトークン貰えて、自身が持つOpenSeaトークンの価値も向上する可能性があるなら、OpenSeaを積極的に使います。そういう買い手が多くなれば、売り手側もOpenSeaなら買われる確率が高いので、出品しやすくなります。且つ、売り手にも出品や売買成立時にOpenSeaトークンを配布し続ければOpenSeaで取引するメリットが高まり続けます。
LooksRareはすでに独自トークンを配布しており、Blurも来年に独自トークンを配布することを予定しています。個人的には、このトークンエコノミクスの設計に勝ち筋がありそうだなと思っています。(トークンエコノミクスの設計方法に詳しくないので、どのように設計すればいいのかはまだ思いついていませんが)
これはNFTマーケットプレイスだけの話ではありませんが、web3でも結局はビジネスの世界なので、そこを勉強しつつ、web3ネイティブの戦略に置き換えることを最初に発明した事業者が勝ちそうです。
今後も引き続き注目していきます!
以上、今日はNFTマーケットプレイス「LooksRare」についてリサーチしました!
免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中にDapps、NFT、トークンを紹介することがありますが、勧誘目的は一切ありません。全て自己責任で購入、ご利用ください。
■参考リンク
・HP:https://looksrare.org/ja
・doc:https://docs.looksrare.org/guides/welcome
■ライター情報
mitsui @web3リサーチャー
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