【Kitaro World Official】NFTホルダーにライセンスフィーを渡す!?新しい組織の形になるかも知れないNFTプロジェクト。
「Kitaro World Official(喜多郎 ワールド オフィシャル)」とは、”喜多郎”というキャラクターのバージョン違い7,777体を販売するNFTプロジェクトです。
おはようございます。
web3researcherの三井です。
今日は「Kitaro World Official」というNFTプロジェクトについてリサーチしました。
Kitaro World Officialとは?
「Kitaro World Official(喜多郎 ワールド オフィシャル)」とは、”喜多郎”というキャラクターのバージョン違い7,777体を販売するNFTプロジェクトです。
アメリカ発のプロジェクトですが、日本が舞台の設定であり、そのネーミングや世界観は日本から影響を受けていると考えられます。
■ストーリー
喜多郎は、紀元前1600年に日本の東京で発見された古代生物についての物語です。主人公の喜多郎は、7777人のバージョンの自分が存在する多元宇宙を発見し、それぞれが独自の物語と経験を生み出します。彼はタイムラインを行き来しながら、敵役(長い間行方不明だった親しい人)が障害を克服するのを助け、後に彼の豊かな先祖を明らかにします。
(引用:Kitaro World 喜多郎)
■販売方法
22年9月27日にmintされました。プレセールが0.007 Ethで午後2時から、パブリックセールが0.009 Ethで午後5時から行われました。基本英語の表記ですが、画像に日本語で「おめでとう」と入っているので、ここでも日本向けを意識していることが見受けられます。(HP上や他のクリエイティブも同じような感じでした。)
28日現在のフロア価格は0.03Ethでパブリックセールの販売額からおよそ3倍、トータルボリュームは124Ethとなっており、OpenSeaの世界トレンドランキングでも上位を記録していました。
https://opensea.io/collection/kitaroworldofficial
NFTホルダーにライセンスフィーを渡す!?
このプロジェクトの最大の特徴は、NFTホルダーに対してのユーティリティにあります。
HP上に記載されているユーティリティは2つです。
商業権(Commercial Rights)
Tシャツやおもちゃの印刷など、保有するNFTのあらゆる商業的な展開が可能となります。ライセンスの機会(Licensing Opportunities)
喜多郎プロジェクトで今後販売していくあらゆる商品のライセンスフィーを受け取れる機会を得ます。
1の商業権は多くのNFTでもユーティリティにあるので珍しくありませんが、2のライセンスの機会が特徴です。
例えば、現在予定されている「喜多郎の塗り絵」に関しても、5~10名のNFTホルダーを抽選で決定し、その選ばれた人には塗り絵の売上から永久的にライセンスフィーが支払われます。
その後も、おもちゃ製作等のグッズ製作のたびにライセンスを得られる機会がNFTホルダーには与えられます。
ライセンスフィー付きのNFT販売はおそらく証券に該当し、違法になる可能性があるので、あくまで”ライセンスの機会”が得られる(抽選に参加できる)のがNFTホルダーへの特権なのだと思われます。NFTが売買された時にその権利がどうなるのか等の細かい仕様は気になりますが、かなり挑戦的な取り組みです。
また、そういったライセンスの機会を積極的に提供していくプロジェクトであるため、「web3型ではなく、web2でのフィジカルなプロダクト制作に力を入れていく」ことが明言されています。
「KITARO」は、Web2とWeb3の間のギャップを埋めることで、デジタルアセットを収集するのが初めての方にもシームレスな導入体験をしていただけます。
私たちのスタジオでは、有形製品を並行してリリースすることが重要であり、一方で、アイテムの販売を通じて永続的にロイヤリティを得ることができるなど、これらのオブジェクトに結びついたWeb3のユーティリティを提供します。(HPより)
加えて、HP上にショップの絵もあり、今後このECサイトにどんどん商品が追加されていくことが予想されます。
新しいIP作り、組織の形
法律的にどこまで合法なのか、そして今後どうなるのかはまだ始まったばかりなのでわかりません。ただ、物凄く新しいIP作りの形だと感じました。今までもNFTプロジェクトでIPを作る取り組みは多くありましたが、ライセンスの機会提供まで行っているプロジェクトは僕の知る範囲ではありませんでした。
これはかなりDAOとも違う、新しい組織の形だと思いました。
基本はトップダウンでIPも世界観も構築しつつ、その権利をかなり分散することで、これを使って稼げると考えた人たちが集まり、勝手に広げて勝手に稼いでくれる。その結果、プロジェクト自体の認知度も上がり資金も入ってくるので次の展開もできる。そのループがくるくると回っていきます。
例えるならこれ、プラットフォーム戦略に近いかもしれません。YouTubeは圧倒的に稼げる場所を用意することで頭が良い優秀なプレイヤーを招致し、勝手に成長サイクルがくるくると回り続けています。TikTokもそうですね。
YouTubeの切り抜きの仕組みにも近いかもしれません。元となる素材には一切関与させずに中央集権で作成する。ただ、その二次利用や二次利用で得た収益は受け取っていいよ!という仕組みです。切り抜きが盛り上がれば盛り上がるほど、本人の認知度も上がるし、収益分配も得られるので資金の確保もできます。
これは株式会社でもDAOでもない、新しい組織の形です。
そして、web3を活用した株式会社の形はこの辺に着地するのではないかと個人的には思っています。大元の権利と世界観や設定は会社で保有し成長させ、その他の使用権や拡散はNFTを絡めて多くの人と共同で実施する。そして、収益をみんなで分配していく。こういう形です。
おそらく、このプロジェクトはNFTを活用しビジネスとして当てにいってるゴリゴリのビジネスマンが作っている気がしてます。コンセプトの作り方やプロジェクトの仕組みから、根拠はありませんがそんな匂いがしました。
ただ、もちろんそれがダメなわけではなく、圧倒的な結果を出したチームがいるからこそ、時代はそっちに流れていくので、これはその始まりかもしれないと感じました。(KITAROのロードマップの中にも将来的には他のIPへの出資も書かれていたので、同じような仕組みで様々なIPを作っていく、最初のプロジェクトなのかもしれません。)
なんとなく、未来の株式会社の仕組み(web2 + web3の併用)が見えたプロジェクトリサーチでした。
(※リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。)
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おわり。